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unKnown  作者: 縁側 熊男
序章 始まりの出会い
4/8

4 待ちぼうけ

訳が分からなかった


あっ このくだり二回目の気がする  デジャヴュ?


そうだ びっくりしすぎて時間差でとかじゃ————


…………


そんなわけないか



 

 「すいません 意味わかんないんですけど」

 「言ったまんまだよ こっちに引っ越せってことだ」

 「嫌なんですけど 終わったら帰してくれないんですか」

 「あぁ、無理だな もう普通に生きられねぇよ、お前は」

 「…… なんでなんですか」

 「こっちこい」

 そういって、彼女は入りかけたリビングからから出ていく。イライラと疑問を抱えながら私はついていった。というほどの距離ではないが。

 「あれ、見ろ」

 彼女は友人が帰ったばっかりの玄関の方へ首を向けた。それに合わせて私も首を向ける。

 だが、特に異変は無い。少なくとも私にはそう感じた。

 「どれが”あれ”なんですか」

 「玄関のドアノブの左斜め5cm当たりのところだ」

 言われたとおりに見てみる。

 確かに、ここからでも確認できるほどだが、小さなひびが入っている。


 だからどうした。


 「で、あのひびがどうかしたんですか?」

 「あのひびは私が出てきた時点で入ってなかった お前がさっきあいつを締め出す時に入ったんだ」

 「それは…… まぁ…… イライラしてたんで……」

 「その程度でひびが入るか? 見たところ、これ結構頑丈なつくりしてるからな」

 「何が言いたいんですか」

 「…… 直にわかる」

 「それ、私が出て行かなきゃいけない答えになってないんですけど?」


 とりあえず、リビングに戻る。


 「とりあえず、身の回りの整理な 持ってく物は厳選しろよ」

 「俺、納得してないんですけど?」

 「せいぜいイライラしとけ とりあえず、強制的にでも連れてくからな」

 「理由は?」

 「面倒だから言いたくないことぐらい察しろ」

 「それでも言えって言ってるんですけどね?」

 まだ敬語取れてないだけマシ……としよう。

 「まぁ、今夜にでも出るから、さっさと荷物整理しろって」

 「話終わってませんが?」

 「何も持たずにここ出ていってもいいのか?」

 「出ていかなければいけないことに納得してないんですけど」

 「…………」


 「あぁ…… もういい…… 余計めんどくさい…… 分かればいいんだろ、分かれば」

 「ええ とりあえずは納得しない限り動かないです」

 「じゃ、ちょっと外出るぞ」

 「はい」

 この時の私は苛立ちからか、かなり素直だった気がする。



 外に出る。外は暗い。満月だが、雲がかかっていて月明かりはほぼない。

 「で、何するんですか」

 そう言って振り返った時だった。


 後ろをついてきているはずの彼女はおらず、閉まっている玄関のドアだけが見えた。


 

 …………  締め出されたぁぁぁぁぁぁぁぁぁ‼‼

 


 即座に悟った。

 

 驚きのあまり硬直していた。激しく怒ることもなく、ただ口を開けていた……。家に戻ろうともせず、ただ突っ立っていた……。

 数秒後、締め切られた玄関のドアの前に、何かが書かれた紙が落ちていたのに気づく。

 突っ立っていた所から少し歩いて、とりあえず拾う。


 「だいたい30分たつまでに答えは出る。嘘はついてないからな。」


 そう黒い字で書かれている。彼女が書いたと考えるのが妥当だろう。いつ書いたのかは全くわからなかったが。

 これは30分待てということなのか……。それとも、ただ面倒で追い出されただけなのか……。


 こういう時、どうにかして家に戻ろうとするのが普通だ。だが、どのような手段を取っても、この家を大きく傷付けることになりそうだった。

 母の遺物を傷つけたくない。

 とりあえず、30分素直に待つというのが得策だと判断した。確証はないが、"しかたなく"だ。さっきの衝撃のせいか、イライラは収まっていた。

 そして、待つことにした。ボーっとただ30分待てばいいのさ。暇なのは嫌いではない。むしろ好きだ。平和の象徴ではないか。



 待っている。その場に座り込んで。開かない玄関にもたれて。ただただ時がたつのを。


 そして来た。


 ただ、来たのは時ではなかった。

 

 同時に恐怖を思い出した。


 大切な暇が崩れていくのを感じた。



 それは、彼女が"アノン"と言っていた"それ"だった。


 

 私の血を浴びていた、"化け物"だった。

 



to be continued……

 

 

おまけ 神崎愛の真意


私の勘が外れてたら、あいつ死ぬなぁ……


…… あれ、それ、面倒事なくなるんじゃないか?

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