2.『ようかいブクマはがし』あらわる!
そのしょうねんはちょっとだけ、ナロウくんににていました。
けれど、とてもかっこいいのです。
さっぱりと、いまふうにカットされた、つやつやのくろかみ。
かおだちは、ちょっとナロウくんににてるけど、100ばいくらい『イケメン』です。
きれいなあかいめは、ちょっとつりめで、そこはきんじょのねこのクロちゃんぽいです。
せもたかくって、ほそマッチョ。
くろのタンクトップと、あおいジーンズ、しろいスニーカーがよく、にあってます。
まるで、まんがのしゅじんこうのようなかっこよさ。
ナロウくんは、ちょっとだけドキドキしてしまいます。
でも、やっぱり、しらないこです。
なんだかつよそうだし、もしかして、どろぼうかもしれません!
「だ、だれだよ、おまえ!
かってに、ひとのうちにはいってきて!
えっと、おまわりさんをよんじゃうぞっ!」
ナロウくんは、つよきなちょうしでさけびます。
どんっと、いすにこしかけたままで。
……ほんとは、こしがぬけちゃって、たてないだけなのですが。
なぞのしょうねんには、ナロウくんのつよがりが、わかってるみたいでした。
おかしそうにわらって、こんなことをいいます。
「よびたきゃ、よべば?
オレのすがたがみえるのは、おまえだけだ。
みんな、おまえのことをわらうぞ。
パソコンのやりすぎだって、パソコンとりあげられちゃうかもな!」
「えっ?
なっ、なんだよ、でたらめいって!
だまされないぞ! ほんとだからな!!」
ナロウくんのせなかを、ひやあせがつたいます。
このこがみえるのは、ぼくだけだって? そんなばかな!
だって、どうみても、このこはここにいるじゃないか!
あしだって、ちゃんとある。ゆうれいなんかじゃない!
そのとき、ナロウくんは「あっ」とこえをあげました。
おどろきのあまり、いすからころげおちました。
そう、めのまえにみえる、しょうねんのあし。
しろいスニーカーをはいたそれは、ゆかからちょっぴり、ういていました。
「やっとわかったようだな、ナロウ。
そう、オレはにんげんじゃない。
オレは、ようかいだ。
うわさの『妖怪ブクマはがし』とは、このオレさまのことだ!」
「えええええ!」
よいこのみなさんは、おへやのなかではスニーカーをぬぎましょう……!