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新訳三國志演義  作者: 篠原2
幼少期
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幼少期 第十話

家の中を探し回った劉備は必要な道具を見つけだすとすぐに母と簡雍の元に帰っていき、濾過装置を持っていた簡雍に、


「ありがとうございます、憲兄ちゃん。それじゃ濾過装置を渡してくれますか?」


と、言って声を掛けたのである。

この言葉に簡雍が、


「ようやくか!ほらよ、玄ちゃん」


と、言って濾過装置を劉備に返したのである。

そうして濾過装置を受け取った劉備は、


「…えっと、底の部分に穴をあけて…。…よし、これで完成!後はこれに水を入れるだけだね」


と、言うと母と簡雍に、


「これで後はここに水を入れれば濁った水が綺麗な水になって出てくるはずです」


と、言って説明したのであった。

これに母は、


「…これがあの子が教えてくれた二つ目の道具…」


と、言って完成した濾過装置をまじまじと眺めたのであった。

一方の簡雍は、


「…そんなどこにでもある材料で本当に水が綺麗になるのか…?」


と、言って疑いの目で濾過装置を見たのである。

そんな二人を前に劉備は、


「それじゃ試してみるね。その前に、はい!泥水だよね?」


と、言って濾過装置の実験に使う泥水を母と簡雍に見せたのである。

これに母は、


「…火起こしの時もそうだったけどこの泥水が綺麗な水になるのはちょっと信じられないわね…」


と、言い、簡雍は、


「…信じられないどころか嘘吐いてるのか冗談言ってるのかのどっちかだと思うんですけど…」


と、言って劉備の母に話したのであった。

二人のこの反応を見た上で劉備は、


「それじゃいきます。…泥水をここに…っと…」


と、言って濾過装置の実験を始めたのである。

そして劉備が泥水をある程度濾過装置に入れたところで簡雍が、


「…全然出てこないんだけど…?」


と、言って劉備に疑い目を向けたのである。

これに劉備は、


「兄上は水が出てくるまで少し時間が掛かると言っていました。ですからもう少し待って下さい」


と、言って簡雍に話したのであった。

そうして待つこと数分、遂に濾過装置から水が出てきたのである。

その様子を見た劉備は、


「…良し、成功した」


と、小さく呟いて小さくガッツポーズをしたのであった。

一方の母と簡雍の内、母は、


「…凄い!本当に泥水が綺麗な水になった!やったわね、玄徳!」


と、言って劉備を抱き締め、簡雍の方は、


「…信じらねぇ…。あの泥水がこんなに綺麗に…」


と、言って濾過装置から出てくる綺麗な水を見ながら劉備に、


「…なぁ玄ちゃん、これ飲めるのか…?」


と、言って質問してきたのである。

これに劉備は、


「すぐに飲めなくはないらしいんですけど、一回しっかり沸騰させて冷ましてから飲んだ方が良いと兄上が言ってました」


と、言って簡雍の質問に答えたのであった。

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