3 ira 下
「木葉智世は大罪人」
その書き込みから2人は木葉智世を調べ始める。
3章後半。
木葉智世は大罪人
それは本当なのだろうか。
本当であれば話は早い。問題はその確かめ方だ。
布敷と話し終わり教室へ帰る廊下で考える。
先生達に木葉さんのことを聞いてまわるか、彼女を知ってる人を探すか。本人は……さすがにか。
彼女は昨年も委員長をしていたはず。
昨年の担任にでも聞いてみよう。
気は乗らないけど。
キーンコーンカーンコーン
予鈴が鳴った。
早く帰らなければ。
授業後
「先生、木葉さんってどんな子ですか?」
「え?木葉?あ〜ザ・真面目って感じかなぁ。図書室で本読んでるって感じだ。でも最近はねぇ〜。」
昨年の彼女の担任を捕まえて聞いているところだ。
「最近は?」
「白雪さんも知っているだろう?5組の荒れようはさ。」
沈黙する。
「でも白雪さんが聞いてくるということはあれ大罪人なんですか?いやぁ断罪人様も大変ですなぁ。」
顔をしかめて嫌な顔をする。
「そんな顔しないでくださいな。言いふらさないですよ。いやぁまさか木葉がねぇ。」
ゴシップ好きそうな顔が気持ち悪い
「まだ何も言っていませんが。それに仕事のためだけにこの学校にいる訳では無いので。」
冷たくあしらう。
「えぇ?!違うのですかてっきりそうかと。」
「どちらにせよ。伝える義務はありません。それにいいんですか?大罪人のことは詮索しないとこの学校に入る際誓ったはずですよね?校長に言ってもいいのですよ。」
「や、やめてくださいよ……。冗談じゃないですか……。ではこれで……。」
あーやだやだ。めんどくさい女だ。
そんなことをいいながらそそくさとそいつはいなくなった。
気が乗らない理由はこれだ。
私は特殊すぎるため、教師に断罪人であることが伝えられている。
正しい知識を教えずに伝えられているため怖がられたり、媚びられたり、さっきのように職員のくだらない雑談のネタにされそうになる。
人間はゴシップ好きだ。
しかも有益な情報は得られなかった。
でも教師から見ても5組は荒れているようだった。
チッ。
1人の廊下に舌打ちがこだまする。
やはり掲示板を辿るしかないか。
でもどの掲示板かわからない。
上手くいかなくてイライラする。
その夜夢を見た。
日和と2人で蒼を探していた。
何も無い手がかりに私はイライラしていた。
「どうしてお母様もお父様も蒼を探してくれないの!」
「紅音落ち着いて。」
「落ち着いてなんかられないわ!やっぱり私一人で探すしかないの!どこかに探すのに役立つ権能があるはず……。探し」
「紅音!!怒りに飲み込まれちゃダメ!」
突然肩を揺すぶられる。
彼女の顔を見るとなぜか泣きそうになっていた。
「私っ!手伝うから!紅音は1人じゃないから!だから……怒りに飲み込まれないで……。」
「日和……。」
「人に頼っていいんだよ。紅音を助ける人はいるから。」
「……うん。ごめんね……。」
そこで目が覚めた。
人に頼っていいんだよ。
その言葉が頭の中でぐるぐると回った。
私の目の前には眠る前に開いたパソコンがある。
掲示板を見つけようとした。けれどあまりパソコンが得意では無いから見つけられなかったのだ。
頼る……。
時間を確認するために開いたスマホの中でメッセージアプリに目が止まる。
もう一度日和が頭の中で言う。
人に頼っていいんだよ。
私は布敷のアイコンをタップしていた。
「いや〜まさか君からメッセージが来るなんて思わなかったよ。」
