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写真を撮る

 でも、俺はさっきの散策で菜々美たちを支えると決めたのだ。

 こうなったら、トコトンやってやる!


「三人ともすごくかわいい! めちゃくちゃかわいい! さいたま市で一番かわいい! いや、埼玉県で一番かわいい!」


 どんどん褒め讃えるスケールを拡大してみた。


「……おにぃ……さいたま市で一番かわいいは微妙……」


 瑠莉奈からジト目でツッコまれてしまう。

 し、仕方ないだろっ! 咄嗟だったんだから!

 でも、さいたま市も埼玉県も人口が多いんだ! それのトップってことは誇るべきことだ!


「むうう……まぁ、いっか! 一応合格にしといてあげる!」


 とりあえず菜々美からはオーケーをもらえた。


「でも、まぁ、三人とも確かにかわいい。これは本当だ」


 インパクトが強すぎたが、じっくり見てみると……うん、完全に美少女アイドルである。

 菜々美はさすがだが、瑠莉奈も二三香も十分にアイドルとして通用する気がする。


「お化粧もうまくできてるでしょー!?」

「ああ、まぁ……確かに」


 化粧のことはよくわからないが、いつもより瑠莉奈も二三香もかわいく見える。


「ほらほら、しゅーくん! わたしたちのことをスマホで撮ってー!」

「……撮られるのは恥ずかしい……」

「そ、それは勘弁してくださいっ!」


 瑠莉奈と二三香が拒否しようとするが、押しの強い菜々美は引き下がらない。


「こんなにかわいくメイクアップできたんだから、絶対に撮らないと損ー! 写真撮るまでふたりのことは絶対に解放しないよー!」


 菜々美は両手をふたりの肩にガシッと回して掴んで固定した。


「しゅーくん! 早く、早くぅー!」


 菜々美に急かされる。


 ここは……まぁ、従うべきかな……。

 せっかく化粧と衣装を整えて三人ともかわいくなったんだし。

 そして、俺としても三人のこの姿は撮っておきたい。


「わかった」


 俺はスマホを取りだすと、三人に向ける。


「しゅーくん! かわいく撮ってねー!」

「……おにぃ……もういっそ、ひとおもいに……」

「あーもう、いいわよ! 好きなだけ撮りなさいよ!」


 三人の動きがとまったところで、俺はスマホのシャッターボタンを押した。


「しゅーくん! もっともっといっぱい撮って! せっかくだからふたりともいろいろとポーズとってみて!」

「……よくわからない……こんな感じ……?」

「もうヤケクソだわ! なんでもやってやるわよ!」


 菜々美がアイドル定番のさまざまなポーズをとると、瑠莉奈と二三香もそれにあわせて適当なポーズをとる。


 俺は三人のポーズが決まるたびに、ひたすらスマホのカメラのシャッターボタンを押し続けたのだった。


 ………………。

 …………。

 ……。


 うむ。眼福。


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