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彼女はご執心

あの女の子はとても私に執着をしている。

そしてそれはとても面倒くさいことを私は知っているのだ。

特にあの子のことが大好きな奴らが面倒極まりない。

あの子のことが大好きな大人気ない大人たちは金も権力もすべてを持ち合わせているので、私はとても大変な思いをしている。

何せこちとらただの一般人。

対してあの子の信者は下はそのへんの学生から上は大規模会社の社長や取締役、はてはヤクザやマフィアに至るまで人材も権威もやりどり緑。

まともに抵抗する術など持ち合せていないのである。

今の今まであいつらの仕掛けてきた罠で何度死にかけたかわかったものではない。

ちなみにあの子は私のことが大好きで、あいつらのことなど眼中にないのも、私なことを執拗に追いかけ回す原因の一つだ。

過去に、というか最初の頃は洒落にならなかった。本当に洒落にならなかった。

なにせ自分に自信のある奴らなので、私を排除してもそこまであの子に嫌われるとは思ってもいなかったらしいし、明らかに釣り合っていない私を排除して褒めてもらおうという魂胆があったのだとか。

なので手始めに私の父親が失業、ついで母親が暴漢に襲われ怪我。そしてこれ以上の事をされたくなかったらあの子から離れろという脅迫文。

もちろん私は腹を立てた。

なのでその脅迫文をあの子に話し、あんたのせいでこうなったと責め立て、絶交。

もちろん、本当に絶交はしない。

あの子がそれに耐えられないことを計算に入れてのブラフだ。

数日後目論見通り私達家族を破滅させようとした奴が首を吊って死んだ。

そして私達家族の通帳にはそれぞれ1億づつ、謎の入金があったがまぁそんな事もあるだろう。

それから泣いて喚いて半狂乱のあの子をなんとか宥めて元鞘になり、他の信者達を牽制し、ようやく私の平和が戻ってきたのだ。

もちろん似たようなことが度々おこり、そのたび使えるものはあの子といえど使い倒しなんとか凌いできた。

ようやく私を害することはあの子に嫌われると理解してくれるまでにかかった月日は5年である。

5年も失敗をし続けなければ理解できないとか、どれだけ自分に自身があるのかわからない。

たまに小さな嫌がらせはあるが、可愛らしいものばかりなので一人でもなんとか回避をしている。

そんな事をやっていたら何人かの信者とは普通に仲良くなり、新座者の信者が正義は我にありとばかりな私を排除しようとしても庇ってもらえるようになった。

そこまでこぎつけるまでに色々ありまくったがそれは割愛させてもらう。

下手に私のことをあの子から遠ざけるよりしたいようにさせたほうがあの子も笑顔で嬉しいということに気がついたらしい。

私に危害を加えることであの子が怒り悲しむということに気がつくまで5年。

私と一緒にいることであの子が笑顔になると連中が理解するまで更に2年かかった。

もちろん私だって、嫌々なり成り行きなりで庇ってくれたり色々してくれる信者の人には、上手くあの子と近い場所でお話できるようにしたり、人数合わせと銘打って三人でデートもどき(あの子は信者と出かけるようなことはしないが、私とはよく出かけるし、行きたい場所をねだってもくる。そこに一人か二人呼ぶのは嫌がらない)をしたりもする。

古参の信者ほどそのことをよく知っているため、さり気なくご機嫌を取りに来たりする。ちなみに7年かけて理解をしたのがこの古参の信者達だ。

因みに私が死んだらあの子も死ぬらしい。

ずっと一緒だよと頬を染めて言われ、まぁ今まで大変な思いもしてきたが美味しい思いもしてきたしそのくらいはしないとなと思っている。

なんのかんの、私だってあの子のことが大好きなのだ。

因みにあの子が先に死んだとしたら、私にはなるべく長く生きていてほしいらしい。

この子が死んだら寂しがるだろうからと無理やり私を後追いさせかねない奴ら揃いなのでそう言ってくれるととても助かる。

あの子は死んだらどうやら私の守護霊にでも背後霊にでもなるつもりらしい。そうしてこれからもずっと一緒にいるのだとか。

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