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活字の中の妄想世界  作者: 東雲 良
序章 世界は頭脳に創造されて
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世界は頭脳に創造されて



 想像が現実になったら。



 ……誰しもが一度は思った事があるであろう、この問題。


 かく言う僕も漠然と考えた事がある。好きな人が振り向いてくれたら、鬱陶しい親を黙らせられたら、財布に使い切れないほどの小遣いが入っていたら、難しいテストがなくなれば、ずっとベッドの中で眠っていられたら。


 それこそ人間の願望なんて尽きないだろうが、この一晩で僕はちょっと二度と御免被る。


 なぜって?



「いーやーァァァああああああああああああああああああああああああああああああ‼」



 女子みたいな叫び声を上げながら、僕は通学路を全力ダッシュしていた。


 どうにもならない。


 僕じゃあどうしようもない。


 後ろからは無数の人影が闇を引き裂いてこちらに殺到してくる。男女の区別もつかない。つーか大鎌持った本当の悪魔みたいなヤツもいるし、屋根や電信柱を跳躍して僕に迫ってくる影もある。


 ここはファンタジー世界じゃないんだ。魔法も魔術も魔導も神話も何もかも関係ないはずなのに、どうしてたった一晩で何もかもひっくり返っちまうんだ⁉


「ああくそっ、全体的にふざけてる‼」


「良いからシャキシャキ走りなさいよ‼ ほらもう息上がってんじゃん、運動不足過ぎるわよあなた‼」


「う、うるさい。こっちは毎日素振りして激闘している剣道部じゃないんだ、体力自慢ならよそでやってくれ……ッ‼」


「こいつっ、私を巻き込んでおいてその言い草か……ッ⁉」


 そう、巻き込んでしまったのだ。


 僕の幼馴染・海原真那枝。同じ高校の女子剣道部。……残念ながら、剣道の竹刀じゃあ悪魔みたいな大鎌には対応できない。


 全力で逃避行。


 この一択しかない。


「どうする……ッ⁉」


 さて、ではもう一度だけ議題を発表しよう。


 想像が……否。




 創造が現実になったら?






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