ノーラまでの護衛 後編
後編です。………文章がっ!?…何かに影響されました。…どうしよう。
魔物が出て、一分経過。ブルウルフは、まだいる。俺達を見つけたのがたまたま大軍勢で、多い。その数、三十匹。
「くそっ。きりがねえっ!」
「なんで、こんなに数が多いのよっ!」
「………たしかに」
「みんなっ!」
俺達、全員やられる様な台詞を言っている。まあ、この感じだと俺だけ助かるみたいな感じだな。
「お前っ! 主人公キャラのような台詞を吐いてんじゃねえっ!」
「えっ?………ついっ」
「ついじゃねえぇ!! お前も加勢しろっ!」
うあぁ。初心者に加勢しろって、すぐやられるよ。普通は。…まあ、俺は普通じゃないけど。
「ふう。解った。……しょうがないなあ…。もう少し皆のその顔、楽しみたかったのに…残念」
「そのセリフ怖いよっ! 悪役だよ!? わざとかっ!?」
「…はあ? 何言ってんの? 本当の気持ちだよっ?」
「きめえよっ! 何っ、告白みたいなポーズしながら、言ってんだよ!?」
あー、いいね! そのツッコミ! いやあー、ヤル気出てきたなぁ。
「……この辺にして、やりますか」
「おう。加勢してくれ」
「さぁ、いくよ。ゴミ共…」
「だから何で、悪役キャラの台詞言ってんのっ?!」
ハイネスの事は、無視して俺は魔物の前に行く。
「おいっ。そいつら、目に入ったものは誰彼、構わず突進すんだよ!」
「へー。いい情報、もうーらった!」
「……えっ?」
俺は、突進されるのと同時に上へ飛んだ。
下を見ると、俺に向かってきたブルウルフ五匹ぐらいが仲間の頭に同時激突。痛そー。そして、
----トッ。
俺は、静かに降り立った。その後、長剣を握り、攻撃。五匹とも、切り殺され倒れた。
ここまでの、時間二十秒。
「すっげ」
俺は、残りを倒し戦闘終了。
実は、言ってなかったが俺は実力がCランクぐらい有るそうだ。よく、分からないけど。
「お前、すげえな。本当に初心者か?」
「うん。冒険者としては、初心者だから。戦闘は二、三回だけやったことある」
「へー。ただのおチビちゃんかと思ってたのに…」
「………ちび」
「お前に言われたくねえな…。俺より背低いのに…」
「…うるさい。これでも、年上」
なんと、シイナのやつ年上だったらしい…びっくりだ。それより、目覚めちゃったし散歩行くかな。
「俺、ちょっと散歩してくる」
「はっ? 危ないぞ?」
「大丈夫さ、お前らより断然強いから!」
俺は、そう言い残し走った。駆け足で…。
「はやっ。」
そんな声が聞こえた。これでも速いのか…解らないな。もともと、足速かったし。
俺は、ハイネス達が見えなくなると元の姿に戻り歩いた。
すると、魔物たちが俺を警戒してうなっている。それでも、攻撃はしない。……何でだろう?
『おっ。いい感じの見っけ!』
俺は、見晴らしの良さそうな木を見つけ登った。
案の上、見える見える。ハイネスもちょっと見えるな。俺は、夜空を眺めているうちに何故か眠たくなり寝た。
次の日。俺は早朝に目が覚め、木を降りて皆のところへ向かった。
もちろん、変化は忘れない。ある程度近づくと、皆がまだ寝ているのが解った。よく寝るなあ。
人間は寝てる時が一番無防備。俺も元人間だけど、あっちは平和だからなぁ。この世界に来てから、寝てる時も仮眠状態だ。それでもしっかり寝ているから凄い。
「朝っすよ~~! 起きろ!」
「………うるさい。起きてる」
「おっ。シイナはこの中で一番早起きなんだな」
「………後は、任せろ」
シイナ、何気に男口調。はっ! もしかして、男子!? 女子だと思ってた。俺と同じくフード深く被ってるもんなぁ。解らないよなぁ…普通。
すると、シイナは鍋のお玉?を持って二人の元へ歩いて、
ズコーンッ!
二人の頭を爽快に叩いた…。スリッパで叩くより音が濁ってる。
「いってぇ。何すんだよ、シイナ」
「そうよ。痛いし」
「………こうしないと、起きない」
あっ、そうなんだ。ってか、ハイネス。お前、見張りじゃ無かったのかよ!? 何、爆睡してんだ?
