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神のちから

神は偉大なり

 目的の駅に到着し、律儀にも自動改札機をぬけて階段を降りるとコンビニが高架下にあり、その左手に町の案内板が目に入ったので、その前まで移動した。時間が16時30分過ぎなこともあって、学校帰りの学生や買い物をする主婦などが歩いている。

 

「一応、皆に連絡しておくか」


借りている霊界用のスマホを手に取ると、皆にチャットで現着を伝えた。すると、直ぐに雅人と立花さんからはスタンプ付きの『分かりました!』の返信がきた。


「ほぉ~、それが噂のスマートフォンかいな。ちょっと前まで、ガラケーといわれる携帯電話だったのに、世の流れも早くなっとるなあ」


 神様が珍しそうに、僕の頭の上から身を乗り出して画面を見た。


「お、神様もスマートフォンを知っているんだ?」


「当たり前やがな~、何千年、神さんやっとると思うてるんや。人界のスペシャリストやで、わし」


「何千年って、そんな昔から!? そういえば、『神』っていつ頃から存在しているの?」


 今の問いに反応して、神様が僕の頭の上からぴょんと跳ねると、案内板の隣にある四角い郵便ポストの上に着地した。そして、後ろ足二本で立ち上がると腰に手を当て(前足ともいう)説明してくれた。


「古くからは百数十万年前から存在している神もおるがな。その頃の神は、太陽、月、星など、人間では手の触れることのできない存在から始まるんや。そして、人の進化と想像力に比例して、火、水、土、雷などの系統、そして、時代が新しくなってくれば、天照大御神や大国主神などの神話や人神などが存在してくるんや。特に、この国にはたくさんの神さんがおることは聞いたことあるやろ?」


「ああ、聞いたことあるね。たしか『八百万の神』だっけ?」


「そうや。『八百万の神』っていうのは自然界の全ての物に神様が居ると考えられていることからその言い方ができたんやが、神様が八百万いるという意味ではないぞ? 無限に近い数の神がいることのたとえやからな。それに、これは神道の話であって、日本以外の宗教も入れるともっと多くなるで」


「さっき、人の想像力って言ったけど、それだけで存在してしまうものなんだね。そうなると、本当に無限だね」


「せやなあ。宗教は信じないけど、神はいるって考えてる人いるやろ? それも、これらの一つに当てはまるわな。どや、勉強になったやろう? 人と神は大昔から密接な関係ってことやな」


「いや~、納得した。じゃあ、昔の霊界はどうやって交信してたの?」


「ワシ以前のことまではわからんなあ。それ以降だと手紙でな、専門の運び屋がおって届けてくれてたんやが、主に霊界の鳩を使ってん。そのうち時代が変わり電話が登場し、今に至るわけや」


