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著作権者による後付設定 VS 著作権違反だがお目こぼしされてる表現の自由

作者: HasumiChouji

「漫画家と代議士のどっちの意味で『センセイ』って呼ぶべきか判んねえけどさ……」

「えっと……」

「センセイ、何やってんの?『表現の自由』庁とやらの長官にまでなった人が、何で、『お前の漫画の前回のエピソードを丸々無かった事にしろ』なんて表現弾圧にしか思えない事言ってる訳?」

「いや……でも、私の後援会から『あれを何とかしろ』と云うクレームが来てまして……。何とかしてもらわないと、表現規制反対派の議員の議席が減るかも……」

「はぁ? その『表現規制反対派の議員』が俺達漫画家に何かやってくれたか?」

「ま……待って下さい、何を言ってるんですか? 全国数千万のオタクを敵に回すような発言を……」

「そのオタクの票でも、あんた(センセイ)とその同類を合せて2〜3人しか国会に送り込めてねえだろ」

「いや、ですけどね……」

「大体、前回の話の何が問題なの?」

「例の後付設定です」

「何かやったっけ?」

「ですから、主人公の必殺技を過去に打ち破ったライバルが……実は主人公の必殺技は使える事は使えるけど、実戦で使える主人公とは違って、あくまでも演舞レベルだと云う……」

「何言ってんの? 伏線張ってたよね?」

「へっ?」

「『お前のその技など、俺は、たった3日で使えるようになったぞ』のシーン良く見てよ」

「ええ、ですから、主人公の必殺技を同じ技で打ち破ったのに、後付でマトモに使えない事にされるなんて……」

「あんたも、あんたの後援会とやらのオタクどもも、俺の漫画をマトモに読んでねえだろ」

「へっ?」

「あの回で、ライバルは主人公の必殺技を同じ必殺技で打ち破ったんじゃなくて、別の技で対抗してただろ。奇策で辛勝した後にイキってるだけだって後付設定にしても何の矛盾も無いぞ」

「そ……そんな馬鹿な……」

「いや、そこに全巻揃ってるから見てみろ。第一部の二〇巻だ」

「で……でも、困るんです」

「何で?」

「いや……みんな、あのコマを、SNSで他人を小馬鹿にする時に使ってて……それが前回のエピソードで台無しですよ」

「はぁ? 俺のマンガのコマを俺に断りなく使ってた奴が困ったとして、俺に何かデメリット有んの?」

「……あの……まさかと思いますけど……」

「何?」

「あのコマがネットミームになってる事を知った上で、わざとあの展開に……」

「あんたも、元は漫画家だろ。俺と同じ立場になった時に、どうするか考えてみろ」

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