8.げんいんかいめい!
しばらくのあいだスランくんは、パソコンをいじってました。
やがて、むずかしいかおで、ナロウくんをよびます。
「なあ、ナロウ?」
「えっ、はい! なに?」
「あのさ。
すっごくいっぱい、さくひんがあるのは、すごいっておもう。
でもさ、どれもとちゅうでとまってるって、どういうことだ?
さいしょの『ミッドないとクルセイダーズ!』は、けっこうつづいてるけど……
ほかのは、どれも2わとか、3わていどじゃん。
いちわしかないのも、けっこうあるし」
「あ、えっと、そのう……
それはあの、かいてみたはいいけど、しっくりこなかったり……
やっぱこれ、にんきでないなっておもって、そのまま……」
「………………。」
スランくんは、ふかくふかーくためいきをつきます。
「えっ、ど、どうしたのっ?」
「ハッキリいおう。
このままじゃ、どんなさくひんをとうこうしても、ブクマはつかない。
いや、もう、よんですら、もらえないかもしれない」
「ええっ?! ど、どうして? どういうこと?」
ナロウくんはとてもおどろきました。
さくひんがおもしろいか、どころか、よんですらもらえないなんて!
あまりにショックで、たちすくんでしまいます。
「ぎゃくにかんがえろよ。
おまえが、ちょっとたのしみにしてるさくひんがあったとする。
でも、そのさくひんは、すぐにとちゅうでほっぽりだされて……
おなじさくしゃが、つぎのさくひんはじめたら、なんだよっておもわないか?
それも、いっかいにかいじゃない。
なんかいもなんかいもつづいたら、おまえ、そのさくしゃさんをきらいにならないか?
きたいしてたぶん、がっかりしないか?」
「えっ……きらいには、ならない、けど……
うん、そのひとのさくひんよむのは、どうしようかなって……あっ!」
ナロウくんは、はっときがつきました。
それって、まさしくぼくのことだ!
「ど、どうしよう……どうしよう?」
「いちど、この『とうこうサイト』を、やめたらどうだ?
いまの『さくしゃ:NAROU』は、ぜんぜんだれにもしんようされてないんだ。
ちょこちょこっとはなしをはじめて、すぐになげだすやつ。
そんなレッテルが、はられちゃってるんだ。
いっそのこと、ぜんぶリセットして、まっさらにはじめるほうがラクだとおもう」
「それだけはだめっ!」
ナロウくんはさけびました。
2019.05.27
本日は朝のみの投稿となります……
明日からは朝晩の投稿にもどります!