次の日の昼保健室に来た私に布敷は言った。
「ネットには疎いから。」
「頼ってくれたんだ!嬉しいなぁ〜!」
「……。」
嬉しいんだ。
「掲示板調べてきたよ!このサイトさ!」
横に置いていたリュックからパソコンを取り出すと画面を私に見せてきた。
『メイリスの裏側』
という掲示板らしい。
眉唾物の噂がずらりと並んでいる。
「布敷ねむりなんて生徒は存在せず住み着いた幽霊だ」
「白雪紅音は断罪者でこの学校の生徒の命を狙っている」
はぁ。ついため息を漏らしてしまった。
「まぁしょうがないよ。僕達が好奇の的にされるのはさ。んでこの下に。」
『5組の木葉智世は大罪人である』
「一体誰がこの書き込みを?」
「そこまではまだ。これから探してみるよ。そっちは?」
「私の方は全然。先生との折り合いが悪くて。情けない話だけれど。」
「あーめんどくさそうだね〜。まぁ君は現場での力担当だから。」
「そうね。」
とりあえずは布敷が掲示版の書き込み主を特定し、私が5組に直接探りを入れてみることになった。
5組に探りをいれる……。
きっと木葉さんに直接会って聞いても流石に何も言わないだろうしどうするか。
私はふと奇声をあげていた生徒を思い出した。
今後ああいう子を見たら捕まえてみることにしよう。
その後、現実面では特に進展はなかった。
もしかしたら木葉さんもこちらを警戒しているのかもしれない。
5組を覗いたりしても何も起こっていない。ただ普通の毎日が過ぎるだけ。
ただ日和は元に戻らない。
もしかしたら権能のせいじゃないのか。そう思って2週間がすぎた。
ピロン♪
スマホを見ると布敷からメッセージが来ていた。
『ビッグニュースだよ!明日昼休み集合ね!』
『わかった。』
そろそろ特定出来た頃かしら。
ガラッ
「失礼します。」
「布敷くんいるわよ〜。」
「ありがとうございます。」
そう言って奥のドアの方へ向かった。
バタン!
「危ない!」
「え?」
突如窓際に置いてあった花瓶が落ち破片が私の足元に散らばった。
「大丈夫だった?」
「は、はい。片付け手伝いますよ。」
「ごめんね。ありがとう!」
桃井先生は微笑んで言った。
「ねぇ外からすごい音したけど……ってえ?!」
音に気づいた布敷が出てきて驚いた声を上げた。
そのまま3人で花瓶を片付ける。
ふと窓の方を見ると窓はしまったままだった。
「ごめんね2人とも……。白雪さん怪我とかしてない?絆創膏持っていかない?」
「いえ、大丈夫です。怪我してないので。」
絆創膏は断り今度こそ奥の部屋へ入る。
「いや〜大変だったね〜。とりあえずご飯食べる?」
「そうね。あとでゆっくり聞くわ。」
少しずつ雑談を挟みながらご飯を食べる。
「でさビッグ二ュ」キーンコーンカーンコーン
話を遮るようにチャイムが鳴る。
「あらそろそろ教室行かなくちゃ。」
「花瓶の片付けしてたからかぁ。僕も一緒に戻るよ!また話は明日だね。」
「そうしましょう。で貴方も教室行くのね。」
「たまには行かなきゃいけないからさ。」
突然のことだった。
「きゃあああ」「ぎゃああああ」
ダダダダダダ
すごい悲鳴と共に5組から生徒がなだれ出てくる。
クラスメイトたちは叫びながら校内のいろんな所へ散っていった。
「「え?」」
騒ぎを聞きつけた先生達が止めに来る。
「おい!戻らんか!」
「また5組か!」
校内は混乱状態だ。
これはチャンスかもしれない。
「ちょっと行ってくるわ。」
「え?ちょっと!」
布敷を置いて私は教室とは逆方向へ向かう。