「そんな昔から霊界があるのだったら、あっちの世界は太古から現在の霊が混在しているってこと? 想像するとすごいんだけど」


 スーツを着たビジネスマン風の霊と、獣の毛で作ったパンツをはき、打製石器をもった原始人が仲良く立ち話しているところを想像してしまった。


「あー、ちゃうちゃう。時代ごとに世界が区分されててなあ、そのへんは混乱しないように管理されてるんやで。まあ、行ってみればわかるわ」


「よう、琢磨。待たせちまって悪かったな」


 不意に後ろから僕を呼んだので振り返ると、詰襟の制服の上にダウンジャケットを羽織った雅人が、右手をあげていた。


「なんや、随分ファンキーな兄ちゃんやなー、これが雅人ってやつかいな。ごっつうでかいのぉー。身長いくつやねん?」



 郵便ポストの上にいる神様が感心したように顔を上げて雅人を見た。


「やあ、雅人。僕もさっき来たところだから、全然待ってないよ」


「えっと、泉と乙那さんはまだか。今日はどんな感じですすめる?」


「おいおい兄ちゃん、返事くらいしようや。初対面やし、それくらいの礼儀はあってもよいやろ?」


 雅人はポストにいる神様を分かっていないのか、返事をしない。


「まあ、あれだな。今日のところは泉に似顔絵を描いてもらって、明日の朝から行動開始って感じか?」


「そうだね、今日はもう夕方だし、相手がどんな人なのか、デスメタルのお姉さんにヒアリングする感じかな。 って、…ああ、神様。雅人のやつ、見えてないんじゃないの?」


「おっと、そうやったな。じゃあ、この兄ちゃんにも、わしの存在を伝えてや」


「なんだ、琢磨。お前郵便ポストと話しているけど、幽霊になるとポストと会話できるようになるんか?」


「ちがう、ちがう。さっき電車でこの神様と知り合ってさ、なんか手伝ってくれるみたいなんだ」


「ほーう、ポストの神様が手伝ってくれのか。ありがたい話だけど大丈夫か? こんなのが動き回ったら町中大騒ぎにならんか?」


「なんでポストが動くねん。この兄ちゃん、あたま大丈夫かいな」


 神様が、立ったまま右の前足で自分の頭をつんつんした。


「いや、違うんだよ。えっとね、ポストの上に神様がいるから、存在していると思って直視してみてよ。そうすると見えてくるからさ」


「ポストの上?」雅人が目を細めてポストの上あたりを凝視した。


「あ~、何かうっすらと見えてきたな。…あん? うさぎじゃねえか」


 見えてきたのか、雅人が神様に近づき指をさした。


「いきなり失礼なやっちゃな、きみ。わしをどんなふうに想像してたんや、まったく」


「うお ! このうさぎ喋るじゃんかよ。しかも、声オッサンじゃねえか。本当にこれ、神様か? なんか、怪しくねえか琢磨?」


「え~? 雅人にそう言われると、僕も自信なくなってきたなあ。さっきは何か流れで信じてしまったけ感じだし、…本当に神様なの?」


 本人が神様だと言っていたから、信じてしまったけど、声といい、女好きといい、ちょっと怪しいかも。


「なんや、なんや、きみまで疑うんか? 因幡の白兎やって言うたやろ~。お前ら、どうせ、あれやろ、 見た目のくせして声とマッチしてへんとか言うんやろ? それなあ、この間も大国主やんに居酒屋で言われてん。でも、しゃあないやんけ。声なんちゅうのは生まれ持ったもんやし。わしだってかわいい声で生れたかったちゅうねん」


 ショックだったのか、因幡の白兎さんが耳をパタンと下におろし、その場でしゃがんでガックリと肩を落とした。


「ん、なんかこのおっさん落ち込んでない? 下向いちゃったよ」


「あ、いや、ごめんごめん、神様。疑うつもりはなかったのだけれど、雅人が言うから~」


 僕は横目で雅人を見ると、肘で軽く小突くまねをした。


「おいおい、俺のせいかよ。誰だって、いきなりウサギが現れてさあ、しかもオッサ…、あ、いや。関西弁とかだとあれじゃんよ。いや、まあ。悪かったよ、…イナバのものお、いや、神様さん」


 雅人が慌てた様子で両手を合わせて謝っている。


「ええねん、ええねん。どうせ、わしはマイナーな神や。現代の人間からしたら、古臭い苔の生えた存在やし、『百人乗っても大丈夫』で有名な物置の名前とよう間違えられる」


 イジケてしまった神様が、どこからか日本酒の入った一升瓶と茶碗を出すと一杯やりはじめた。


「あっちでも(霊界)なあ、若いうさぎを引き連れて、ねーちゃんのおる店に行きゃ、モテるんは若いやつばっかりや。若いうさぎと比べれば毛並みも悪くなっていくし、動きも悪うなる。でもなあ、しゃあないやんけ。おっさんかて、若いねーちゃんが好きやし、会話もしたいねん。せやから、キャバクラだってガールズバーだって行くっちゅうねん。しかしなあ、若いもんに勝る唯一のものはこれや、財布広げて見せびらかすんや。これでいくしかないねん。せやから、わしはこれからもこれでいくんや」


 自分の指で輪っかを作り、お金のジェスチャーをしながら熱弁が終わると、グイっと手首を返さずに一気に清酒を飲み干し、『ぷはぁー』と息を吐き出した。なんか可哀そうにも感じるのだが、やっているそぶりがあまりにもおっさんなのでイマイチ同情できん。


「なんか、やばくなってねえか、あの神様。お前が連れてきたんだから、何とかしろよ」


「え~? 僕だってさっき知り合ったばかりだし、何とかって言われてもな~。なったきっかけは雅人なんだし、これから行くデスメタルお姉さんにやった得意技で何とかしてよ」


 すっかり話しかけずらい空気をかもし出している神様に、どんな風に声を掛けてあげればよいか分からず、僕と雅人はお互いに罪のなすりあいを始めた。って言うか、くだを巻いている神様が面倒くさいだけなんだけど。


「あ、いたいた。少し遅れちゃったみたいね、ごめんね~」



 僕らが神様のフォロー役を譲り合っていると、後方から声がした。振り向くと改札から出たところの階段中段部分で、数人の人たちにまぎれた立花さんが僕らを見つけ駆け足でこちらにやって来た。彼女も学校の制服の上に白いダウンジャケットを着ている。


「やあ、学校から直接来てくれたんだ。昨日の今日で急がせてごめんね」


「ううん、全然大丈夫だよ! 私が手伝うって言ったのだから、そんなの気にしないで」


 凄くかわいい笑顔で答えてくれた。学校内で優香ちゃんと並ぶ二大巨頭。当然僕も知っている有名人なのだが、クールビューティなイメージであまり笑ったところを見たことがないので、ちょっとドキリとしてしまった。


