幼少期 第百四十三話
家に帰った劉備が、夕食の支度の真っ最中だった母に帰宅の挨拶を行ったすぐあとに今日の出来事を話していく。
「母上、ただいま帰りました」
「あら、玄徳、おかえりなさい。今日は急に村長の家に行くって言って出掛けていったけれど、なにをしてきたの?」
「今日はまた兄上から教えてもらった天の国の技術を村長さんに話して、それを広めてもらうのと同時に、その技術を実際に使ってもらおうと考えて村長さんの家に行ってきました」
「なるほどね、そういうことだったのね。それでやりたい事は終わらせることができたのかしら?」
「一応はほぼ終わりましたね。ですから明日の種まきは今日の一仕事終わらせた種を使った種まきになりますね」
「……あなたがそう言うなら、その技術は種に関するなにかになるのかしらね?」
「ああ、母上にはまだこの技術のことは話していませんでしたね。今回兄上から教えてもらった天の国の技術は塩水選と言って、良い種籾と悪い種籾を選別する技術になります」
「……そうなのね。天の国にはそんな技術もあるのね」
「はい、母上。今日はその塩水選を終わらせてきたので、明日は種まきをするだけで良いようになりました」
「それは良い報告ね。でもとりあえずは……」
「うん? 母上?」
「話の続きは夕食を食べながらにしたいって、私は思うかな?」
「え? あ……」
母の言葉を聞いた瞬間にお腹が鳴った劉備はすぐに母の意見に賛成して、母に夕食を食べたいと話していく。
これに母も笑顔で答えて劉備を食卓に送っていった。
「お腹なっちゃいました……。そうですね、続きは母上の言う通り、夕食を食べながらにしましょう」
「うふふ、そうしましょう。玄徳は食卓で待っていてね?すぐに夕食を持っていくから」
「……わかりました、それじゃあ大人しく待っています」
母に見送られながら食卓に向かった劉備は食卓でぼーっとしながら夕食の料理が運ばれてくるのを待ち、母の方は出来上がっていた料理を、今日は劉備の様子を見て少しずつ運んでいく。
その様子をしばらくはぼーっと眺めていた劉備だったが、途中から母が運んでくる料理を食卓に並べていく、という手伝いを行っていった。
そうして全ての料理を並べ終えたところで二人は夕食を食べていき、食べ終わった時に今度は劉備が積極的に後片付けの手伝いを行い、片付けが終わったあとはすぐに二人とも眠りに就く。
そうして翌朝、今日は種まきの日ということで劉備は普段よりも早起きをしていった。
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