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1.ナロウくんのためいき

 これは――

 しょうせつかになりたくて、でもにんきのでないおとこのこと、

『ようかいブクマはがし』をなのるしょうねんの、

 ちょっとこわくて、ちょっとわらえて、

 さいごはほのぼのしちゃう、おはなしです。

 あるところに、ひとりのおとこのこがいました。

 なまえは、『ナロウくん』といいました。

 ちょっとだけなきむしで、よわむしで、でも、きもちのやさしい、おとこのこです。


「ああ、『ブクマ』がほしいなあ……」


 こんやもナロウくんは、つぶやきます。

 おへやにこもって、つくえのまえで。

 ほおづえついて、おおきくためいきをつくのです。


「どうして、ぼくのさくひんは、『ブクマ』がもらえないのかなあ……?」



 ナロウくんは、しょうせつをかくのが、だいすきです。

 テストも、かけっこもにがてだけれど、ぶんしょうだったら、かけるのです。

 それになんたって、おはなしをつくるのは、とってもたのしい!

 だからいつかは、しょうせつかになりたい! とあこがれてます。


『しょうせつとうこうサイト』に、さくひんをだして……

 ときには、しょうせつコンクールにも、さんかしてみて……

 そうして、にんきのさくしゃになれたなら、しゅっぱんしゃのひとが、スカウトしてくれる。

 そうしたらぼくは、あこがれのしょうせつかだ!


 だから、ナロウくんは、がんばるのです。

 まいにちちょっとずつ、しょうせつをかいては、『とうこうサイト』にだしてみます。

 いろんなさくひんをかんがえては、いろいろくふうしてかいて、だしてみます。



 でも、どうしてでしょう。

 ナロウくんのさくひんは、ちっともにんきがないのです。

 かいても、かいても、だあれも『いいね』っていってくれません。

 おきにいりのしるしである『ブクマ』も、いっこももらえません。


 ナロウくんはとても、がんばっていました。

 いくつもいくつも、さくひんをかいては、だしてみます。

『このさくひんは、にんきがでないな』そうわかったら、ぱっとつぎをかんがえます。


 なのに、だめです。

 いくつさくひんをだしてみても、だめなのです。



「ああ、かなしいなあ。つらいなあ」


 ナロウくんはつくえのまえで、こんやもためいきをつきます。


「こんなぼくのところには、『妖怪ようかいブクマはがし』だって、きやしない。

 ああ、『ブクマ』がほしいなあ。

 すぐにブクマはがしに、はがされちゃってもいいからさ」


「ほんとうか、ナロウ?」


 そのときどこからか、こえがしました。

 それも、アニメのしゅじんこうみたいな、かっこいいこえです。

 おどろいて、きょろきょろとみまわすと……


 いつのまに、あらわれたのでしょう。

 つくえのわきに、みしらぬしょうねんがたっていました!


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