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天才、初めての魔法

アリアから魔法について教わったその日の夜、俺は屋敷を抜け出していた。

一刻も早く魔法を使ってみたかったからだ。

巡回の兵の目をうまくすり抜け、俺は領地から5キロ程離れた森まできていた。


「ここまでくれば魔法使ってもバレないだろ。」


アリアの教えは丁寧で分かりやすかったが、知っていることばかりで正直退屈だった。

父の書斎には魔法書もおいていたから、魔法の使い方はもう分かっているのだ。

あとは実践するのみ。

魔法という未知の存在に、俺は相当浮かれていた。


俺は順に、魔法を発現させていく。


「うん、初級、中級魔法は問題なく使えるな。だがまだ生成スピードは遅い、か。こればっかりは練習あるのみかね。」


基本は大事だ。今使った感じ、一つの属性球を生み出すのにだいたい3秒ほど。

これでは到底実戦で使えるとは思えない。まずはこの時間を縮めなければ。


「数も大事だよなぁ。火の玉一個撃ちだしたところで直線的で避けやすいし。」


やるべき事は見えた。あとは反復し、感覚を自分に叩き込む。


俺は夢中で練習し、1秒間で30個の属性球を生成できるようになった。

詠唱なんかしてたら間に合わないので、勿論無詠唱で。


「まぁ、とりあえず今日はこんなもんか。多少はマシになっただろ。そろそろ帰らないとバレるしな…。」


そうして俺はまたこそこそと屋敷に戻り、ベッドに入る。

疲れていたのだろう、俺はすぐに夢の世界へと旅立った。


しかし俺は失念していた。魔法を使えることが楽しすぎたのだ。

朝起きると屋敷がいつもより騒がしく、どうしたのかとアリアに尋ねると、


「領地近くの“魔獣の森”で激しい魔法戦闘の痕があったらしいです。」

「見回りの兵士の話によれば昨日まではなかったと。奥の方から強力な魔物が現れたのではないかと、現在調査隊が組まれているそうです。」


俺は冷や汗をたらした。

これは…やらかしたかも…

”属性球”は直径10センチ程の球を撃ちだして攻撃する魔法です。込める魔力量によって大きさや威力も変わります。なんとなーくイメージが伝われば。

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