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即席小説

例え表現を過激にした世界の朝

作者: エントラル

例え表現に熱を入れないように……。


~のような、ようにという言葉で世界がガラリと変わります。


同作者の小説のプロローグに手を加えただけの小説です。過度な期待をしないで下さい。

表現世界。それは例え表現が中心として成り立つ世界である。そこに住む人間は自己の独自表現を会話に生かしながら生活を送る。


そのことに何の意味があるかって?


ない。(断定形)


それはともかく、ひとまず彼の生活を見ておこう。もう表現自体がすでに奇妙なのだから。





場所:日本 X県 T市 表現学園学生寮のとある部屋

時刻:AM 7:00:00 Just


目覚まし時計の音がけたたましくまるで竜の咆哮のように部屋中に響き渡った。途端に目覚まし時計の形が変形し、本物の竜の姿となり、(目覚まし時計のサイズ)ある男の耳元で。


グォォォ――――!!


「わっ……なっ……!!」


一人の少年がその音で目を覚ました。身体をよじらせれば、短く黒い長髪が布団と擦れてさらさらと川の流れるような静かな音を立てる。すると髪の毛から水が流れ出し、寝ていた布団を濡らしていく。


視界が覚束ない中、濃い茶色い目を半ば開けて寝ぼけながらふらふらとした足取りでベッドから起き上がり、騒音の元凶を絶つべく机に置かれた竜型目覚まし時計に直行した。時間が経てば経つほど追い討ちをかけるかのように音が大きくなる。また流れ出す水も更に増える。


「もう起きた!!さっさと黙れ!!」


不機嫌な勝利宣言と共に炎のような右手で時計裏の目覚ましモードスイッチをOFFに切り替えた。その瞬間、彼の拳は燃え上がる。


キュゥゥゥ――。


竜は風船が萎むような情けない声をあげて本当に体を萎ませながら元の目覚まし時計の形に戻った。


何事もなかったかのように音が止んだ。すると濡れていたもの全てが乾いて元に戻る。そして左手で目を擦り、朝の悪魔につけられたディジタル時計の時間を確認する。無論形が変わり、実際に見るのは悪魔の右目。こちらの飢えた剣幕に逃げようとするのでそれをガシッときつく捕まえて時間が書かれている方を凝視する。


「ふぁ〜。もう7時かぁ……。あ〜眠気が残るわ……」


大きく下敷きのように背伸びして欠伸をする。彼の身体が薄っぺらくなりよくしなった。毎日の生活リズムに今日も誤差はない。いつものように目覚まし時計を退治して捕まえて爽やかな?朝を迎える。


「よしっ♪」


それからは洗面所へ向かって顔を洗い、歯を磨く。玄関の郵便ポストに投函された新聞を回収。そして朝食をとる。ついでにラジオの電源を入れる。爽やかなDJの声が聞こえてきた。朝食は野菜とカツを挟んだサンドイッチ、ホットカフェラテ、ヨーグルト。新聞を読むことと平行して。


「今日の天気は晴れ後曇り。ところによっては一時的に激しい雨が降るでしょう」


気象予報士からの予報。晴れ、曇り、雨。何でもありか。まっ、あくまで予報だから。ここまで30分。パジャマを脱いで制服に着替える。寝癖の髪の毛を整え、青い学生鞄の中身を確認、今日の授業確認。状態オールグリーン。よし、何ら問題なし。



「行ってきま〜す」


と2階建てアパートの二階206号室から明るい声と共に茶色のドアが開いた。学生鞄を下げて白い学生服を着込む男子高校生は黒い髪を靡かせて外に繰り出す。しかし、彼の言葉に対する返事は来ない。何故なら彼は寮で独り暮らしだから。だとしても日頃の癖で口にしてしまう。そうでもないとどうも納得がいかない。毎日を徹底するのが彼のモットーなのだ。家族のことを恋しく思うがそれは時々のこと。


そして彼は空に翼を広げ、舞い上がるような勢いで外に出て学校へと向かう。


もちろん、背中に巨大な白い翼を羽ばたかせて本当に空に飛び上がりながら。





続き?希望があれば先を教えてもいいが、この先は恐らく混沌だぞ?まるで川の急流のように……あっ……。


通学路が見えない……。

続きは一応あります。ただ、このネタはどこまで続くか分かりませんが。


例え表現:針の穴に糸を通すような会話

意味:慎重に言葉を選んで会話すること。

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― 新着の感想 ―
[良い点] 例え表現が大好物という理由で食いついてしまった者です。 これを拝読するなり脳内に雷鳴が轟いたかの如く凄まじい衝撃を受け、 花の香りに恍惚とするように惚れ惚れしてしまいました。 ……申し訳ご…
[良い点] ヤバいwwこの雰囲気好きだww
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