4.ゆめじゃなかった?
つぎのひのよる。
ナロウくんはいつものように、つくえのまえにすわりました。
きょうは、ためいきはありません。
それどころか、きづくとかおがにやけちゃいます。
だって、きょうはねんがんの、『ブクマ』がついているはずなのです。
ゆうべ、『ようかいブクマはがし』が、やくそくしてくれたのですから。
オレさまがおまえに、『ブクマ』をゲットさせてやる、と。
ナロウくんはいそいとパソコンをつけます。
みぎてでマウスをうごかして、カチカチ、とショートカットをクリック。
いつもの『とうこうサイト』にいきました。
そして、じぶんのさくひんのじょうほうをかいた、『さくひんかんり』ページにいきます。
「……あれっ?」
でも、ナロウくんはそこでおどろきました。
『ブクマ』はふえてなかったのです。
めをこすってみても、ほっぺたをたたいてみても……
F5キーをおして、がめんをこうしんしてみても……
それでもやっぱり、ふえてません。
……やっぱり、あれはゆめだったのかな。
おおきくためいきをついたそのとき、ききおぼえのあるこえがしました。
「どうだ、ナロウ。
『ブクマ』はついたか?」
ナロウくんはがたっと、たちあがりました。
つくえのそばにはいつのまにか、きのうのイケメン――
『ようかいブクマはがし』が、たっていたのです!