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異世界転生~obligations~  作者: たいが~す
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第一章 スキルと冒険者

はい、第一章の始まりです。相変わらず拙作です。異世界転生というか転移なのかもしれませんが、転生の方がメジャーなのでこうさせて頂きました。お楽しみ頂ければ幸いです。

では、始まります。


竜也はこれから必要になっていくであろう情報について、つまり魔法やスキルについてネロに尋ねる。


「魔法やスキルってのにはどんなのがあるんだ?しかもそれを確認する方法とかはあるのか?」


「えっと…スキルって色々ありますし、人それぞれで大きく違います。後、確認も何も念じたらすぐにわかるはずです。魔法も同じはずです。」


ネロはごく至極当たり前であるかの様に言う。その様を見て竜也はいよいよこの世界は元に居た世界とは全くの別世界であると確信する。確信しつつも頭の中でスキルと魔法のことを念じてみる。

すると、いきなり頭の中で声が響いてくる。無機質で、それでいてはっきりと通るその声で、


「あなたのスキルは意思貫徹です。このスキルは持ち主の意思の力によって肉体の力が大きく変わります。そして、あなたに魔力はありません。従ってあなたに魔法は使用できません。」


そう、告げられた。魔法が使えない、その事にまた苦笑させられつつも意思貫徹という己のスキルに首をひねる。


なんだこれは?意思貫徹?決意表明みたいなもんか?だけど意思の力次第で肉体の力も大きく上がるってそれは面白いな!まさしく俺に打ってつけのスキルなんじゃないか?


なんて、竜也が思考に耽っているのを見ていたネロは興味が湧いたのかまるで弾むような口振りで竜也に話しかける。


「で、どうだったんですか?竜也さんのスキルってどんなのでしたか?魔法は?どんな凄いものだったんですか?教えてください!」


「ああ、俺は魔法は使えないみたいだな。後、スキルの名前は意思貫徹って言うんだ。肉体が強化されるみたいだな。そう聞くお前こそ一体どんなのが使えるんだ?」


そう竜也が答えた瞬間、ネロは愕然としたようなそれでいて嘆きを含んだ表情で残念そうに悲しげで泣きそうな声で答える。


「そう…ですか…。自分も同じスキルなんです…。自分は魔法はほんの少ししか使えませんし、そのスキルはいわゆるハズレスキルなんです…。全然強化なんてされません…。」


竜也はネロが静かにそう言う姿を見ていて嘘はついていない、と思うと共に、だが本当にスキルの恩恵は受けられないのだろうか?と、違和感を覚えつつ冷静に考える。


ふと、竜也は気配を感じ、その方向を見てみるとにやけたようなニヤニヤしたような笑みを浮かべながら革の鎧らしきものや剣を腰に身に付けた女達がこちらに近づいてくる。ネロはそれらに対し少し呆れのような困惑のような表情を向けていた。


「ん?誰なんだ?知り合いなのか?ネロ」


「はい…知り合い、ではあります。僕が弱いからとパーティーに誘ってくれるんですが…なにか変な感じがするからお断りしてるんです…」


と、言うネロの言葉の内容、表情、そして女達の顔から考えて竜也はある可能性に思い至る。


あぁ、俗にいうショタコンとかいうやつか。まあ、ボー助だって異世界の醍醐味はハーレムだとかなんだとか言ってたな。まあ、俺には関係ないことだ。


そして、見事?にその考えは当たっていたらしい。ただし、1つ考えが足りていなかったことも知ることにはなったが。


「はぁい、そこのイケてるおにーさん。もしかしてフリー?フリーなら私達のチームバタフライに入らなぁい?いいことイッパイあ・る・わ・よ?そこのネロ君も一緒にどーぉ?」


と腹に一物を抱えているようなそれでいて蟲惑的な、つまるところ下心満載な声と表情と姿勢でバタフライというチームの女達は勧誘する。竜也は思わず苦笑いする。そして、全く迷わずに言ってのけた。


