22/32
共依存
ねぇ抱き締めて。痛いくらいぎゅっとして。もう何処へも行けないくらいきつく閉じ込めて。
「はい、分かってますよ。ぎゅーっと強く抱いてあげますからね」
我が儘聞いて。酷いことは言わないから。ちょっとしたことで良いから。
「はいはい、こうやってぎゅーっとしている間はどんな我が儘だって聞いてあげます。もちろん、ぎゅっとしていない時もですよ?」
・・・あとは、あなたさえいてくれたら良い。
「はいはいはい、そんなの我が儘のうちにも入りませんよ。一緒にいてあげるので安心してくださいね」
・・・・・・死ぬまで一緒にいてって言っても怒らない?
「むしろ私としては死んでも離なすなって言ってほしいものですけどね」
あなたはずるい。なんで僕がほしい言葉を欲しいタイミングでくれるんだ。好きになりすぎて怖いくらいなのに。離れられないくらい依存してしまっているのに。
「そうなってくれて嬉しいです。私だってあなたが好きなんですから」
愛しているよ。あなたの腕のなかは心地好すぎて畏れ多いほどだ。
「愛していますよ。ようやく私のところまで堕ちてきてくださいましたね」