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明日の空 The FirstStory  作者: あすら
3/5

act02「自然調律」

前書きではこれからキャラクタープロフィールや世界の設定等を公開していきます。



クロノ・ハーレー

性別男

年齢22歳

身長170cm

体重76kg

使用魔法:時間加速クロックアップ

黒髪黒眼の青年。

服の重みを無くすようにいつも旅人用の軽めの服を着ている。

師匠に鍛えられた剣術と他を圧倒するスピードで翻弄する戦闘スタイルを持つ。

魔力は普通の魔法使い程度くらいしかないらしく連続での魔法の使用は厳しい。

よって魔法を連続で使用する際はガブリエラと魔力を直結させることが大前提である。

また彼自身他の魔法は扱えないがガブリエラ曰くセンスだけは一級品とのこと。

彼が使用する時間加速は生まれつき習得していたものであり誰かから習ったということはない。

ガブリエラはハーレーを氷漬けにした後、やっぱり申し訳ないことをしたかなと思いまた風呂へと向かったがーー

「アレいない?あれは簡単に溶けるはずないし壊せるものでもないんだけど・・・ま、ここにいないってことは凍傷で死ぬこともないでしょうしすぐ戻ってくるはずよね。後で謝んないと」

ガブリエラはそのまま立ち去っていく。女と書いある扉が閉められた瞬間、お湯から二人の男が出てきた。

一人はハーレー、もう一人は筋肉質な赤髪のおっさんである。

「はぁはぁ・・・死ぬかと思った・・・・・・。でも何で隠れる必要があるんだ?別にやましいことはないはずなのに」

「それはまあ色々面接なんだよ。お前さんの話だと相手はあの『ガブリエル』だろ?」

「あぁ、でも確かに乱暴な奴ではあるけど誰彼構わず攻撃するほどクレイジーな奴でもないぞ」

「いやそこは問題じゃない。あいつが『ガブリエル』ってのが問題なんだ」

「???」

「とりあえず服を着るぞ、話はそれからだ」

二人は早速服を着替え宿屋の近くにあった森の奥で話を始めた。

「俺を助けてここまで来て話がしたいって一体何が目的なんだ?つかあんた誰だ?」

「さっき名乗っただろ、俺はミハエル・エドガーだ。最初は人助けのつもりだったんだが事情が変わってね。頼み事をしたい」

「なんだよ頼み事って。この名無しの剣士に出来ることであれば何でもするぜ」

「名無しの剣士、か」

そう言って笑ってみせる。

「何がおかしい」

「単刀直入に言う。俺と戦え」

「え?なんでーー」

「理由などない。戦いたいから戦う、それだけだ」

「・・・・・・なんだか分からないけど。いいぜ、相手になってやる」

二人は互いに距離を空けるために歩く。歩みを止めると間の距離は約5mほどでハーレーならば一瞬で詰められる間合いである。

ハーレーは剣を構えるとあることに気づいた。

「武器はどうした?」

「武器などいらん」

「まさか素手でやるつもりか?」

エドガーは鼻で笑い右手を突き出すと自信満々に言葉を吐き出した。

「いいや素手以上だ!」

エドガーが地面を蹴るとそれに応じて剣を振り下ろす。それだけでエドガーは頭から真っ二つになるはずだったが。

「なっ!?」

剣は右手一本で止められてしまう。しかも右手の平で受け止めたのにも関わらず斬れるどころか傷一つつかない。

「どうした?お前のちからでは俺の手に傷一つつけることもできんのか?なら今度はこちらから行くぞッ!」

エドガーは笑う、それも楽しそうに。

コイツはヤバイ、本能が警告していた。

一旦距離を空けようと思い剣を右手から離そうとするがエドガーは右手一本で剣を掴んで離さない。

エドガーは左手をグーの形に握りハーレーの腹部に突き刺した。

衝撃で空気を一気に吐き出してしまう。さらに剣を掴んでいた右手を離すとハーレーの顔面を殴り飛ばす。

その勢いで10mくらい飛ばされたか。ハーレーはすぐに体制を立て直しエドガーを、正確にはエドガーの手を見た。

(剣を受け止めたくらいだからどんな重い攻撃が飛んでくるかとヒヤヒヤしたけど予想より軽かったな。それにしても何だあの感覚は。まるで木に殴られたみたいな)