「悪いな。既に結婚して妻子がいるんでな。お前達の誘いには乗れないな。」


あまりにもばっさりと言ってのける竜也の姿にバタフライの女達は唖然としつつもすぐに立て直して


「妻子がいたっていいじゃない。ほら、ネロ君も。私達は強いわよ?ほら、こんな風にね。」


と、ロングソードでの剣閃や魔法を竜也とネロに見せつけるように披露する。確かに振り慣れた剣閃だ。剣が走り、煌めき、流れ、通っていく。魔法も火玉や氷結が起こり、その様は彼女達が確かな実力者であるということを雄弁に語っていた。

彼女たちは自分達が強いということを見せつけられたと確信して実力証明を終える。


だがしかし、竜也は元々竜虎組組長であり、そして武を極めた存在でもある。彼は愛刀を元の世界で持っていたくらいには剣術を知り尽くしている。そんな竜也から見れば、魔法は知らなくても、彼女たちの剣閃は経験者の域を超えていない、つまりはまだまだ研鑽する余地がある、ということを見抜いたのである。


「まだまだだな。見せてやるから借してみろ。剣ってのは腕のみで振るものじゃない。」


そう言って竜也は竜也の言葉に半分苛立ち、半分猜疑心を持ったバタフライの一人からロングソードを借りて振るって見せる。腕のみではなく、肩、背筋、腰、そしてしっかりと踏みしめた脚を基盤として横薙ぎに放たれるその一閃にも近い電光石火の斬撃は、竜也の想像した通りに…

放たれなかった。いや、違う。想像したその一撃を遥かに、圧倒的に、桁違いに凌駕し、不可視へと変貌した一閃が放たれたのだ。その一撃は少し先に生えていた雑草すらも刈り取る程の射程距離を持ったとんでもないかまいたちを作り出す程のものであった。バタフライやネロのみでなく竜也も呆気に取られる。


マジか…確かに力が漲る感覚はあることにはあったが…これが意思貫徹のスキルの力か。まだまだ高みに昇れるじゃないか!


そんな中で竜也はまさしく脳筋かつ的確な思考で考える。かまいたちが起こる剣の速度、そしてそれに耐えられる肉体、それの非現実的な事実を冷静に考えて更に更に強くなれると確信してほくそ笑む。その様は精悍な面構えと相まって武神と呼ぶに相応しい美しさと恐ろしさを持っていた。


そして、その様をネロとバタフライは見せつけられたわけなのだがーーーーーー


「ちょっと!あんなの聞いてないわよ!万が一にでも対応間違えたら危ないレベルの実力者じゃない!確かにこれ以上ない程の男前だけれども面倒事も絶対山のように起こるわよ!あれ!」


と、バタフライはこそこそ話し合っている。それも当然といえば当然。確かに彼女達は実力者ではあるが、まだまだ上がいる。弱いならまだこちらのパーティーに引きずりこんだままでいられるが、強い場合はその限りではない。だからこそこの男からは手を引くべきだと意見が一致する。そしてネロは


「凄い!こんなに…竜也さんは強いんだ!僕と同じスキルなのに…そうか…僕だって強くなれるんだ!」


興奮して、叫ぶような大声で言っている。彼はこの世界で自分のスキルは役立たずなのだ、とずっと思っていた。思わされていた。だからこそ、強くなれると知って感情が昂っているのだろう。今までわからなかった道が今、はっきりと示されたのだから。


「ごっ、ごめんなさいね~。こんなに強いとは知らなかったな~。まっ、また会ったらその時はよろしくね~。」


と、バタフライの女達は竜也からロングソードを返してもらい、すぐにその場から走るように立ち去って行く。そして女達が立ち去った後でネロは興奮し続けた様子で竜也に頼み込む。


「竜也さん!…どうか、僕をあなたの弟子にしてください!強くなりたいんです!お願いします!」


そう、強く頼み込まれた竜也は少し思案して、そして、はっきりとネロに向かって告げた。


「断らせてもらう。お前を弟子にする気は無い。」


ご覧頂きありがとうございました。今のところタイトル詐欺?かも知れませぬ。ですが、しっかりと回収いたしますので、また、ご覧頂ければ幸いです。また、よろしくお願いいたします。

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