「そう言ってくれるとありがたいよ、今日はよろしくね立花さん」


「おう、泉。今日はよろしくな!」


「例の場所はどの辺なの?」


 立花さんが、案内板の前に来て、右手で髪をかき上げながら地図を見た。


「えっとね、ここにある高架下なんだ。歩いて大体15分から20分くらいかな」


「うんうん、そうなのね。じゃあ、ちょっと待っててもらっていい? 飲み物買ってくるね」


「あ、うん。いってらっしゃい」


 僕が片手を上げると、立花さんがニコリと笑い、手を振り返してコンビニへ入っていった。それを見ていた雅人が不思議そうな顔をしている。


「何、不思議そうな顔してんの?」


「いや、ここんところアイツ元気なくってさ、ちょっと心配してたんだけど。昨日から妙に明るいんだよな。ぶっちゃけ、あそこまで明るいのなんて滅多に見ないんだわ」


「へ~、そうなんだ。そう言えば僕も学校で…」


「なんや、なんや、なんや! なんや、あの美少女は!! ごっつうええやんけ!」


 僕と雅人の会話を神様が大きな声で被せてきた。二人でポストの方へ体を向けると、神様が一升瓶と茶碗を投げ捨てて、勢いよく雅人の頭の上に飛び乗り、立花さんの後姿を目で追った。


「あれが、あれかい? 両翼の片割れか? かぁー! なんちゅうこった、かなりのべっぴんはんやんけ! 脚のライン見たか? こんなやで、こんな」


 言葉にならない言葉で、神様が全身を震わせてブンブンと右手を振り、コンビニの方を指をさしている。


「おお、よかった、よかった。神様元気でたじゃん。しかし、あいつの評判も相変わらずだな、初めて泉と会ったやつは皆同じ事言うな」


 雅人は感心したように腕を組んで言った。


「そりゃ、凄い美人さんだもん立花さんは。雅人は普通に見てるけどさ、そうは思わないの?」


「俺と泉は赤ん坊の頃からのなじみだしな。性格とかも知ってるから、こんな感じにはならねえよ。まあ、顔はいいんだろうけど」


 雅人は何ともないといった表情で、自分の頭の上にいる神様を指さした。


「なあ、きみ。彼女が帰ってきたら、わしを紹介するんやで、速攻や、速攻やで!」


 あまりにも興奮しすぎて、神様の息が荒い。


「ちょっと、神様落ち着いてよ。なんか、さっきもそうだけど、女性のこととなると凄いな~。彼女には神様を見せないほうがよいとか思ってしまうな。どうしようか、こういうの心配じゃない? 雅人」


「う~ん、そう言われると異常に興奮してるし、やばいよなあ。大体、泉を紹介してどうするんだよ。何か変なことでも考えているんじゃねえの?」


「な、なにがやばいねん、きみ。心配なことなんぞ、ありゃせんがなー。わしは神様やで? 信用して欲しいなあ。彼女と知り合いになって、ちょっと私生活を覗き…、いや、仲良くしたいだけやがな。」


 神様は必死な表情で額から出る汗を手ぬぐいで拭いている。


「ほら、そういうところ! だから怖いんだよねー」


 僕と雅人は目を合わせると、疑いの目で神様を見上げた。


「なんや、きみら。…ほお、なるほどやね? きみらそういう態度にでるんやな。それならこっちにも考えがあるで?」


数秒ジト目をしている僕らに対し、神様がニヤリと笑った。


「考えって何? まさか立花さんに変なことするんじゃないよね? だめだよ、それは」


「あほか、悪神じゃあるまいし変なことなんぞせんわ。罰を与えるのはきみら二人や」


「ほう、俺たちにかい。この神様にそんな能力あんのか、琢磨?」


「確か、縁結びの神様って言っていたから、そんな感じで人と人をめぐり合わせるのじゃないの?」


「全然怖くねえな。神様っていうから、もっと凄い魔法みたいなのがあるのかと思ったぜ。ちなみに大変なことってなんだよ?」


 雅人が完全になめ切った態度で肩をすくめた。


「わしは縁結びの神やからな、過去にどんな人間と関わってきたかも知ることができるんやで。そんなにわしを軽く見てるんやったら、一丁わしの力の一端を見せてやるわ」


 そう言うと神様の目が青く光り、全身からゆっくりとオーラが出て自身の周りを包み込んだ。


「ふんふん、なるほどな。きみ、大分女遊びしてるみたいやな。『大森 ここね』って娘おるな?