「ハーレー!」

「うおっ!?何でお前がここに?」

エドガーとハーレーの視線は突然の乱入者、ガブリエラへと向いた。

「こっちでやたら大きい魔力の反応があると思って来てみればアンタがいたわけだけど・・・これはどういう状況なの?なんでハーレーが『熾天使い』と戦ってるの?」

「えっ?えっ?え?こいつ『熾天使い』なの?」

「そうよこいつはミハエル・エドガー、『熾天使い』の『ミカエル』。『神の如き者』と評される最高位の魔法使いよ」

「別に・・・俺はそんな大層な魔法使いじゃねぇよ。何処にでもいるただの戦闘狂だ」

「で、そんな貴方の目的は何?返答次第では・・・・・・」

「だぁぁ答える答える!ったく『熾天使い』はみんなどっかズレてるよなぁ・・・・・・」

「貴方も同じでしょうに」

「違いねぇ。俺の目的は戦うこと以上だ」

「それだけ?」

間髪置かずに頷くエドガーに呆れるとガブリエラは死なない程度にねとその場で座り込んだ。

「聞き分けいいな」

「これ以上反論しても無駄だと思ったのよ。早くやれば?」

「んじゃお構いなく!」

右手を地面について体勢を低くしたまま走り出す。ハーレーは襲いかかる左手を剣で受け止めて、さらに飛んでくる右手を左腕で受け止めようとした。

先程の軽さなら自分でも受け止められると思ったのは軽率だった。

エドガーの右手を受け止めた瞬間ハーレーの左腕の骨に亀裂が入っていくのが分かった。

ハーレーは右手だけでエドガーを押し切って距離を空けた。左腕は肩がぶらりとしていて力が入っていないようだった。いくつか骨が砕けたのだろう。

(今度は軟らかいようで堅かった。あの感覚、まるで土?)

「なんだその『手』は」

「俺の手自身が問題なわけじゃねぇ、こいつは俺の魔法だ」

「魔法・・・・・・」

「彼の魔法は『自然調律ゴッドハンドといって周りの環境に合わせて自分の腕を強化する魔法よ」

「周りの環境、だと?」

「そう、ここは幸い森で素材は沢山ある。ほらちょうどこんな風に!」

落ちてきた緑色の葉を右手で掴むとそるはを『切り裂いた』。

それと同時に離れていたはずのハーレーの髪が微かに切られてしまったのだ。

切られたことを認識するとハーレーは再び駆ける。

「おいおい冗談じゃねぇぞ!ただの葉っぱがあんな切れ味いいわきゃあないだろ!」

エドガーが右手を一閃、ハーレーの手首に痛みが走る。それが決定打となりとうとう剣も握れなくなってしまった。

「クソッタレがぁぁぁぁぁ!」

全力で駆け出しその勢いで右足を振りかぶる。しかしそれさえも受け止められる、しかも軽々と。

刹那風が吹いた。エドガーが右手で平手打ちをするとそれは鋭い切れ味の攻撃ではなく強烈な風が頬を叩きつける。

強烈な風は疲弊したハーレーを地面に平伏させるには充分すぎる力であった。

「これが・・・『ミカエル』の、『熾天使い』の実力か・・・!?」

ガブリエラとずっと一緒にいたから熾天使いの力なんて嫌という程分かっていたはずだが改めて思い知らされた。

「その言い方は好きじゃないな。この地位も名誉も持っているだけで避けられる、こいつは強いからどうせ負けるさと皆は戦ってすらくれない。俺は地位も名誉も全てかなぐり捨てて強いヤツと戦いたい!俺の一存では熾天使いは抜けられんし仮に抜けられても元熾天使いって称号はいつまでもまとわりつく。俺は本当に力と力をぶつけ合いたいだけだ。そこにお前に出会えて俺の正体を知ってもなお戦い続けた。だがそんなお前も結局今までと同じように逃げるのか?」

「・・・・・・おい、勝手に俺が逃げ出すなんて決めつけんなよ」

ハーレーは残った力を振り絞り声を荒らげて叫ぶ。

「俺もどうせ戦いの中でしか生きられない戦士だ。だから戦士は『戦い』から逃れる事はできない、『戦い』から逃げた瞬間戦士としてはもう死んでいるも同然。別に逃げねえよ、そして負けるつもりも最初からない!!」

