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「魔法……使い……」
少女はこくりと頷き、
「FW[ファザーワールド]、つまりこの世界ではそういうらしいな。」
色々細かな疑問はあったのだか
それらをグッと押し込め、
「なぜここに来たんだ?」
一番重要な疑問を発した。
「『神琴玉』が君を選んだからだ」
はい、意味がわかりません。
「とにかく、『神琴玉』には逆らえないぞ。逆らったら確実に死に至る」
死に……至る?!
咳払いをして、
「で、俺はどうすりゃ?」
「メモリアルへ行き、『ミミンのメモリー』を見つけてほしい。さもなくば、」
びしっと俺の方を指す。
「君の住む世界、FWも崩壊してしまう」
「崩壊?見つからなければ?」
「そうだ。わかったか?」
「よくわからんが、そこにいってなんかを見つければいいんだろ?」
少女はその通り、と親指を立てた。
「そうときまったらいくぞ、
メモリアルへ!」
こうして、時間と次元を越えた冴えない俺とこの超堅物少女とのトラベルが始まりましたとさ。