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7.さくせんかいぎ

 にんげんのナロウくんと、ようかいのスランくん。

 ふたりはもう、ともだちです。

 なかよくむかいあって、ゆかのざぶとんにすわります。

(ちなみにスランくんのしろいスニーカーは、どこかにかたしたみたいで、はだしでした)

 スランくんが、ぱん、とてをうって、さあ、しきりなおしです。


「よしっ、じゃああらためて、さくせんかいぎだ!

 いちばんてっとりばやいのは……

『かぞくや、ともだちや、しんせきにたのんで、ブクマをつけてもらうこと』。

 でも、それは、いやなんだろ?」

「うん。

 かたちだけのブクマをもらっても、かなしいだけだからさ」

「よんでもらったら、ほんとにおもしろいって、おもってもらえるかもしれないぞ?」

「うーん……どうかなあ……

 っていうかやっぱり、リアルでしってるひとに、みてもらうのは……」


 ナロウくんははずかしそうにうつむきます。


「おまえ、しょうらい、プロのしょうせつかめざしてるんだろ?

 そしたら、しゅっぱんしゃのひととは、リアルでしりあうことになるんだぞ?」

「ふああああっ!」


 ナロウくん、はずかしさのあまりさけびます。

 おかおはすでに、まっかです。


「ど、どうしよう! ど……どうしよう?」

「オレにいうなよっ!」

「でも……でもっ……!」


 スランくんは、ちょっぴりあきれます。

 でも、はんなきのナロウくんをみると、つめたくつきはなすことなんか、できません。


「よし。おまえ、オレにみせろ!」

「えっ?」

「『えっ?』じゃない。

 オレが、おまえのしょうせつ、みてやるよっていったの!

 おまえには、じつりょくがないわけじゃない。

 そこはこのオレが、ほしょうする。

 なのに、なんでブクマがぜんぜんつかないのか。

 オレが、げんいんをみつけてやる!

 ……いやか?」

「う……い、いやじゃないけど……は、はずかしいよ……」


 きえいりそうなこえで、ナロウくんははずかしがります。

 でも、なきだしそうなめで、ちらっ、とスランくんをみます。

 スランくんは、むん、とふんばって、ナロウくんをせっとくします。


「だいじょぶだって。ぜったい、わらったりしない。

 ばかにしたり、ほかのやつにばらしたり、そういうこともしないから。

 ほらっ、おまえとおれは『けいやくしゃ』どうしだろ?

 だから、そういうことは、しないんだ。

 しんじてくれよ。な?」


「わ……わかった。

 じゃ、じゃあ……そのっ、やさしくおねがいしますっ!!」


 ゆうきをふりしぼり、ナロウくんはおねがいしました。

 スランくんは、そんなナロウくんのあたまをなでてあげました。


 ――やれやれ、せわがやけるんだから。

 でも、おとうとみたいで、かわいいなぁ。


 スランくんはこころのなかでおもいます。

 でも、それはナロウくんにはないしょです。


 さっそくナロウくんのつくえのまえにすわり、パソコンにむかいます。

 そうして、ナロウくんのしょうせつをよみはじめました。


スランくん「も、もうこれいじょう、ぬがないからなっ!」←はだし

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