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七大魔

七大魔って何だ?(自分で書いときながら、そう思った。)

「ゼェゼェゼェゼェゼェ……ん…はぁ、もう嫌だ…」

「はぁはぁ、同感…」


 荷物を取りに帰った俺たちだが、帰りにまたクマと出会い、(何とクマさんは子連れだったのだ!)親一体に(最初に出会った奴)子三体。(子供といっても約二mはあった)計四体に追いかけられ、もう一回全力疾走して森の外に出たところだ…。


「さてと、落ち着いたし行きますか」

「そうだな」


 俺たちは、荷物を背負い歩く。こっからは街道があるので迷わない。黄色いレンガの上をテクテク歩く。

 二時間ほど経っただろうか?カイトと街に着いたらどうしようか悩んでいたところに声がかかった。


「おい、そこの二人」

「ん?」

「なんだ?」


 声がした方を向くと、白いローブを着た少女がいた。年は十歳ぐらいだろうか? 格好からして魔法使いだろう。


「迷ったので道案内をしろ」


 しかも、上から目線。そこでカイトの出番だ。俺は背中を押した。


「うおっ!」


 驚くんじゃない!


「迷ったのか?」

「そうだな」

「仲間は?」

「はぐれた。もしくは死んだ」


 そういう事をさらりと言う十歳ってある意味凄いな…。


「迷宮でも行ったのか?」

「そうだ。この近くにある」


 おや、この雰囲気は…


「ウィル…その…」


 ほら、来た。答えはもちろんイエスだ。


「わかってる。行こうよ、その迷宮へ」

「ウィル!」


 俺たちは彼女が言う迷宮へと足を運んだ。途中少女が話しかけてきた。


「名前を聞いていないな」

「そうか…俺はウィル。そして、」

「カイトだ、宜しく」

「私の名前はナタリーだ。宜しく…それにしても、大丈夫なのか?そいつ、弱そうだ」


 ナタリーと名乗った少女は俺を指差してきた。クッ!この野郎……。


「ウィルのことか? 大丈夫だ。オレより強い!」

「そうなのか? カイトが言うならそうなのかも知れないな…」


 どんだけ懐かれてんだよ! カイト、恐るべし!こ いつ、何かの素質あるんじゃねぇ? 

 どうこう言っている間に着いた。看板がある。



 Eランク迷宮ダンジョン 


 “迷いの森” 別名:初見殺しの森


名の通り、非常に迷いやすい森。ランクが低いためか、腕試しにと冒険者達が入っていく事が多い。しかし、多くの冒険者は迷い、餓死する者が続出。魔物もEランクモンスターばかりが、ボスモンスターはCランクである。これは警告である。死にたくなければ入らない方がいいだろう。



 ちょっと待てぇーーー!! 誰だよ! このMMORPGみたいな別名付けたの!! あってるけども!!


「どうした? ウィル?汗かいてるぞ。」

「……いや、ちょっとね…ハハッ。それよりも、お前の仲間がこの中に?」


 そう言って俺は前を見た。高さ五mはある針葉樹、その脇に生える広葉樹、まだ、昼なのにとてつもなく暗い森。

 なんか、カラスの声が聞こえてそうだな…。


「そうだ。私の仲間がこの中に入っていった。私を置いてな」

「? どうしてだ? ナタリーも仲間だったんじゃないのか?」

「……私はDランクなんだがな、この見た目ではいまいち信用が取れん」

「ちょっと待って!」

「どうした、カイト」

「今の話だと、ナタリーは子供じゃないのか?」

「ん? 言ってなかったか?私は魔女だからな…。これでも百はいっている」

「マジで!? 魔人とかいんの!?」

「いやウィルそっち!?」


 いやぁー、魔人いるのか。初耳…でも魔物いるんだからいて当然?


「そうなんだな、魔人いんのか…。会ってみえぇな」

「ちょっと待って、ウィル。話の方向が…「君ら、もう会ったのではないのか?」…ん?」


 い、今。衝撃の事実が…え?


「な、ナタリー。今、なんて?」

「む? だから、、もう会ったのではないのか?と言っている。君らから強力な魔力の痕跡が見えるぞ」

「そんなの見えるのか?」

「魔法使いなら誰でも見えるぞ。そんでもって、君らが出会ったのはこの感じだと…ルーキ様かな…」

「「ルーキ…?」」


 おお、見事なハモリだな…俺ら。にしても、ルーキ?



ブッ



『またぁ? これで何回目?』

『しょうがないだろう。俺はやられ役だ。また、いつか会えるさ』

『ホント? 僕は信じるよ。皆も待ってるからさ』

『ありがとうな。ルーキ…』



ブブッ




「つっ!?」

「どうした? ウィル。」

「……いや、ちょっと頭痛が…大丈夫」

「ああっ、人間からは『ルシファー』と呼ばれている」

「なっ!?」

「お前こそどうした? カイト」

「いや、ウィル! ルシファー知らないか!?」

「生憎、田舎育ちでな」

「有名芸能人の話じゃないぞ!! ん?でも、有名人だよな。ある意味…」


 いや、カイト。なんでお前が芸能人っていう言葉知ってんだよ…。でも…


「そんなに有名なのか? その ルシファー っての…」

「有名だぞ! 知らない方がおかしいぞ!! ルシファーって言えば七大魔の一人だ!!」

「はっ? 七大魔?やけに多いな…。」

「七大魔は、この世で二番目に強いとされている。一番は神達だがな」

「そういや、ウィルのお母さんが神むぐっ!?」


 俺は慌ててカイトの口を押さえた。危ない…気安くそういうのを口に出すのはよした方がいい。


「なぁ、ナタリー。シャイという名を知っているか?」

「知っているとも。そいつも七大魔の一人だからな。名前はシャイ。人間からは『サタン』と呼ばれ、恐れられている」

「サタン!?」

「カイト、また知っているな?その感じ」

「知らないウィルがおかしいぞ! サタンは七大魔の中でトップに立つ魔人だ!」



「つまり、魔王だな」


「魔王!?」






















「………って事は…、勇者とかいんの!? マジで!!(キラキラキラ」

「何でウィルが話すと話の方向がずれるんだ!」


名前説明


ナタリー:てきとう。

ルーキ:どこかの国の言葉でルシファーをルーキフェルと言うらしいです。そこから取った。

シャイ:イスラエル語でサタンをシャイターンと言うらしいです。そこから取った。

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