「え?」 その瞬間、雅人の顔色曇りだした。


「きみ、彼女とごっついことしていたんやな~。当時中学生やろ? エグいで、それー。それから…」


 何を見たのか神様は下卑た笑いをすると、雅人の耳元でボソボソ何事か話し始めた。すると見る見るうちに雅人の顔色が青くなっていく。


「わ~! ストップ、ストップ、それ以上言わないでぇ!! 俺が悪かった、ごめんなさい」


 雅人は自分の頭の上にいる神様を持ち上げると、先ほどの郵便ポストの上に恭しく載せ、両手を合わせペコペコし頭を下げ始めた。


「え! なになに、雅人どうしたのさ?」


「きみのことだって生きていた頃に誰と出会ったか分かるんやで」


 必死で謝罪している雅人を無視するかのように、神様が両足で立ち上がり、腕を組んだ(前足ともいう)


「人と人との出会いをいうんでしょ? だったら問題ないよ、別に悪いことしてないもん」


「そうか、そうか、では話してやるわ。きみの好きなセクシー女優は。ふむ、先ずは河北彩野、三上悠佳か、王道やなわしも好きやで。…でマニアックなのが」


「え? あれ、ちょっと神様?」


 ドキリとすると、神様が僕に耳を貸せとジェスチャーをする。僕は神様に近寄った。


「コスプレ系とか見るんかい、その辺は同意できへんな。さらに、おいおい熟女系をいくんかい。ストライクゾーンが広いんやなあ。さらに、○○物とか見るんかい、えぐいのう」


「ちょ、まって。待って、てば! なんでそんなことも分かるのさ? おかしくない??」


「なんも、おかしいことあらへんがな。画面越しからだって、きみと女優が動画で繋がってるんや、それは、立派な縁ちゅうものやで。じゃ、今のこと立花ちゃんに教えたろ」


「わあ! それ待った。男の尊厳に係る重大な危機だよ。神様ごめんなさい、好きにしてくれてよいですからそれだけはやめてください!」


 僕も雅人と並んで頭を下げ始めた。学生二人がポストに向かって懸命に頭を下げている姿はかなり異様なのだろう、周りを歩いている人が変な目で見ながら通り過ぎて行っている。…あ、違う、僕の姿は見えていない、雅人一人が見えているのだった。


「んじゃ、問題無しってことでええんやな。言っておくが、これから立花ちゃんとご対面タイムになるわけやが、わしのことちょっとでも変なこと言うたら全てばらすから、二人ともそのつもりでな」


 神様は勝ち誇った顔でふんぞり返ると、声高らかに笑った。


「なんちゅう恐ろしい能力なんだ、下手したら世界中の男共を平伏させることができるな。なあ、琢磨、お互いの平和のためにも、この神様には逆らわないようにしておこうな。


「うん、雅人の言う通りだ。まさか、幽霊になっても、ゆすられることがあるなんて思ってもみなかった」


 僕らは、頭を下げたまま顔を見合わせ深いため息をついた。


「二人ともなんでポストに向かってお辞儀なんかしてんのよ?」


 振り返ると、立花さんがペットボトルの飲み物を右手に持ちながら戻ってきた。確かに彼女の言う通り滑稽な場面になっている。横目で神様を見ると、『余計なこと、言うんやないで』といった顔で僕をジッと見つめているので、ビビりつつ、慎重に言葉を選びながら、さっき雅人に話したことを立花さんにもした。すると立花さんは『是非会いたい』と目を輝かせポストの上を見た。


「キャアアアアア! 何てカワイイうさちゃんなの!」


 確認できたのか、その場でぴょんぴょん跳ねてプリティー度を全開にアピールしている神様の方へ、立花さんが奇声を上げて近づいた。


「初めまして、立花さん。私が『因幡の白兎』です、よろしくね。」


 その言葉を聞いて、びっくりした。何故なら、先ほどまで中年丸出しのおっさん声だったのが、立花さんに話しかけた声が幼稚園に通っているくらいの幼児の声に変化しているからだ。しかも可愛らしい女の子だ。雅人も同じ反応を示していて目を丸くさせている。


「うわー、声までかわいらしいのね」


「いや、えーと泉」 あまりの詐欺っぷりに思わず立花さんに声をかけた雅人だったが、神様が目で脅してきたため「なんでもない」と言って黙ってしまった。それを見て、僕は止めて正解だよと首を横に振ってジェスチャーした。


「ねえ、疲れちゃったから抱っこして?」


「そうなの? いいわよ、おいで」


 調子に乗ってきた神様が両手を広げている立花さんの胸めがけてぴょんと跳ねた。それを彼女は優しく包み込むようね神様を抱く。抱きしめられている神様は余程嬉しいのか尻尾をぴょこぴょこと動かしている。


「すげえな、こいつ。あざと過ぎて逆に尊敬するわ」


「同感、この神様には勝てないや」


 立花さんが嬉しそうにうさぎを抱っこしながら体を撫でているのを横目に、僕と雅人はお互いにすり寄り横並びになってボソボソと話しはじめた。

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