11.さくせんかいぎ、ふたたび!
「よう、ナロウ。
さくせん、かんがえてきたぞ!」
つぎのひのよる、ナロウくんがおへやにもどると、スランくんはもう、つくえのまえにすわっていました。
ナロウくんはにこにこして、もってきたおちゃとおかし、そしてほしておいたざぶとんをすすめます。
「いらっしゃいスランくん!
どうぞ、すわっておちゃとおかしでも」
「あっ、どうも……
なんかてれるな、こういうの」
「えへへ……」
そうしてなかよくわらいあうと、むかいあってすわります。
さあ、きあいをいれて、さくせんかいぎかいしです。
「やっぱりさ、しょしかんてつが、いいとおもうんだ。
『ミッドないとクルセイダーズ!』を、かんせいさせる。
ほかのさくひんより、はなしもすすんでるから、かんけつへのみちのりもみじかいし……
それに、やっぱおもしろい」
「おもしろい……?」
「ああ。
ほかのとちがって、はやりのようそとか、ちっともはいってないけど……
おまえがほんとに、かきたいなあっておもって、たのしんでかいてるのがわかるんだ。
オレは、これのつづきがよみたいよ。
もちろんこいつは、おまえのだいじなさくひんだってのは、わかってる。
ほんとによんでもらいたいのが、だれかってことも……
それでも、オレはおねがいしたい。
ナロウ。『ミッドないとクルセイダーズ!』をかいてくれ。
それがなかったら、しぬにしねない」
「……え?」
ナロウくんは、どきり、としました。
いま、たいへんなことをきいてしまったきがします。
けれどスランくんは、なんでもないよというように、わらいます。
「な、なんだよ。え、えーと……そう! いまのは、ことばのあやだから!
オレ、なんでもするから。ナロウのためにがんばるから。なっ?」
「え、えーと……
うん、わかった。
ぼく、がんばってみるよ!」