誰かさっきの騒動から逃げた子で話を聞ける子はいないかしら。
そう思いながら校内を探索する。
するとどこからか
「なんなんだよ!あいつ!俺もなんでこんなにビビってんだよ!」
という声と何かを蹴る音がする。
気になるため音の正体を探しに行くと渡り廊下で壁を蹴っている男子生徒を見つけた。
金のメッシュに着崩した制服。
不良として有名な篠崎 帳だ。
彼も5組だったはず。
さっきの騒動で逃げてきたのかしら。
「篠崎くんよね?学校の設備は壊さないほうがいいわよ。」
「あ?なんだよ。お前。」
私の声に驚きながらも睨んできた。
「私は白雪。話を聞かせて欲しいんだけど木葉さんの。」
すると顔色が急に変わった。
「そんな事出来ねぇよ!お前は木葉の恐ろしさを知らねぇんだ!」
怯えるように彼は吠えた。
「それを私はどうにか出来るかもしれないから聞いてるのよ。」
どうにかできるという言葉に肩をぴくっとさせた。
「……わかった。」
「どこで会おうかしら。」
「授業後にここならいいぜ。」
「ここで?」
「ここなら木葉にも見つからないだろうし……。」
独り言のように言った。
「わかったわ。じゃあ授業後よろしくね。」
『さっきの騒動のせいで5限無くなったよ。いつものとこで合流しよう。』
布敷からのメッセージを見て保健室へ向かう。
「えぇー!篠崎くん?!あの不良の?!」
合流後、先程の出来事を聞いて目をぱちくりさせながら布敷が言った。
「えぇ。さっきの騒動で遠くまで逃げてたみたい。」
「篠崎くんですら怖がるなんて木葉さんすごい……。」
「で、私を呼び出したなら何かあるんでしょ?」
ふふんと得意気に布敷はパソコンを取り出した。
「もちろん!さっきは発表できなかったけど!じゃーん!あの書き込みをした人物と接触できることになりました!」
「すごいじゃない。誰だったの?」
「それよりも僕の頑張り聞かない?」
「また今度でいいわ。」
「つれないな〜。まぁいいや。名前は梢 遥。木葉さんの友達。」
「え?友達が?」
「そうそう。僕も細かいこと聞こうと思ったら直接話したいって言われたんだ。」
「どちらが行くかね。私が両方行ってもいいけど……。」
「僕は梢さん行くよ。2人で1人ずつ会った方が効率いいでしょ?掲示板つながりだしさ。篠崎くんは怖くて会えないよ。」
「わかった。じゃあお互い接触しましょう。」
その日の授業後人気のない渡り廊下へと行った。
そこにはうずくまっている篠崎くんがいた。
「どうも来てくれてありがとう。早速だけど木葉さんや貴方のクラスのことを教えて欲しいの。」
「……。」
「……。」
沈黙が流れる。言うのを躊躇っているようだ。
「……俺たちのクラスは荒れてるクラスだろうな。木葉は怒ってばっかだしよ。周りは怯えてる。俺もだけど。もともとは俺らがうるさくて荒れてたかもしんねーけどよ。」
ぼそっと言った。
「なんで以前木葉さんを怒らせたのかしら。」
不貞腐れたような表情をして篠崎くんは言った。
「あいついつも偉そうだろ?提出物がとか集合がとかよ。ウザかったからみんなで無視したんだよ。」
「へぇ。木葉さんは正しいことを言っているだけなのにね」
「うるせ「で?」
不快だったので被せる
「ある日突然あいつがいつもみたいになんか言い出したって思ったら体が動かなくなったんだよ!クラスのやつらもだ。それからは木葉が怖くて怖くて仕方ねぇんだよ。なぁあんた裁けるんだろ?あいつやってくれよ!」
「落ち着いてちょうだい。いつからかは覚えてるかしら?」
