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生き返った少年

新小説です。すみません…。今書いてるやつと、どこか似てる……。主人公が変身?かな…。そして、狼と狐、似てますよね…。こういう系なんか好きなんで…。ごめんなさい…。

 10月24日。今日は俺の誕生日。俺は、毎年誕生日に作ってくれる母さんのケーキが大好きだ。今年で十歳となる俺。事前に頼んでおいた、誕生日プレゼントとケーキが楽しみだった。

 その日、俺は走って帰っていた。息が詰まるが、そんなの気にしない。だって、楽しみで嬉しくてしょうがなくて、俺は夢中で走った。

 突然、衝撃が体中に走った。激痛だ。何回もこけた事があるがそれよりも痛い。痛くて、苦しい。

 意識が朦朧とする中俺がみたのは、慌てている運転手。周りに集まる人たち。それを掻き分け走ってくる女性。その女性は俺の体を、泣きながらゆすった。俺はその女性が誰かなのか解った。俺は力を振り絞り、その女性を呼んだ。


「…か……あ…さん……」


 言い終わった瞬間、俺は気を失った。


 次に目が覚めたのは、森の中。こんな森は知らず、来たこともない。


『何処だ? ここ?』


 声に出した瞬間、違う声が聞こえてきた。少なくとも、俺の声ではなく女の子のような声が聞こえた。だけどその声が俺の口から出ているのが解った。


『起きたのか? ウィル?』


 後ろから、声が聞こえた。振り返ると俺の四倍はあるような大きな狼がいた。驚きはするが怖いと思わない。むしろ、暖かい感じがした。俺は、自然に返事をした。


『母さん。おはよう!』

『ふふっ。今日も元気がよいの。ウィルは』

『母さん! 遊ぼうよ!』

『いいぞ。遊ぼうではないか』

『やったー! 母さん、今日は変化がしたい!!』

『む?…お前にはちと早いのではないか?』

『いいの! したい!』

『わかった。解ったからのう。引っ張らんでおくれ』


 俺より、俺の中の本能が答えていた。俺は、自然に歩いていた。四足で……。どうやら、俺はこの狼の息子らしい。

 俺は、そんな有り得ないことをすんなり受け止め自然に過ごす。思ったより、この生活が楽しかった。

 そんな生活が一年続いた。この体で言う二歳になった。まだ続くかと思った、この楽しい生活。最初のころは、生肉にうろたえ。走るのが難しく、こけたりしていた。

 だけど、母さんが寿命だったらしい。もう死ぬという。俺は、悲しみが内からこみ上げてくるのが解った。すると自然に涙が出た。


『泣くのでない。私はお前の傍にずっといる。見守っているぞウィル……』


 そう言い残し、彼女は光の粒となって消えた。俺は、声を出して泣いた。


『ワオォォォォォォォォン』


 悲しい気持ちを声に乗せて泣いた。


 森中の動物達が彼の方を見ていた。動物達もまた、彼女が亡くなったのを悲しんでいた。


狼が吠える。定番ですよね…。吠えさせてみたかったのは、本心です。

一話で、二人も死ぬとは…くっ。この話も、短く終わる可能性が……汗っ。

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