エルフの村
物語は確信へ!?!?
ならないかもしれないです。
俺は、どこまで続いているかわからない大木の中のエレベーターに乗った。地面が浮いたような感覚の後、上に向かって動き出す。
「ウィルってさぁ、何で魔物なのに喋れるの?」
四角い箱の中で数字を見ていた俺は、すぐに反応できずあいまいな返事をして答えた。
『え? さ、さぁ…でも俺、喋れる魔物に会ったことあるよ?』
「え?! そうなの? どんな?!」
『なんか、鹿みたいなヤツ』
俺がそう言うとマールはへぇーと関心したように、頷いた。何か関心することがあったのだろうか?
俺は不思議に思い、マールの顔を覗き込む。
「ふぇ?! ど、どうしたの!」
マールは気の抜けた声を出して、驚いた。
『いや、何を考えてるのかなぁって…』
思ったままの言葉を俺は言った。すると、なぁんだ、と胸をなでおろしマールは俺に笑みを向けきた。
「ウィルは自覚ないかも知れないけど、魔物は普通ね喋るっていう高等技術を持っていないの。そういう魔物は、七人の魔人だけよ」
『ん? 矛盾してないか?』
喋るという高等技術を持った魔物が魔人。明らかに矛盾している。
魔物は魔力を持った物…つまり、動物、植物、無機物などが魔力を持ってしまうと魔物になると言う。 対する魔人は文字通り、魔力を持った人だ。この場合は生まれつきであり、普通の人から生まれるケースもある。
では、魔物の中の七人の魔人とはなんだろうか?
「そうだね、その七人っていうのは魔物から魔人になった人たちだよ。つまり、人の子として生まれてきてない」
『そうなんだ……じゃ、エルフ達は魔力持ってるから魔人となるのか?』
「うん、生まれつきあるからねー…魔人はそれぞれ特徴があるんだ、エルフは見ての通り長い耳が特徴…他には」
マールが言うには、全身黒い魔人や、岩の様な肌をした魔人、よくある蝙蝠羽のついた奴、人魚・獣人とかもそれの部類に入る。つまり、人ではなく人の形をした奴は全員魔人と言うことだ。
「それでも、魔力の強弱があってね。例えば、獣人とか魔力が弱くて身体能力が強いの。それに魔力が弱くても補助魔法は使えるから、体術で右に出る種族がいない……という風にね」
なるほど、魔力はそれぞれの種族によって異なる…と。じゃ、俺は?
疑問に思った俺は、思ったことをそのまま言った。
『じゃ…神狼は?』
「…? 神狼? 聞いたことないなぁ…」
え?と俺は、マールを見上げたまま固まった。
『いやいや! 俺、その七人のやつに神狼って! ………っ!』
しまったと俺は思った。神狼って何か、ほら…レアそうだから…バレたらやばい気がする。
「え? ウィル、七人の1人に会ったの?! すごい! いいなぁ!!」
『…………』
マールがバカでよかった。本当に……。
そんなやり取りをしているとチンと音がなって、着きましたよとエレベーターが教えてくれた。
ドアが開くと、眩い光に照らされ思わず目を閉じた。
「…ようこそ! ウィル! エルフの村へ!!」
と言ったのを聞こえたので、目を開けるとそこはこの世じゃないものが広がっていた。
『なっ……』
その美しさに俺は絶句し、マールはニコニコと笑う。
上を見ると、先が見えない黄緑色の雲が空に広がり、下を見ると綺麗な芝生の絨毯が引いてあったり、建造物を見ると近未来的な家や和風の家、コンクリートの最近の家まであった。
うん……せっかくの景色が建物で台無しだ……。
「どう?! 色々な異世界人から聞き出して作られた村なの!」
異世界人? 俺以外にもいるのか?…そんなわけ…。それに、どうと言われても…うんと頷くしかない…。そい言う風に対応してると、マールに怒られた…何でだ…?
「…じゃ、私の家に案内するね!」
『お、おう…』
マールって始めて会ったときとキャラが違って見える…。どうしてだろうと俺は疑問に思った。
しばらくマールについて行くと、着いたみたいで「ちょっと待ってて」と言ってマールは俺を置き去りにして行った。
『…あの野郎…許さん…』
家に着いたのだと思っても、家らしきものは無く…マールは家と家の間を通って行ってしまったのだ…どう探せと?
『マール! マール!!』
とりあえず、読んでみることにしたのだが、一行に返事がない…。
『マールってば!』
しょうがない…匂い、辿っていくか。
俺は、地面に鼻を近づけマールの匂いを辿った。さっきいたばかりなのか、わからないがハッキリとマールの匂いがわかった。
『こっちか!』
俺は走りだし、空気中にもある匂いを辿る。
あの野郎、見つけたらぶん殴ってやる!! そう固い決意をして走った。いや、まぁ…今の姿じゃ無理なんだけどね…。
にしても…変だ…。村に人の…魔人の気配がない…。可笑しい…まさか、騙されたのかっ!?いや、マールがそんなことっ!
嫌な予感ばかりが、俺の思考に浮かんでくる。
俺は、必死に走った。
マールsaid
「…あれ…?? っ痛うぅぅっ」
どこ、ここ? 私、確か家に向かって…。そうだ、ウィルの所行かなきゃ…
全身に来た痛みを我慢して、思考を巡らせる。周りは暗くて何も見えない。
動こうとしても、手足が言ううことを聞かない…。
「…縛られてる…」
両手首と両足首の違和感に初めて気づく。そして、この状況から私は捕まったのだと気づいた。
どうして? 私は何も…
もともとの性格のせいなのか…どんどんマイナス思考に走ってしまう。自分の中で泣き虫な私に問う。どうして?と…。
「そうだ! ウィルは!? 私、ウィルを置いてきたままだ!」
「おやおや、目を覚ましたと思えば自問自答…そして、人の心配ですか?」
「!! 誰!?」
暗闇で見えなかったせいで、自分のほかに人がいるとは思っていなかった。急に聞こえた男なのか女なのかわからない声が響く。
その人は、私の質問に答えながらこちらへ向かってくる。
「私?私は、七人の魔人の一人……」
その言葉に私は唾を飲み込む。
額に大粒の汗をかいているのがわかったが、今はそんなこと気にしてはいられない。なにせ、目の前にあの七人の魔人の一人がいるのだから…。
「名前は……」
名前は…??
「………」
………
「名乗らないでおこう」
じれったいな!!!!!
私の心の中での悲痛の叫びは、誰にも届かった。
七人の魔人ってみんなこうなのかな!!?なんかやだな!!
小説が短いのはいつものこと…すみません…
エルフは昔から魔法にたけています。召喚魔法もであり、異世界から呼び出すことはできなくても交信することができます。つまり、そういうことです。