仮説
どうも、異世界無双を目指してるルクスと申します。
先ほど金なし無職を解決してギルドから出てきたところだ。お金のほうはギルドの窓口に行けばたまった分を引き落としができるようになっている。
金策が解決した俺は山奥へと向かった。誰にも見られない山奥へと。ちょうど回りが開けた場所を発見した。
これからの異世界無双計画は修行フェイズに移行することにした。山奥へと行き修行し、街に帰り休息する。これらをしばらく繰り返すつもりだ。なぜ山奥かというと、魔獣を狩りながら修行するためではない。人には見せられない魔法を開発するためだ。
ここに来るまでにいくつかの開発しておきたい魔法がある。その一つが不老魔法だ。なぜそんな魔法を開発しようとしたのかというと、今のままの自分の能力だと異世界無双に到達するには1000光年早いにだ。それを解決するためには修行する時間を確保するために不老魔法を開発する必要があると考えた。このまま修行しても何百年かかるかわからないからな・・・・・・
よし!不老魔法を完成させるぞ!!
・・・・・・そんな都合のいい魔法は聞いたこともないし、原理なんかわかるわけがなかった。そのかわりの魔法を開発することにした。
俺が10歳のころ、魔法の原理を考えてた頃の話に戻る。とある魔法士が砂漠に遭難していた冒険家を水の魔法を使い、冒険家の喉を潤した冒険譚を聞いたときにふと思った。
水という物質をどこから出したのだろうと・・・・・・
どうして何もない物質をその場に出すことができたのだろう?そこに疑問を感じ、シスターや町の冒険者に聞いてみてもみんな口を揃えて「そういうものだ」と答える。
長い年月凝り固まった常識のせいで疑問にも思わなかったのだろう、みな「何言ってるんだこいつ?そんなの常識だろ」と言いたげな様子だった。
この疑問を解決するために自分なりに思考してみた。その結果一つの仮説を思いついた。空気中に窒素、酸素、二酸化炭素があるように魔素というものがあると仮定した。通常魔法を使うときは自分の中にある魔力を使い、魔法を発動させる。使用した魔力は時間経過とともに回復するのだが、それは空気中の魔素や、料理に使用する魔獣の肉や植物に含まれる魔力を摂取しているからと考えた。魔獣が植物をたべて魔力を補給する、植物が空気と水分を摂取して魔力を摂取する。この循環を
「魔素連鎖」と呼ぶようにした。
だいぶ話がそれたが話を戻そう。水がどこから出したのか、その答えは魔力が水に変化したためであると結論図けた。もう少し詳しく説明すると魔素が原子レベルで存在しており、ほかの原子と組み合わさることにより水ができたと考えた。ここまで思考した時、新たな仮説が生まれた。
この世のすべてが魔素で構成されているのなら魔法で魔法ですべての物質を作り出せるのではないか?鉄や金を作り出せるのではないか?と考えた。
金が作れれば大金持ちになれると妄想していた時、ふと、あることを思いついた。そして何気なしに頭にイメージしたものを具現化するように魔力を集中させる。結果は大成功した。が具現化したものは想像絶するものだった。
それは人間の腕だった。
そして回想終了。
あの時、人間の腕が生成可能なら体全体の生成も可能ではないかと仮説をたてた。
それを今ここで試そう。
緊張が走る中イメージを思い浮かべ、魔力を集中させる。そして魔法を発動させた。
「・・・・・・マジかよ」
本当に人間が出てきた。人間ってか俺の死体か・・・・・・とりあえず自分の体を思い浮かべて発動させたが
「きもちわりぃな~これ」
かなりげんなりしたが人間の死体?を触ってみる。
「本当に人間だ・・・・・・これってほかの魔法士も使えるのかな?ってそんなわけないか、もしそうだったら大変なことになるだろうからな・・・・・・」
しかしこれはすごい進歩だぞ!!これを応用すれば不死の魔法に近づけた!・・・・・・気がする。
「しかしこれは明らかに新しい魔法だ、なにか名前を付けるか」
何がいいかなこの世界なら厨的な魔法名でもかっこいいだろう。
「とりあえずシェプフングと名付けようか」
世界を揺るがしかねない魔法を開発したことによりすごく興奮していた。そのせいかある重大なことを忘れていた。それに気づくにはそれほど時間はかからなかった。
「よし今日はそろそろ帰るか」
宿に帰ろうとしたとき重大な問題に気付いた。
「あれ?こいつどうしよ・・・・・・」
そこにはぽつんと残された自分の姿をした肉塊があった。
「このままここに残すのはさすがにまずいよな・・・・・・」
このままここに残すのはリスクが大きい、だれか万が一見つかったら大騒ぎになる。
「仕方ない・・・・・・埋めるか」
考えた結果自分の肉塊を穴を掘って埋めることにした。
「・・・・・・なんか罪悪感がすごいんだけど・・・・・・」
殺人犯体験をした後、街に帰り宿に泊まった。自分の目標である異世界無双を夢見て宿のベットで眠るのであった。
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