10.『ブクマ』ゲットチーム、けっせい!
それからしばらく、ナロウくんはないていました。
でも、スランくんがずっと、せなかをぽんぽんしてくれたので、やっとおちつきました。
ナロウくんがなみだをふくと、スランくんはごめん、といってきました。
「ごめんな、ナロウ。
その……なかせちゃって。
つらいはなし……させちゃって」
「ううん、ぼくこそごめんね。
あったばっかのきみに、こんなはなしして、ないちゃって」
「いいってことよ!
オレたちは『けいやくしゃ』どうし。
もう、なかまなんだから!」
「うん……そうだね。そうだね!」
ナロウくんは、にっこりわらいます。
そうだ、ぼくにはもう、スランくんがいる。
ぼくはもう、ひとりぼっちなんかじゃない!
スランくんも、にっこりわらいます。
そう、ふたりはもう、なかまなのです。
おきにいりのあかし『ブクマ』をゲットするための、チームなのです!
スランくんはいいました。
「きょうはもうおそいし、あとは、あしたにしよう。
おまえは、ちゃんとねておいて、しょうせつをかくチカラをたくわえる!
オレは、もうすこしおまえのさくひんよんだりして、さくせんかんがえとくから」
「いいの? スランくん、ねむくない?」
そう、とけいをみれば、もうまよなかちかく。
でも、スランくんは、まかせとけ! とおやゆびをたてます。
「だいじょうぶにきまってるだろ?
だってオレは妖怪だぞ。
つよくてかっこいい、よるのせかいのじゅうにんだからな!」
そうしてぱちん、とウインクをすれば、それはあまりにかっこよくって――
ナロウくんはひそかに、ドキドキしてしまうのでした。
あさになって、めをさましたナロウくんはびっくりしました。
もう、スランくんはかえってしまって、いませんでしたが……
つくえのうえに、メモがいちまい、のこっていました。
それには、きちょうめんなじで、コメントがかかれていたのです。
ことばづかいはぶっきらぼうだけど、あったかくてやさしいコメントが。
ソラさんがにゅういんしてしまったあと、なんとかいちわだけかきあげていた、おはなし――
『ミッドないとクルセイダーズ!』さいしんわをよんでの、かんそうでした。