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メモリアル  作者: 南山太郎
1ーメモリアルへ
2/5

1-1

壁に空いた黒く丸い穴から出てきたのは、可愛らしい少女だった。


「えっ……誰?」

「私か?シャミル・マナだが」

少女は眉ひとつ動かさずに

淡々と己の名前を述べた。

「君は何者なんだ……?」

少女は電子辞書のような機械を出し、開き、調べ、

「……魔法使いらしい」

「ああ、なるほ……」

コンマ数秒の静寂。

風がピューと吹く。

その非現実的な言葉に俺は黙り込み…


「はあぁぁぁぁぁ?!」


その叫びは町全体に響いた、のかもしれなかった。

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