引きはじめた初恋をこじらせた女のハナシ
正直に告白します。
私はこの前初恋をしました。
相手は私よりも二歳年下の男の人で、何をするにもオーバーリアクション気味のちょっとうるさい人でした。
なんで彼のことを好きになったのかなんてわかりません。
でも気が付いたらいつもあの人のことを思っていて、自然と目で追っていたりなんかしていたのです。
まるでおとぎ話の中にいるように、彼のことを考えると幸せな気持ちになれたのです。
でも彼が他の女の人と居ると心が張り裂けそうで、真っ黒な気持ちが胸の底から溢れ出てきそうになります。
最近じゃ彼がどんな人と居ても嫌で、私だけを見てほしい・・・なんて迷惑なことを考えるようになってしまって来たのです。
私は生涯恋なんてしないと思っていました。
恋というものはもっと柔らかくて、優しくて、ふわふわのケーキみたいに甘いものなんだと思っていました。
でも現実の恋はもっといろんなものがごちゃごちゃと混じり合っていて、とてもじゃないけどおとぎ話のような純粋なものとは違いました。
ああ、胸がドキドキと高鳴っています。
「甘くて辛くて切ないです。胸って高鳴りすぎると痛くなってしまうんですね」
真っ黒な嫉妬が胸の内で暴れ狂っています。
真っ白な恋心が静かに静かに荒れ狂っています。
綺麗なものだとばかり思っていた感情は実はこんなにも荒々しいものだったなんてそんなこと全然知りませんでした。