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異世界転生~obligations~  作者: たいが~す
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第一章 殺戮と冒険者ギルド

はい、たいが~すです。今回は表現にこだわってみました。まだまだ拙作ですが、見て頂ければ幸いです。

では、始まります。


山賊達は己の未来を予測もできずに、刀と殺気を放った竜也に突撃していく。刀を構える竜也のその様はまるで悪魔か死神のそれである。その殺気はあまりに濃厚で、はっきりと放出されているために、後方に控える馬は震え、嘶いている。だというのに、山賊達は単騎で突っ込んでくる竜也を見て


「死にに来た馬鹿がいるみてぇだなぁぁぁ!」


「殺してやれぇぇぇ!はっはぁぁぁ!」


「げひゃひゃひゃひゃぁぁ!」


などと品性の欠片も感じ取れない叫び声をあげている。前衛の山賊達は竜也との圧倒的な力量差を感じ取れずに無用心に軽率に近づいて、粗末に刀や槍を振るう。


「死ね死ね死ねぇぇぇ!」


などと叫び、己達の勝利を確信した態度で攻撃する。しかし、あまりにも粗末。腕を挙げたり引いた状態で走り込みながら袈裟斬りや突きを放つのだ。距離の計り方も詰め方もなっていないし、予備動作があからさまにも程がある。竜也はそれを避けるのは当たり前だという表情で自然に身を躱す。柳や、流水の如く当たらない位置に身を滑らせていく。そして、


「邪魔だ。消え失せろ。」


その一言と共に、一気呵成に距離を詰め、そこから流れるように体の軸を回し、重心を後方から前方へ移動させ、大地を踏みしめるように踏み込む。そして体を完全に収縮させた状態から一気に膨張、解放させる。その様は爆発を思い起こさせる程の、その力と技で。

そして、その左斜め下から放たれる回転切りは、山賊が着込んでいた鎖帷子や、持っていた剣や槍などを紙を裂くように、そして、山賊の体も切られたその部分は最初から繋がってなどいなかったという錯覚を覚えさせる程に自然に、豪快に、そして残酷無比にーーーーーー


山賊を左斜めに一刀両断した。


山賊達の反応どころか、血飛沫すらもその一閃からすれば、止まっている速度だ。それ程に、速く速く、只速く放たれた。目にも止まらない。それどころか一切合切理解が及ばない。続け様に油断も無駄もなく放たれる二の太刀、三の太刀は、山賊達の体を容易く両断していく。あまりにも簡単に、そして機械的に、山賊の前衛は全滅した。


山賊達の後衛は前衛の壊滅を、瞬間的に命が刈り取られたことに、まだ理解が及んですらいない。それを、その一瞬間の呆けを竜也は見逃さない。地を蹴り、体を屈め、弾丸のように途轍もない速さで接近していく。

これは竜也が抗争で学んだことだ。体を屈め、弾丸が当たる面積を減らすのだ。しかも、重心は前に動く。それから起こる加速は、竜也の現在の膂力と相まって音速にすら差し掛かる速度を生み出す。そして、たった1秒にすら満たない時間で後方に居る山賊達へと接近し終え、そして、横薙ぎに騎乗している山賊達を薙ぎ払う。その推進力すら相まった、その斬撃は、またもや殺戮劇をその場に作り出した。数秒に満たない攻勢、いや、蹂躙は、山賊達の全滅で幕を引いた。


おっと、馬は確保しておかないとな。売れるだろうし、元手になるだろう。ツイてたな。


戦闘が終わってすぐに竜也は、二頭いた馬を確保し、そしてその場を見回してみる。


…人体をこうも簡単に一刀両断できるとはな。このスキルは俺と相性がいいようだ。あり得ない程の身体能力を得られるとは思わなかったが。


と、十数名の山賊達が綺麗に切断された現場を見て、竜也はほんの少し武者震いをする。そこに、一部始終を見ていたネロが走ってくる。


「本当に竜也さんは凄いんですね。こんなに強いなんて。僕もこうなれるのかなぁ。」


と、殺戮の残酷さよりも、竜也の強さの方に興味を向けている。竜也はほんの少し苦笑いをしつつ


「お前はこれを見てどうも思わないのか?こんなに人が死んでいるんだぞ?」


と、問いかける。その疑問にネロは


「人が死ぬのは当たり前です。人が死ぬところなんてもう慣れてます。冒険者の人だって、怪我したり、死んじゃったりしているのを見ています。」


と、ドライで、そして子どもとは思えないような残酷な返答を返す。どうやらこの世界は残酷なようだ。もし、竜也が、只の人間だったらーーーーーー

つまり人を殺したことの無かった人間だったら、今頃禁忌の感覚に苛まれていたことだろう。いや、それ以前に山賊を、人を殺せるどころか傷つけることができたかどうかすら怪しい。

ただし、竜也は既に殺したことがあった。しかも何度も。勿論楽なことではない。最初は大抵誰でも苛まれる。狂人でもなければ。しかし、それも重ねると禁忌の感覚は次第に擦りきれていく。つまりは竜也は既に擦りきれて禁忌の感覚が無かったからこそ殺戮ができた訳なのだが、この世界では、それが半分当然の節理として通っている。その節理に竜也はその精悍な顔を思わず顰める。


「そうか、ならいい。お前だって強くなれるさ。」


と、ネロに向かって言う。そこに、今度は冒険者達がやってくる。恐らく山賊達から町を守る依頼を受けた者達なのだろう。でも、自警団や衛兵では無いことに竜也は少し思案するが。


「なんだこれ!?山賊達が全滅してるじゃないか!?もしかして二人でやったのか!?」


「しかも綺麗に一刀両断されてるじゃないか!?一方的にこの数をやったのかよ!?」


「おいおい、銀級以上の冒険者なんじゃねえか!?なんでこの町にいるんだよ!?聞いてねえぞ!?」


「ふざけた実力者だなおい!しかもこいつらお尋ね者じゃねえか!?」


などと騒いでいる。その中に冒険者の中で等級がある、つまるところそれらを定めている組合があるのかもしれないことを匂わせる発言を聞いたために、竜也はそれに興味を持った。


「あー、俺は竜也でこいつはネロと言う。後、聞きたいことがあるんだが、冒険者同士の組合ってあるのか?」


と、冒険者達に問う。冒険者達は、その発言を聞き、竜也が今までどこかで陰遁して、修行していた荒武者か、ないしは、どこからか流れ着いてきた者だと推測した。そして、冒険者達は


「ああ、あるぜ!冒険者ギルドって言うんだ!本部はここじゃねえがこの町にもあるぜ!」


「身分とか出生とかは囚われねぇ!実力者なら大抵入れるぜ!」


「しかも、実力次第では騎士団に就けたり、国に誘われることだってあるんだぜ!」


と、冒険者ギルドのことを説明してくれる。今のところ、竜也は先立つものが少なく、人との関係も皆無に近いし、情勢を全く知らない。渡りに舟かもしれないな、と考え、竜也はネロと共に冒険者ギルドに行ってみることにした。

ご覧頂きありがとうございました。タイトル詐欺と言われかねませぬ。まだ、タイトル通りに進めるのが難しい段階でございます。ですが、いつかは回収いたします。ので、またご覧頂ければ幸いです。

ありがとうございました。

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