「いつからかなんて覚えてねぇよ……。」
「なるほどね。ありがとう。」
「き木葉さんには秘密にしといてくれよ!」
声を震わせ怯えた様子で篠崎くんは言った。
「えぇもちろんよ。これからは貴方達も正しく行動しなさいね。」
「じゃ、じゃあ……。」
彼はそそくさとその場を立ち去った。
「あ!いたいた!そっちは終わった?」
「終わったわ。やはり篠崎くんの話を聞くと大罪人だと思うわ。」
あなたの方はと聞く前に布敷は言った。
「梢さんのほうも接触できたよ。ず〜っと怯えてる感じだった。木葉さんの友達のはずなのにね。」
少し悲しそうな顔をしている。
「そう。けどなぜあれを書いたのかしら。」
「なんか君に見つけて欲しかったらしいよ。急に智世が変わってしまって掲示板なんて見ないことはわかってたけど噂になれば調べてくれるかもって。」
「彼女も限界だったのね。」
「木葉さんを断罪するの?」
「えぇ。もちろん。」
「ねぇ、捕まえるにしても怒鳴ったやつを従わせるなんて僕達も危ないんじゃないの?」
「でもどこでもなるならとっくに私達も権能に侵食されるはずよ。」
「じゃあ考えられるのは……。」
「5組の教室だけね。」
木葉さんが大罪人であることはわかった。
その効力が及ぶ範囲も。
あとは捕まえる手を考えるだけだ。
「さてどうしましょう。」
次の日の昼、定番となった保健室で話し合う。
「捕まえるのはどこでもいいの?」
「空き教室とか5組で最終的に捕まえたいわね。」
うーん。と腕を組みながら布敷は考える。
「手紙で図書室に呼ぶのは?」
「言っておくけど図書室では展開できないわよ。人も多いし。」
「君を見たらどうせ逃げるよ。逃げ出して5組に入ったところで捕まえればいいんじゃない?」
確かに。
「木葉さんを呼び出す手順はそれでいいとして関係のない生徒は断罪室へは連れていけないわ。」
少し考えたあと急にいたずらっ子のような表情をして布敷は言った。
「手榴弾のおもちゃを投げ込むとかどう?」
「そんな子ども騙し通じるの?」
「ふっふっふ〜。人ってパニックになると大変なことになるんだよ!」
「わかったわ。やってみましょう。」
「やった!楽しみだね!」
「貴方ねぇ……。」
布敷はキラキラとした目をした。
まぁたまには悪くないかもしれない。
ー次の日 放課後ー
授業終わり私は図書室へ行った。
そこには朝下駄箱に入れられていた手紙を見たであろう木葉さんがいた。
「見つけたわよ。木葉さん。お話ししましょうか。」
「えーっと……5組でもいいかしら?」
「嫌よ。今すぐここで話しましょう。」
「ど、どうしてですか?そんなに急ぐものですか?」
明らかに動揺している。
「貴女が大罪人であることは知っているわ。教室でないと発動しないことも。」
目を見開く。
それと同時に彼女は走り出した。
「はぁ。はぁ。どいて!どきなさいよ!」
叫びながら彼女は逃げていく。
授業終わりとはいえ部活の生徒が多い廊下を走るのは難しい。
私たちは5組の前へたどり着く。
「ねぇ木葉さん。いつまで教室に閉じこもるつもりかしら。」
「あ、あなたたち!彼女を教室に引き込みなさい!」
「ご、ごめんなさいこうするしかなくて…」
「怒鳴られるのは嫌なんだ!」
走って逃げたせいで息が上がっている木葉さんは命令した。
廊下にいる私をクラスの子達が教室に引き込もうとしてくる。
「布敷。」
「はいはーい!」
カランカラン
後ろに隠れていた布敷は教室に何かを投げ込む。
「え…あれって。」
きゃああああああ!
