村ギルドと冒険者登録
やっぱり、旅と言ったら冒険者!
俺は、母さんが死んでからどう生活しようか迷っていた。
『しかし、この生活に慣れてしまった……』
狼の姿で、自由に駆け回り。動物を捕らえ、生きてきた。人間だったころももちろん覚えていて、かけがえのない人生だった。
せっかく生き返ったんだ。自由なことをしよう。そう決めた。
『そうとなれば、この森の外へ出よう』
森の外にへは出ていない。出る必要が無かったからだ。
俺は、好奇心を胸の奥で感じながら走った。
『外だっ!』
森の外へ出て、辺りを見回した。すると、人が住んでそうな村を見つけた。
「あそこへ行ってみよう」
俺は、人の姿になり歩いた。
人の姿になれるのは、変化の術だ。何だか忍者が使いそうな気がする名前だが、スキル。この世界にはスキルと言われる能力がある。まあ、いろいろ有るんだよね…。この変化の術は、俺ら一部の魔物しか使えないという。魔物しか使えないとあって、人間は使えない。この術を使って、人間社会に紛れている魔物もいる。まあ、人間を食うしか考えていないやつらばっかだけど…。
「なあ、おじさん」
「ん?…どうした坊主?」
俺は、近くで畑を耕している四十代ぐらいの男性に話しかけた。
「この近くの町ってどこ?」
「ん? ああ。この近くなら、ノーラだな。町と言うか国だ。最近出来たばかりの小国でな。まだ、あんまり国民が少ないんだ。ここはノーラ小国の片隅だけどな」
おじさんは、わっはははと笑いながら答えた。
なんでこんな辺境の地に住んでたんだ?母さん。そういや、あっちの母さん大丈夫かな?まだ泣いてなきゃいいけど…。
「おじさん、地図貰える?」
「ああ、いいぞ! なんなら、ギルドカードいるか? 俺はこの村でギルド長やってんだ。金は要らんぞ! ただし時間は必要だけどな!」
おじさんは、再び笑いながら答えた。何と言うか、おおらかなおじさんだよなぁ。
「うん。冒険者がいいな」
「オーケー。じゃあ、こっちだ」
おじさんはそう言うと案内し始めた。村には結構、住民が居り栄えていた。冒険者らしき人もちらほらいる。
すると、おじさんは他の建物より二倍ぐらいの建物の前で止まった。
「ここだぞ」
俺とおじさんは中に入った。すると思ったよりちょっと狭かった。
俺が周りを見ていると、おじさんはカウンターの傍にいた。
「こっちだ。坊主!」
トテトテと小走りしておじさんの下へ向かった。
するとカウンターのお姉さんが何やらほんわか和んでいるが、何で和んでいるか解らない。
「こいつだ。料金は無料だからな。ギルドカードの作成をしてやれ」
「はい。ギルド長」
ギルド員はこのお姉さんと、もう一人のお兄さん? だけらしい。二人ともカウンターに立っている。
「こんにちは。ギルドへようこそ。ギルドカードの作成ですね」
「はい。冒険者登録をしに来ました」
「解りました。冒険者登録ですね。少々お待ちください」
「はいっ」
お姉さんは、棚の下の方を探り取り出したものを持ってきた。
「これが、ギルドカードの冒険者用です。血をこのカードに垂らして下さい」
「ええっ? 血ですか?…痛くないのですか?」
「…少々痛いです……」
「ううっ。我慢します」
お姉さんは、ふふっと笑いながら細い針を出してきた。…なぜ、笑ってるんだろう?
俺は、その針でプスッと自分の指を刺した。少々よりずっと痛いが、コンクリートの上でこけて擦り剥いた時より痛くない。
「つっ。……終わりました」
「では、明日の昼過ぎに取りに来てください。その時にはもう出来てます」
「わかりました。ありがとう! お姉さん。おじさんにも宜しく!」
「はいっ!」
俺は、走りながらお礼を言って帰った。
主人公の見た目年齢は、十歳にも至ってないです。人間の姿の場合ですけど…。因みに、狼姿の時は中型犬程度です。小さいかな?ぐらいです。毛並みは、銀色。瞳の色は青。なので、人間時は銀髪青眼です。自分の容姿がどんななのかを解っていません。
あと、痛さの基準は前世で怪我をした時のと比べているようです。