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明日の空 The FirstStory  作者: あすら
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act00「プロローグ」

act00「プロローグ」

荒れ果てた大地、緑らしい緑は無くそこかしこに小さな雑草が生えている程度の場所。

そこは数時間前は草木が生い茂る豊かで静かな所であった。

が、今は見る影も無いくらい荒れ、血とか泥とか『戦場独特の臭い』に支配されていた。

人が何人も倒れている。武器を持った者、持たない者、身体中から血を噴き出している者、意識がない者、五体満足でない者、様々いる。

その中心で二つの存在が対峙している。

1つは人間、右腕は肩から無造作に引きちぎられたようになくなっていて、左脚の骨は粉々、肋骨もいくらか折れている。左眼も血で濡れているのか、そもそも無いのか定かではないが見えていない。左手で持った剣を杖の代わりにして立つのが精一杯の状態の20代後半くらいの青年。

もう一つは動物、正確には龍。

真っ黒の体に赤い眼、背中についた大きな一対の翼には所々に禍々しい金色のラインが入っている。青年の6倍の大きさはあるその龍が吼える。

たったそれだけの行動だけでも死にかけの青年を地面に倒すには充分であった。

「ふゅー⋯ふゅー⋯、ごぶっ、っは⋯⋯」

地面に勢いよく倒れたためか溜まっていた血の塊がどうっ、と口から溢れた。

青年の目にはもはや目の前にいる龍など見えていなかったが龍の方を確かに見ていた。

しかしその目には力などなかった。

「こんな⋯こんなは、ずじゃ⋯なかったの、に⋯⋯」

龍が一歩踏み出す。それは龍にとっては息をするくらい何気ない行動だったかもしれないがその場にいる者達に恐怖を与えるには充分すぎた。

「みんな⋯生きて、いる⋯なら、返事を⋯⋯」

周りからの声はない。指先がピクリと動く者はいるがほとんどは動くことはない。

青年の中から怒りが溢れてくる。それは仲間を傷つけた龍に対するものか、仲間を守る力すらなかった自分へのものなのかは分からない。

「力が⋯力が欲しい。何でもいい、俺がどうなろうと構わない!俺に⋯俺に『やり直す』だけの力をォォォォォ!」

青年は吼える。その声はどこまでも響き渡る。

龍も呼応して吼える。その声は戦場に響き渡る。

龍の口に何かの光が集まる。

何らかの攻撃がくる、今度の攻撃が直撃すれば青年の肉体は粉々になるだろう。

「俺は!こんなところで!死ぬわけには!」

龍から光線が放たれた。

「ッ!!いかないんだァァァァァァァァ!」

光線は青年を飲み込み周りの人もそれに巻き込まれ吹き飛ばされる。

しばらくして光線が止んだ。

そこには、その中心には青年がいた。

肉塊ではない。青年は光に包まれた状態で立っていた。さらに青年の身体が五体満足だった時に『戻っていく』。

青年自身何が起こっているか分からなかった。今のこの状況を理解しようと考えていると頭の中に直接声が響いた。

汝 力ヲ欲スルカ

「⋯⋯あぁ。別にアイツを倒せるほどの力をくれなんて言わない。ただ俺は『やり直して』アイツを倒せる力を手に入れ今度こそ世界を、仲間を守りたい。その為のチャンスが欲しい!」

汝 其ノ力ヲ欲スルカ ナラバ受ケ取レ コレハ汝ノ力ダ

青年の身体は完璧に元に戻った。

が、違うものもある。

「これなら、この力ならやれる!極大魔法!」

青年の中にある魔力が一気に増大する。

「『時間跳躍(クロックジャンプ)』!」

青年は地面を思いっきり殴りつける。すると空が『崩れ始めた』。

やがて空は黒一色になると次は地面が『崩れ始める』。

地面が崩れ何人もの人々がが真っ黒の空間に落ちていく。

この光景は青年にとっては想定していないものであった。

「何でだ、何で『やり直す』だけなのに『世界を壊す』必要があるんだ!?」

すると頭の中にまた声が響いた。

「⋯⋯そうか、そう言う事かよ!『やり直す』ってそう言う事だったのかよ!」

地面はほとんど残っていない。

龍も巻き込まれまいとその巨大な翼を羽ばたかせるが、飛べない。

飛ぶための空が既に無くなっているのだ。少しすると龍さえも黒い空間に飲み込まれた。

もう『この世界』に残っているのは青年1人。

「次こそ、次こそは絶対に負けないからなァァァ!チクショオォォがァァァァァァァァ!!!」

青年は地面が崩れる前に光に飲まれ消えてしまった。

そのうち地面も全て消え、ここにあるのは無だけになった。

青年が目を開けるとそこには見覚えのある街があったーー

初めまして、そして読んで頂きありがとうございます、あすらです。

まだプロローグしか上げてませんからまだどんな話なのか分からないと思います。私も今ラストはこうするってのはあるんですが道中をどうするかなぁっとかなり悩んでいる途中です。ですのである程度貯まったら放出する形にしたいと思います。只今原稿は6話の途中まで終わっているので6話が終わったら3話辺りまで一気に放出したいと思っています。

さてタイトルの「The FirstStory」って気になりませんか?まあお察の通り幾つかの話に分けるつもりでして3部までを目標としています。ただ一番長いのは1部の「The FirstStory」だと思って頂ければ。あとちょくちょく他のキャラにスポットを当てた短編外伝を出す予定です。

最後にこれからよろしくお願いします。

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