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071⚫️ヘラクレスとヒポクラテス

ヴィンチ村の海岸近くで、王命による工事が続いている。


「だめだあ、親方! あの岩は動かねえ! 大きすぎらあ!」

「そうですぜ、何人かかってもムリだあ!」

「おまけに固くて砕くこともできねえ!」

親方は歯噛みした。

「だが、あれを移さねば堤は完成せん。どうしてもやらねばならん!」

途方に暮れる者たちの前に、ふたり連れが現れた。

魔物かと思うほどの異形の男が、黙って岩に手を置く。

ほんの一瞬、その巨体が深く沈み込んだ。

・・・ズ、と大地が鳴る。

岩がわずかに震え、次の瞬間には、

男は何でもないもののようにそれを抱え上げ、

図面の位置へと運んでいった。


その間、同行の少女は疲れ切った者たち、

怪我人や病人にそっと触れて回る。

彼女の手のひらから溢れる温かい光が、

人々の疲労と痛み、病までもみるみるうちに癒していった。

人々は歓声を上げ、親方は深く頭を下げた。

「名を・・・せめて名を聞かせてくれ!」

「ガウとリンリン。」

ふたりはそう告げると、 風のように、どこかへと姿を消した。


第11部 070●ヘラクレスとヒポクラテス https://ncode.syosetu.com/n4089mg/61/ ご参照

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