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新たな波乱の予感?


「……おにぃ……ここはその案を受けるべき……瑠莉奈の第六感がそう告げている……」


 瑠莉奈の第六感はよく当たる。


 たとえば、「……おにぃ……今日はいつもと違う散歩道を通ったほうがいい……」というのを無視していつもどおりの散歩道を選んだら犬のフンを踏んだ。


 あとは、「……このアイスを買うべき……たぶん当たる……」といってアイスがもう一本当たったこともあった。


 ……って、ショボい例だな。

 でも、そんな感じで瑠莉奈には未来予知とも言うべき第六感が働いたりするのだ。


「……わかった。瑠莉奈がそう言うのなら……」

「瑠莉奈ちゃんよりもわたしの言葉のほうを信じてよー!」


 菜々美はなにも考えてないから却下だ。


 まあ、菜々美はどんな地雷原に突っこんでもパワフルさとタフさで強行突破するタイプだからいいんだろうけど……。


 俺たち常人には、とてもマネできない。俺たちだと爆死するような生き方だ。

 菜々美は無敵なのだ。


「……でも、神寄さんに許可とったほうがいいんじゃないか?」

「えー!? 面倒だよぉー!」

「そんなこといっても、あとで問題になるかもしれないだろ?」

「じゃ、美少女を呼ぶっていう! それなら神寄さん許可してくれると思う!」


 すごい基準だな。


「芸能界はいつだってダイヤの原石を求めてるからねー! ちなみに、しゅーくん! その二三香ちゃんて美人?」


 ……二三香が美人?

 ……うーん……。

 ……まあ、どちらかというと美人かな。


 本人は体育会系なんでオシャレとかには気をつかっていないんだけど、あのポニーテールは割と似あっている気がする。健康美というのだろうか。そういうものがある。


「……どう思う、瑠莉奈?」


 俺だけでは判断できないので、二三香を見たことのある瑠莉奈に訊いてみた。


「……割と美人なほうだと思う……」


 瑠莉奈からもお墨つきをもらった。

 じゃ、割と美人なんだな、やっぱり。


「むぅう! しゅーくんの身近に美人がいるなんて複雑! やっぱりしゅーくんわたしに隠れて浮気してたんでしょー!?」


 またその疑惑が再燃か。菜々美はヤキモチ焼きだな。


「いや、違うって。なんならここに来たときに訊いてみればいいだろ? あいつは熱烈な菜々美ファンだ。俺とどうこうなんて、ありえないから!」


「むうう……! ますますこれは呼び出すべきだって思えるよ! よし! 呼び出そう! しゅーくん! メッセージ送信して!」

「お、おう……」


 菜々美から思いっきり迫られた俺は、二三香へメッセージを送ることにした。


『えーっと。実は今、菜々美と一緒に都内の某ホテルにいるんだが……菜々美がおまえに会いたがってるんだ。来るか?』


 こんな感じで送ってみる。

 すると。


『すぐ行く! 絶対に行く! 場所教えて!』


 光の速さでメッセージが返ってきた!


「二三香、オッケーだって」

「よーし! しゅーくんとの関係根掘り葉掘り訊いちゃうぞー! ライバルがいると燃えるよねっ!」


 菜々美が闘志を焼やしていた。

 なんだか面倒なことになりそうな気が……。

 でも、毒を以て毒を制す。あるいは、毒食らわば皿まで。


「……おにぃ……骨は拾って上げるから……」


 瑠莉奈は味方というより傍観するようだ。


 ともあれ。二三香にホテルの場所を教えた。


『すぐ行く! 待ってて!』


 またしても光の速さでメールは返ってきた。


「対決! 対決ー!」


 菜々美は朝からテンションが高すぎる。

 大丈夫かな……。


「……おにぃ……人生なるようにしかならない……」


 まぁ、そうかもな。

 俺も考えることに疲れた。


 ……というか菜々美の思考も行動もぶっ飛びすぎているので、考えるだけ無駄なのだ。

 まさに徒労。俺は考えることをやめた。


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