中にいる生徒たちは一目散に教室から逃げていった。
「な、なんなの!ちょっと!」
叫びながら足元を見た木葉さんは一瞬で顔を引き攣らせた
「ばーん。なんちゃって☆」
そう。布敷が投げ込んだのは手榴弾……のおもちゃだ。
「は…?」
へたり込む木葉さんに私は言った。
「まさか本物を投げ込むとでも思ったの?」
横では
「本物みたいに塗るの大変だったんだよ〜。」
と布敷が自慢気に言っている。
「恐怖に支配されて元々混乱状態の所にプラスで刺激を与えればパニックになって散り散りになると思ったの。」
他の生徒たちを空間へ連れていかないための配慮だ。
「さぁ。木葉さん。これで1対1ね。さぁ断罪の時間よ。」
飲み込まれる。
「ここが断罪室…。私は殺されるの?」
「貴女が救いようのないクズならね。でも賢い貴女ならそんな事ないはずよ。」
「私…これからどうしよう…。」
「それは貴女次第よ。私にはどうにも出来ない。私は権能を貰うだけ。」
「こんなことして、学校に居れるわけない…。」
「…。どうして貴女は権能を持ったの?」
「男の子が教えてくれたの。強く願えばって…。」
「その男の子の名前は分かる?」
私の問いに彼女は力なく首を振った。
「わかったわ。じゃあ貴女は何を願ったの?」
「凄いことを望んだわけじゃなかったの。ただクラスがまとまって欲しいって…。私は大人しいからみんな指示を聞いてくれなくて、そのせいで私が先生に怒られたりしてたの…。私が悪いのかもしれないけどもっと強くみんなに言えば良かったのかもしれないけど…出来なかった。その時に権能を貰った。「言うことを聞いて」って頭につけるだけでみんな簡単に従うようになった。最初は凄い助かるなって思ってたぐらいだったからそんなに使わなかったの。でも段々使うことが増えていっていつの間にか私の思う通りに動かないと怒りを覚えるようになったの…。ほんと委員長として失格よね…。」
静かに涙を流しながら彼女は語った。
「貴女がとても真面目で苦労していたのは知っているわ。どうかこれからは同じような過ちは繰り返さないで。」
「白雪さんはどう償えばいいと思う?」
「え?」
大罪者にも反省をする人間っているのね。
初めて見たかもしれない。
「いなくなることは償いではなく逃げよ。崩壊したクラスを元に戻すのが貴女の役目じゃないかしら?」
人に頼ることも大切よ。
自分にも言い聞かせるように言った。
「さぁ。そろそろ戻りましょう。」
差し伸べた手を彼女はとった。
その瞬間に彼女は消える。
私の手には赤い光だけが残っていた。
次の日の朝日和から連絡が来ていた。
「学校に行こうと思う。一緒に来て欲しい。」
「もちろん。」
少しだけ痩せた日和を迎えに行き休んでいた時に起こったことを話した。
「木葉さんが……。」
「きっと元に戻っているはずよ。」
5組に行くとまだ早い時間だからか木葉さんしかいなかった。
日和は私の背に隠れてしまった。
「おはよう。木葉さん。」
「白雪さん……。おはようございます。」
少しの沈黙が流れる。
「私。どうやって償ったらいいか分からないけれど皆にちゃんと謝ろうと思ったんです。許してもらえるわけはないですけど逃げることだけはやめようと……。あなたにも言われてしまいましたし。」
「そう。」
「謝るのってこんなに怖いことだったんですね……。おかしいな今までもクラスになにかあれば私が謝ってきたはずなのに……。」
少し泣きそうな顔をして木葉さんは言った。
「なんとかクラスを立て直すのもするべき償いですね。」とも。
「そうね。でも1人でやろうとすれば同じ道を辿るでしょうね。誰か」
「私っ!手伝うよ!」
いきなり日和が背から飛び出して言った。
その声は震えていた。
「桜さん……ありがとうございます。でも……。」
「元々学級崩壊しかけたのはクラスメイト全員の問題だから……。それに権能のことも知ってる。だから私も手伝う!」
いまいち理由になっていない気もするが日和らしい。
「桜さん本当にごめんなさい。あなたを深く傷つけてしまって。」
「ううん。もういいの。それよりも作戦会議しよ!」
「ふふ。もう私自分のクラス行くわね。」
「白雪さん。ありがとうございました。そしてごめんなさい。」
「何に謝られてるかわからないわ。頑張ってね。」
「紅音じゃーねー!」
元気な日和と力の抜けたように笑う木葉さんに見送られながら自分のクラスへ向かった。
きっと大丈夫だろう。
ー断罪完了ー残り4人
少し間が空いてしまいました。
徒華です。
前回あとがきに7000字を超えそうだから分けると書いたのにまさかのこの話だけで7000字を超えてしまいました。
飽きずに読んでみてください。
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