第三章 亜種族と再結成
はい、たいが~すです。説明会、です。つまらないかもしれませんが、どうか何卒よろしくお願い致します。
拙作ですがお楽しみ頂ければ幸いです。
それでは始まります。
アイシャとサタシャが手合わせを終えた後ーーーーー
竜也達は相談室でエルフについて話していた。
「竜也、ネロ、エルフについて、いや人とは違う種族達について詳しく説明しておく。」
「エルフや異種族についてですか…?」
「説明しなければならない程の事とは一体なんだ?…力のことか?」
「ああ、そうだ。まず、エルフについてだが、彼ら彼女らは魔法に関してずば抜けている。魔法の力だけで言えば、まさしく一騎当千と言える。それが、当たり前のレベルだ。どれだけ才能が無いエルフでも最上級魔法が使えるレベルだ。」
「すまない、まず魔法について説明してくれないか?生憎俺は使えないからな、知らないんだ。」
「自分もです。よろしくお願いします。」
竜也は魔法が一才使えず、ネロはほんの少ししか使えない為に魔法の情報を持っていない。だから、そのままではついていけないため、アイシャに聞き返す。
「そうだったのか。まず、魔法についてだが、初級から上級までが一般的だ。上級が使えるなら人間としては才能がある、と言える。そして、属性があり、基本的には火・水・風・氷・土だ。
勿論だが例外は存在する。上級以上の魔法、つまりは人間では天才が使える最上級、そして、それらを遥かに越えた魔法、通称位階魔法だ。位階魔法は使える者は人間はほんの一握り以下…だが、人がそう呼称している亜種族なら使える者は多い。これは一~五まである。が、第四位階魔法、第五位階魔法は使えた者は存在しない。そして威力は第三位階魔法ですら国一つを消し飛ばせる程だ。
属性も、雷・光・闇など基本以外もたくさんある。混合属性、他にも全ての属性が使える、なんて者もいる。これが魔法の情報だな。」
どうやら異世界の魔法と言う概念は相当奥が深い。様々な要素があり、その上に魔法があるようだ。
「魔法がそんなに強いのか…いや、何か欠点もあるのか?」
「ああ、ある。強力な段階になるにつれて詠唱時間も必要魔力も跳ね上がる。魔術師は対人戦では弱いな。その上魔物と戦うにもあまり向いていない。とはいえ、創意工夫次第でどうにでもなるが。」
「成程。…で、亜種族はどうなるんだ?教えてくれ。頼む。」
「ああ、エルフの説明に戻る。第三位階魔法を使った大賢者と呼ばれる存在もエルフの種族だ。エルフは基本的に第一位階魔法までは使える。エルフは魔力に恵まれた種族だ。
…ここからは亜種族についてだ。基本的に亜種族というのはやはり数が少ない。それでも人間は亜種族に攻撃を仕掛けないのは、亜種族は人間を歯牙にも掛けない程に強いからだ。
私は冒険者として見れば強いかもしれないが、オークとして見れば、若干強い程度だ。皆が、子供ですら一般兵士を圧倒できる強さを持つ。
ゴブリンは例外だが、それでも個人で人間よりも若干強い上に連携では人間ですら遠く及ばない。そして、亜種族達は皆が皆仲間意識が非常に強い。一人拐われれば種族総出で救出と殲滅を行う。更に、亜種族達で連合が組まれており、お互いに把握し、助け合う互助組織に入っている。
極め付きには亜種族は友好的な人間に莫大な利益を齎す。エルフは魔術やポーションや医学や歴史、オークは農業や畜産や料理や美術、ドワーフは工学や鍛冶やエンチャントや錬金術、ゴブリンは戦術や道具や情報や狩り、オーガは鍛練方や修練場や労働力や人体強化方法など、その他様々な利益を人間達に齎しているんだ。それを受け入れない、ということは発展を遅らせる、つまりは自分で自分の首を絞めるということに他ならない。だから、亜種族は確固たる基板があり、手を出さない、出されないという関係図になっている。」
「つまり、サタシャに何かあれば不味い。全力で守れ、ということか?」
「違う。心配する必要は無い、ということだ。竜也はそんなことする必要が無いだろう?
