さいしゅうわ きみのために
ソラさんはなんと、ナロウくんのごきんじょさんでした。
たいいんしたら、あそびにいったりきたりしようね!
ソラさんとそうやくそくして、ナロウくんはうきうきとびょういんをでました。
おそとはきれいなゆうぐれです。
ふんわりあかるく、ぽかぽかあたたかいオレンジいろは、まるでナロウくんのきもちみたい。
でも、スランくんはちょっとおこったかんじでした。
そしてナロウくんに、こんなふうに、おせっきょうしてきたのでした。
「ソラがやきもちをなくしたら、オレはきえちまううんめいだった。
それをすくってくれたのは、うれしいんだ。……ありがとう。
ほんとうに、かんしゃしてる。
でもさ、オレようかいブクマはがしじゃん。わるいやつじゃん。
それをたすけるためにって、ああしてソラにやきもちやかせて。
でも、それだけってのも、ふこうへいだって、オレにも、やきもちやかせて……
はっきりいうぞ。
オレたちがおんなのこだったら、おまえかんぜんに、ちょーわるいおとこだからな!
おんなのこには、そういうことするんじゃないぞ! いいな!」
「わ、わかった! おぼえときますっ!」
そういいつつも、ナロウくんはおもうのです。
ぼくが、ふたりのおんなのこに、すきになってもらって……
そのどっちかをえらぶひなんて、くるのかな?
いままで、かのじょなんか、できたこともないのに。
けれど、スランくんがにこにことこういえば、そんなきもちもふっとびます。
「まあ、いいや。
かのじょなんかできなくっても、オレがめんどうみてやるよ!
おまえにはもっともっとすごいさくしゃになってもらって、いっぱいブクマをかせいでもらわなきゃなんだから!
そうすればオレはいつもおなかいっぱい!
おまえは、あこがれのしょうせつかだ!
いいか、ナロウ。
おまえは、オレのいのちのおんじんだ。
だから、オレのぜんりょくで、おまえをぜったい、せかいにつうようする『ぶんごう』にしてやるからな。
だからおまえも、ぜんりょくでがんばるんだぞ、あいぼう!」
「うん、あいぼう!」
ゆうぐれぞらにむけてふたりは、なかよくこぶしをうちあわせます。
そして、なかよくおうちに、かえってゆくのでした。
しょうせつかをめざすおとこのこ『ナロウくん』と、
ナロウくんのなかまになった、やさしいようかい『スランくん』のおはなしは、
これで、おしまいです。
このあとのことを、ちょっとだけおはなしすると……
ナロウくんはこのあと、とちゅうでとめてたおはなしをみんなかきあげて、『でんせつのおとこ』とよばれるようになりました。
そうして、いまではすっかり、とうこうサイトのにんきもの。
ソラさんとスランくんと、さんにんなかよくがんばって、せかいにはばたく『ぶんごう』をめざしているということです。
~ おしまい ~