エドガーは面を食らったような顔をしてすぐに声を上げて笑った。あまりの声の大きさにガブリエラは耳を塞いでしまう。

「そうかそうか、逃げていたのは実は俺の方だったのかもな!お前が逃げないと、俺と違うというのなら立ち向かってこい!」

ハーレーは自身の右手に『治癒魔法』をかけ剣を持つ。

その剣を首を落とすために振るうがそれをスルリと避けると両手でハーレーの首を締め付ける。

「この程度か、名の無い剣士!」

「がっ・・・!!ぐっ!」

しかしハーレーは笑う。その意味が分からず首を傾げたがその表情は一瞬で苦痛の色へ変わる。

ハーレーが剣をエドガーの右腕の二の腕へ突き刺したのだ。

「へっ、なんだ効果範囲狭いじゃねぇか」

久しぶりの激痛にハーレーを蹴り飛ばして剣を抜く。

「クッソ!イテェじゃねぇかよ!」

エドガーは剣を持ち追撃しようと構えるがーー

「『時間加速クロックアップ』」

ハーレーは既に背後に回っていて仕込んでいた小型のダガーで背中を突いた瞬間、刃は弾かれた。

この感覚はまるで『地面』のような・・・・・・

「残念だったな、『自然調律ゴッドハンド』の範囲は全身なんだよ」

エドガーは振り向きながらそう言う。

上体を反らしハーレーを拳が捉えようとした時、

「『氷結治療アイスヒーラー』!」

エドガーとハーレーはガブリエラの氷結治療により氷の柱へと閉じ込められてしまう。

「この戦闘バカ共は・・・これ以上やったら本当に死ぬよ?その中にいたら体力と魔力の回復、それに傷口も塞いでくれるから少しそこで頭冷やしなさい」

「何時間くらい・・・?」

「五時間くらいかな、じっとしてないと『極彩氷国ニブルヘイム』くわらすわよ」

氷結治療から脱出しようとは思わなかったようで安心したのかガブリエラはその場に座り込んで目を閉じる。


ガブリエラが目を覚ますとハーレー達は既に氷結治療から脱出していて会話をしていた。

傷は特に残ってはなくバリバリ全快のようだ。

「さっきこいつと話してたんだけどよぉ、俺も旅の仲間に入れてくんねぇか?」

「へ?どうして・・・・・・」

「お前ら今あの『タナトス』を倒すために旅しながら修行してんだろ」

「タナトス?なんじゃそりゃ」

「アナタは知らなかったっけ、黒い人のことよ。私達魔法使いの中では死を呼ぶ者としてタナトスと呼んでるの。で、タナトスを倒すのと私達の旅についてくるのはどういう関係が?」

「俺もタナトスと戦いたいんだよ。それなら同じ目的を持った奴らで一緒に旅をした方がいいんじゃないか?」

「それは、そうだけど・・・・・・」

「俺はエドガーが一緒でもいいぞ」

「うっ・・・・・・まあハーレーがそういうのなら、いいけど」

(うぅぅぅぅ・・・・・・せっかくの二人旅が台無しじゃないのよもう)

「じゃあ一旦宿に戻るか。そこでこれからの方針を決めるぞ嬢ちゃん」

「ガブリエラでいいわよ。ってかなんでアンタが仕切ってんの!さぁ早く戻るわよ」

ハーレーはこの時これから賑やかな旅になるなくらいの認識しかなかった。

物語はようやく始まりへと向かうーー


一気読みの方は初めまして、1話1話呼んで下さってる方はお久しぶりです(まだ2週間くらいしか経ってませんが)。

さて今回のお話はストーリーが進んでいるわけではありませんが、ストーリー的には必要な回でした。

いきなり二人目の熾天使い出ちゃいました。

今回出ましたミハエル・エドガーは多分作品内でもかなりのチート野郎で仲間にいるととても心強いキャラクターではあります。

そんな彼ですが自然調律以外にも炎属性の魔法をある程度使うことができ、ハーレーの氷を溶かしたのもエドガーの火炎魔法でした。

これから話が加速していくということで今回は割と短めに仕上がっていると思います。

そういうことですのでこれからも明日の空、ご愛読して頂けるよう祈りつつこれまでとしておきます。

あ、あと読んで下さった方は是非感想等をお願い致します。

質問等あれば次の後書きでできる範囲でお答えしようと思うのでどうぞ宜しく御願い致します。

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