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第3話

「どれが良いかわからなかったらおすすめのプラターを頼むといいよ。それだったら、何種類かの料理を一度に試す事ができる。」

俺たちは声の主に振り返る。俺たちの隣に座っていたのは一瞬目を見張る様な美青年だった。民族衣装だろうか、ターバンらしき布で頭を隠し、金と赤で刺繍された衣服を着ている。所々に房がついており、美しい宝石の玉がぶら下げてあった。彫刻の様な彫りの深い顔に紫色の瞳が二つの宝石のように煌めいている。珍しいな・・王族だろうか・・。

「あ、ありがとう。もしかして君って・・スミルナの・・?」俺の前に座っていたレイモンドが声を上げる。


「ああ、申し遅れました。私は今年からこの学院に通う事になったセルムと申します。確かに私はスミルナ出身です。皆さんも新入生なんですよね?これから3年間よろしくお願い致します。」そういって彼は挨拶の手を差し出した。


「こちらこそ」そうって俺は彼の手を握り返す。

「そういや・・・その格好を見ると、まだ寮には行ってないんだな。部屋はもう決まっているのか?」

「はい。今日の午後行く予定なんですが、部屋は3階の1番右端、たしか312だったと記憶しています。」

「え」彼の言葉に驚いた。ということは、こいつが俺のこれから3年間のルームメイトと言う訳か・・・。

「それじゃ、俺がルームメイトのギルロイだ。ギルと呼んでくれ。」

「貴方が・・・?それは・・・こちらこそよろしくお願いします。」

「見たところ、従者は連れて来てないんだな・・良ければ俺たちと一緒に食べないか?」

「宜しいのですか?では、宜しくお願いします。」そういってセルムはにっこりと笑った。


彼がテーブルにつくと同時にレイモンドが待ちきれないと言った様子で質問する。「ねえ、君って本当はスミルナの王族なんじゃないの・・?その・・・、違ってたら悪いけど、もしかして君のお姉さんってロザリア王女・・・?」


彼はじっとその紫の瞳で彼を見つめていたが、ふと笑うと言った。「姉をご存知なんですね・・?そういう貴方はエストラーダの第一王子、そして貴方はアステールの・・・違いますか?」

「えっ、よくわかったね・・・。俺たち皆制服着てるのに」学院内では提供される制服を着る決まりがある。彼も今は民族衣装を纏っているが、明日になれば、制服に着替えるのだろう。

「そりゃあ知ってますよ。ウリムナ大陸で名高い国の事は・・・。お二人は幼馴染みか何かですか?」


「ああ・・」

「そうですか・・・それは素晴らしいですね」

レイモンドはもっと彼にロザリア王女の事を色々と聞きたがっているそぶりを見せたが俺に睨まれて首をすくめる。長年の付き合いだ、やつの思考回路は大体熟知している。横で従者のカルキンが含み笑いをしていた。


しばらく話しているうちに料理が運ばれて来た。肉を串に刺したものや、パンで包んで食べるもの、他にも何種類かの料理があり、なかなかうまそうだった。

「これは、こうやって食べるんです。」彼は平たいパンをとると、その口を開く。そしてその中に煮豆や野菜などを入れてちぎって食べた。

「なるほど」そういって真似をしてみる。なかなか美味かった。


食事の後、別にこれといって用のなかった俺は今日からルームメイトとなるセルムの手伝いをすべく荷物が置いてあるというホテルへと向かった。レイモンドもついて来たそうにしていたが、カルキンに引っ張られて、寮へと戻った。なんでもまだ部屋の中はぐちゃぐちゃらしい。

ホテルにつくと部屋の前で屈強そうな兵士が二人立っている。この学園都市は中立国として、どの国からの生徒も分け隔てなく受け入れている。もちろんこの学院内での殺生やもめ事は御法度だ。もし生徒の中に戦争中の国の敵がいたとしても、この学院都市内では一切もめ事を起こしてはならない。そういった決まりの上で成り立っているのだ。

通常ならば、兵士などもこのリザルに連れ入ってくる事はできないはずなのだが・・・。俺の不思議そうな顔を察知してセルムが口を開いた。

「姉上が一緒に来てるのですよ・・・このリザルにね・・・」



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