幼少期 第百二十九話
家を出た劉備はそのままみんなと別れた水場に戻り、簡雍や他の子供達が戻ってくるのを待とうと考えた。
そういうつもりで到着した水場にはすでに半分以上の子供達が集まってきており、その中にいた簡雍が劉備に、
「よお玄ちゃん、思っていたより遅かったじゃねぇか。俺の方が先に到着するとか思ってなかったからちょっと驚いたぜ」
そう言って少々自慢気に声を掛けてきた。
これに劉備は、
「ちょっと待って憲兄ちゃん、少しだけ言い訳させてください」
こう話して簡雍に水場への到着が遅くなった理由を話していこうとした。
この劉備の発言を聞いた簡雍は、
「言い訳?まあいいけど。それで言い訳ってどんな言い訳だよ?」
そのように話して劉備が話そうとしている言い訳に興味を示してきた。
この簡雍の反応を見た劉備は早速、
「それじゃあ話していくわね?」
そう言ってからあまり早く水場に戻ってこられなかった言い訳を始めていく。
「みんなと別れて家に帰ったあと、母上と一緒に昼食を作ろうとしたんだけど母上から、昼食は自分が作るから私は休んでいなさい、そう言われたから普通に休んでいたらそのまま寝ちゃったのよね」
言い訳を始めた劉備はこのように簡雍に話していった。
これを聞いていた簡雍と、一緒に聞く事になった子供達は全員が、
「ええ……」
こう言って劉備の話した言い訳に引いていった。
そんな簡雍と子供達の姿を見た劉備は、
「それでも昼食が作られたあとすぐに母上が起こしてくれたから今こうしてみんなに言い訳を話せているんだけどね。起こしてもらう時間が遅かったらまだこの水場にいなかったかもしれないから、母上には感謝しかないよね」
そう言って母のいる家に向けて頭を下げていった。
これに簡雍は、
「そ、そうか、それは確かに玄ちゃんの母上に感謝だな」
そのように先ほどの引いた状態のままの笑顔で劉備の言葉に答える。
この簡雍の言葉に劉備は、
「あ、憲兄ちゃんも母上に感謝してくれるんだね。ありがとうね、憲兄ちゃん」
こう言って簡雍にも感謝の言葉を伝えていった。
これに簡雍が、
「お、おう、それは俺も嬉しくなるぜ」
こう言葉を返して相変わらず引き気味ながらも嬉しそうな笑顔を劉備に見せる。
そうしている間に残りの子供達も徐々に集まってきて、全員が集合したところで劉備が、
「これで全員集まったかな?」
そう言って全員を見渡していった。
この劉備の言葉に簡雍が、
「ああ、これで全員集合だぜ、玄ちゃん」
こう言って劉備の言葉に答えると簡雍の発言を聞いた劉備が、
「これで全員ならもう出発していこうか?」
そう言ってみんなに尋ねていった。
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