幼少期 第十一話
母と簡雍の前で発火器と濾過装置の使用実験を成功させた劉備は、
(これなら村中に広めても大丈夫そうだな…)
と、考えて母と簡雍に、
「これで発火器も濾過装置も問題無く使えるとわかったので村のみんなにも教えてあげようと思うんですけど母上と憲兄ちゃんはどう思いますか?」
と、言って二つの道具を村人達に教えても良いかの確認を行ったのである。
これに母は、
「私は良いと思うわ。これで毎日の火起こしが楽になると思うとみんな大喜び間違い無しよ」
と、言って賛成し、簡雍は、
「…そうだな、俺も良いと思う。発火器での火起こしもそうだけど俺は濾過装置の水が凄いと思うぞ?いっつも濁った水しか飲んでこなかったからな、この水を飲むのが楽しみだぜ」
と、言ってこちらは濾過装置を絶賛したのであった。
これに劉備は、
「それじゃ村のみんなを呼んでもう一回発火器と濾過装置の実験をしよう。それでこれが欲しいって言ってきた人には作ってあげよう」
と、言って母と簡雍に提案したのである。
劉備のこの言葉に母と簡雍は、
「わかったわ、すぐにみんなを呼んでくるわね」
「ああ、俺もすぐに呼んでくる」
と、それぞれに言うと村のみんなを呼びに駆け出していったのである。
その様子を見ながら劉備は、
「…まずは発火器と濾過装置を村に広めるミッションは成功しそうな感じになってきたね…。さてこの次は何の技術を広めるかな…。…何が良いかな~……」
と、言って考えていると簡雍が戻ってきて、
「なあ玄ちゃん、先にガキ連中連れてきたんだけどもう見せてもらっていいか?」
と、言って劉備に頼んできたので劉備は、
「うん、良いよ。それでどっちを先にする方が良い?発火器?濾過装置?私はどっちでもいいよ?」
と、言って簡雍に尋ねたのである。
この質問に簡雍は、
「濾過装置はちょっと時間が掛かるから先に濾過装置に泥水入れて、水が出てくるまでの時間で発火器を見せてくれよ」
と、言ってきたので劉備は、
「わかった、それじゃその順番でやるね?」
と、言うと集まった子供達全員に泥水を見せた後、すぐに濾過装置に泥水を入れて泥水が濾過されるまでの間に発火器を使って火起こしを行ったのである。
これに子供達は、
「すっげー!妖術みたいだ!」
「妖術使いだ!劉備は妖術使いだ!」
「妖術使い!妖術使い!」
と、言って騒ぎ始めたので劉備は、
「これは妖術なんかじゃないよ?この道具を使ったらみんなも同じ事が出来るようになるんだから」
と、言って子供達の一人に発火器を手渡したのであった。
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