「………おはよう。ハイネス、カリス」
「おう。おはようシイナ」
「シイナ、おはよう」
あれっ? また俺、仲間はずれ? まあ、そうだよね。しょうがないよね?昨日、知り合ったばっかだしね……?……ねっ?
「ウィル何で、いじけてんだ?」
「……さあ?」
「さあ。今日は、トップスピードで行くぞ!ほら、冒険者さん乗った乗った!」
何故か、元気バリバリの商人さん。あれ?さっきまで、寝てたよね?商人さん……何で?
「よし。行くか」
何故か、仕切るハイネス。
俺達は、荷馬車に乗った。そして、馬が走り出す。速いな。昨日の二倍は出してるような勢いだ。これでも、俺が走る方が速い…。俺、どんだけ速いんだ?
「もう少しで、着くそうだ」
「へー。早くない?」
「そうだな……」
俺はそんな会話を聞きながら、周りの景色を見ている。
いや…正確には、そこにいる者たち。魔物だ。こっちを見ているが攻撃をしてこない。格好の獲物なのに…。
昼過ぎになり、ご飯を食べた。食べてる最中も襲ってこない。ハイネスは、魔物たちが居るとも知らずに何故か警戒している。
そこから、魔物は襲ってこなくなり順調に進んだ。あくまで魔物は、だけど…。
「へっ。ちょっと、身包み置いていってもらおぶへっ!!?」
瞬殺。ハイネスがやった。といっても、蹴り倒しただけだが…。
倒れている盗賊を馬車が引く。ところどころ、ぐへっ!ぐあぁ!とか、言ってる限り元気だ。てか、よく一人でこの人数相手しようかと思ったな? 思い上がってたのか?
「もうすぐだぞー」
時刻はもう夕方。時計は持ってないので正確な時間はわからないが、五時ぐらいだと思う。
この世界に来て、最初に思ったのは日付や時間があっちと一緒な事だ。何でなのかは知らない。あと、言語や文字などは解る。文字も書ける。何故かはしらない。
「おー。あれが、ノーラか!」
「やっとだ!」
「そうね」
「………二日で着くとは思ってなかった」
ほんとだ! 三日のはずなのに二日で着いた。ラッキーだな。
「三日かかるのは、魔物とかに頻繁に襲われるからだ。今回は一回きりだったしな!」
と、商人さん。そうなんだ。へー。初耳。
そんな話をしている間に、ノーラに着いた。ここで、依頼完了だ。
「ご苦労さん。ほれ、持っていきな」
「ん?」
商人さんが俺に、短剣を渡した。青白い色をしたその剣は、美しいの他に言葉が無い。
「お前さんは、報酬は要らんと言ったそうだから、俺からの報酬だ。返すなよ、せっかく買ったんだ、大事にしろ」
「綺麗だね」
「お前さんにぴったりな色さ。じゃあな。元気でやれ!」
「うん! ありがとう!おじさん!!」
商人さんと別れた後、ハイネスの元に行った。
「おう、ウィル。いいの貰ってるじゃねえか」
「商人さんがくれた。あと、報酬はいらないよ。そうギルドにも伝えてあるから…」
「そっか。それで、その剣なのね?」
「うん」
「………いいな」
俺達は、会話しながらギルドに向かい依頼達成の紙を渡した。
受付の人が、ギルドカードをこちらにと言うので、わたした。水晶が光っり、完了ですと受付が言ってカードを返してきたのでそれをポケットに入れる。それから、ギルドを出た。
「じゃあな。ウィル。元気で!」
「うん! 皆も元気で!」
「また、会おうじゃないの!」
「……またね」
そう言って、三人は歩いていった。
見えなくなると、俺は町の外へでて木の上で寝た。お金を持ってないので、宿には泊まれない。明日から、お金貯めよう……。
去った後のハイネスたち。
ハ「そういえば、ウィルの顔見てないな。」
カ「そうねえ。口と鼻しか見えてないし。シイナみたいに。」
シ「………見たよ。顔…。」
ハ&カ「えっ!?」
ハ「どんなだった?」
シ「………イケメンだった。」
カ「ええっ!?見たかったわ!」
シ「誰彼、構わず見惚れるかも………。」
ハ&カ「そんなにっ!?」
そう。ウィルは、結構顔立ちいいのです。しかも髪の毛は銀!目は、青! でも、子供顔。無理がありますね……。本人は変身後の顔、見てません。でも、フード被っているのは顔を覚えられたくないからです。手遅れですけど…。因みに、シイナは魔物襲撃前、ウィルが寝ている時に見てしまった!って感じですね……。