表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

21/85

巨乳攻防戦~そして、悟りの境地へ~

「ともかく! もうこれ以上脱線はさせないよー! しゅーくん覚悟ぉーーー!」


 菜々美は素早く正面に回りこんだ!

 つまり、文字どおり俺と向きあうことになる。

 すなわち、巨乳を見下ろすことになる。


「あああああああ!」


 やっぱり無理だ! なんだこの破壊力!

 なんで人体に大量破壊兵器が搭載されているんだ!


「……巨乳は滅ぶべき……」


 そして、貧乳の瑠莉奈は憎悪の視線を菜々美の巨乳に向けながらつぶやいていた。


「くっ……! もってくれ、俺の心と体……!」


 俺は中二病台詞のようなこと言いながら、必死に顔を背ける。

 こんな大量破壊兵器を見続けていたら肉体と精神が制御不能になってしまう。

 しかし――。


「だめーーっ! しゅーくん、わたしをちゃんと見てぇーーー!」


 あくまでも菜々美は俺に現実を直視することを()いる!

 三次元アイドル怖い! 二次元に逃避したい!


「むぅう~……! しゅーくんが顔を背けるというのなら……わたしが常に移動して視界に入ればいいもん!」


 菜々美は立ち上がると、俺の視界真正面に移動してきた。

 巨乳がすぐ目の前に!


「うわわっ!」


 俺、顔を背ける。


「移動!」


 菜々美、移動。


「わわわ!」

 

 俺、顔を背ける。


「移動!」

「ぎゃーっ!」


 俺の視界に常に巨乳が!


「……バカップル……」


 否定できない。

 カップルじゃないけど。


「はぁはぁはぁはぁ」


 よくわからない攻防によって、俺は息があがってしまった。

 アホすぎる。


「……巨乳を前にしてはぁはぁしているおにぃ、キモい、キモすぎる……おにぃキモすぎるカードを新設してポイントを5つ押印する……」


 こっちは必死に本能や煩悩と戦っているのに、妹からの評価はダダ下がりだ。

 兄の苦労妹知らず。


「むぅう~! しゅーくんの意気地なし! わたしとおっぱいから逃げないでよー!」


 そして、菜々美からは罵られてしまう。

 そんなこと言われたってなぁ……。


 しかし、まぁ……少しは巨乳に対しての免疫ができた。


 こんなもの、ただの肉塊だ。

 そんなものに対して、興奮するなんておかしいだろ?

 肉まんだと思えばいい。


「……オーケー、もう大丈夫だ。俺は悟りの境地に達した」


 澄んだ瞳で菜々美に告げる。


「わ。しゅーくん、なんだか、お釈迦様みたい」

色即是空(しきそくぜくう)空即是色(くうそくぜしき)


 仏教について詳しくないが、とりあえずそれっぽいことをつぶやいておく。


「……涼しい表情のおにぃキモイ……ポイント1つ追加……」


 もう俺はなにをしても妹からは評価されない運命だと受け入れる。

 妹より優れた兄などいないのだ。


菜々美「みんな―! 面白かったらブックマークと評価よろしくー!」

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