因みにだが人間至上主義を取った国がどうなったかと言えば、ありとあらゆる援助を亜種族から拒否され、無理矢理引き出そうとエルフを拐おうとしたのだが、返り討ちに遭い、そして亜種族連合に攻められて瞬く間に滅んだよ。帝国とも呼べる国がたった半月でな。それほどだから、亜種族に手を出そうとする馬鹿は基本的にはいない。」
「でも狙われていなかったか?アイシャ。ワースが知らなかったなんて訳も無いだろう?」
「もし私が死んでいたらそれこそ法など無視してワースは全ての亜種族に攻められ全滅していただろうな。それも含めてあの時は無茶に出たんだ。」
「成程な。安心しろ、ということだな。…サタシャ、改めてよろしく頼む。因みにどれくらいまでの魔法が使える?出来れば教えて欲しい。」
「第一位階魔法までなら使えます!後16歳です!よろしくお願いします!」
…16?明らかに少女にしか見えない。11歳ぐらいだと想像していたのだがな。
竜也の僅かな驚きを見てアイシャが付け加える。
「因みに人種が一番寿命が短いとされるな。エルフが最長だ。エルフの成人は20歳。人間が15歳なのに比べて長いと言える。ネロは後2年だな。」
ネロは納得だ。それくらいだと思う顔付きに声。その精神。まあ、強くなりたい気持ちに偽りは見えないが。
「それにしてももう第一位階魔法が使えるのか。将来的に第二位階魔法も使えるかもしれないな。羨ましい才能だ。私は最上級魔法までしか使えない。」
「魔法は得意です!ですが、人と戦うのは苦手で…心を通わせるのも得意ですね!後は医学薬学他にもポーションも!」
サタシャは真面目に言う。エルフは魔力に恵まれた種族とアイシャが言っていたが、サタシャはまさしくその通りのようだ。
「後衛に向いているな。と言うより後衛しかない。後衛なら最高だが前衛としては並み以下か。まあ、パーティーには前衛しかいなかったし、フェンラルを理解して、共に戦うことができるのだから最適とも言える。…サタシャの能力を更に見てみたい。明日はまた採取依頼を、明後日は討伐依頼をこなそう。いけるか?アイシャも依頼選別を頼みたい。」
「はい!いけます!」
「ああ、任された。力を判別しやすい依頼を出そう。」
サタシャは真面目に、アイシャは気前よく答えてくれた。竜也は他にパーティーのメンバーにも問い掛ける。
「ネロもフェンラルも色々サポートをしてくれるな?頼むぞ。」
「はい。わかりました。」
ネロは端的に返事を、フェンラルは一声吠えて了解する。
そこからもあらゆる情報を擦り合わせて相談は終了した。
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朝、3人と1匹は採取依頼を受けた。因みにサタシャはギルドに寝泊まりすることに決めたようで、集合することは簡単だ。
今回の依頼は新たな地である深沼というエリアでの採取依頼だ。目的は月下美人草と呼ばれる鑑賞用の美しい草花を20本収集。因みに新しい土地であるために案内人としてまたフォーナム達と組むことになった。
「よろしくお願いしますっす!竜也さん!ネロ君!フェンラル!そしてエルフのサタシャさん!いや~エルフとパーティーを組む日が来るとは思ってなかったっすね~。」
「よろしく頼む。竜也殿、ネロ殿、フェンラル、サタシャ殿。それにしてもエルフとはこれまた凄い…」
「今日もよろしくね!竜也!ネロ!フェンラル!サタシャさん!…エルフって魔法が凄いのよね!教えて欲しいな!」
「…よろしく。竜也、ネロ、フェンラル、サタシャ。…エルフの美少女。才色兼備。」
「よろしくお願いします。竜也さん。ネロ君。フェンラル。サタシャさん。」
タロス、ペルーナム、サヘル、トリンドル、ドンモが口々に挨拶してくれた。それにネロとサタシャも挨拶し、フェンラルは僅かに鳴いて挨拶をしているようだ。
数ヵ月前にトリンドルとドンモの二人だけが青銅級だったが今やサタシャ以外は青銅級以上で竜也は銀級だ。
強化、新加入した面々の気力は充分。フォーナム達の武器や防具はかつて革や木製だったが今や鉄や魔獣素材でできたものなどに変わっており、一層頼もしくなっている。
いつか、ネロやサタシャにも良いものを持たせてやらないとな。
一番防具が薄い竜也は自分の事も考えずにそんなことをふと思うのだった。
ご覧頂きありがとうございました。説明会多すぎぃ!と思う方も多いでしょうが、どうかご理解頂ければ幸いです…面白い作品を作る努力を致しますので、何卒御温情の程よろしくお願い致します。
またご覧頂ければ幸いです。
ありがとうございました。