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恋愛は付き合いたてが一番楽しい件について

作者: 猫の集会

 私は、高校生。

 名前は、樋之口 芽衣

 

 彼氏なし。友達あり。お金なし。暇あり。

 学力なし。

 そんな平凡な日々を淡々と過ごしているの

 であります。

 

 

「あー、彼氏ほし〜よー。」

 そんな雄叫びが神様に届いたのでしょうか。

 

 

「そろそろ席替えするかー?」

 神様、いや先生が提案してきた。

 

 おんおんおんおん‼︎

 席替えー‼︎

 

 

 この席替えで私の運命が大きく変わろうと

 していた。

 

 

 手汗をかきながらドキドキくじを引く。

 

 …うん。まぁ、窓際だしいいか。

 隣は…

 ゲッ

 お堅い秀才田山くん…

 話したことないな。

 

 

 

 ガタゴトガタゴト席移動

 この光景は、なんとも面白い。

 ヤドカリが宿を持参して移動しているかの

 ような感じで。

 

 そして移動終了。

 

「よ、よろしく」

 お隣さんにご挨拶。

「あぁ、よろしく」

 

 

 プイ

 

 

 挨拶が終わると姿勢良く前を向く田山君…

 まじめか‼︎

 

 

 

 とある数学の時間

 

「じゃあ、五分でみんなこの問題といてみて

 くれる?」

「はーい」

 

 先生の問いかけにみな集中して問題を解き

 はじめた。

 

 えっ…五分。

 五分って長いの?短いの?

 まって!みんな五分ってどーなのー‼︎

 

 

 とにかく五分が気になり問題どころじゃな

 い。

 そもそもどうせわかんないし。

 あぁ、そうこうしている間に一分経ってい

 るじゃありませんか…。

 

 

 田山君ー‼︎

 もう終わったんかい!

 ちらっと田山君を見ると…

 

「ん?もしかして解らないの?」

「あー…うん。そんな感じです」

「簡単だよ。ここをこうしてこう。で、最後

 にこうする。」

「ほーっ、田山君先生みたい。すっご〜」

「すごくないよ。予習したとこがたまたま出

 ただけだよ」

「えっ、予習⁈」

「うん、」

「そもそも予習なんて私した事ない」

「ふふっ。」

 

 おぅ…

 笑われた。

 

 あれっ。

 田山君、笑うと以外にカッコいいじゃん…

 

 

「はーい。じゃ五分経過したからおしまい。

 じゃあ、前に来て解いてもらおうかな。じ

 ゃ、楽しそうに話してた田山君」

 

 ガタ

 

「はい。」

 

 カキカキカキカキ

 スラスラスラスラ

 

「おー、説明までつけてくれました。田山君

 見事に正解。さすが学年一の秀才。」

 

 えっ、学年一なんだ。

 すっご〜。

 

 

 

 席替えをして以来ちょいちょい数学を教え

 てもらった。

 

 

 わ、わかりやすい。

 ありがとう。田山君。

 おかげさまで赤点からまのがれております。

 しかも、教えるときのあの優しい顔…

 優しい口調…

 

 ぽわぁ〜。

 

 私のくだらない話を嫌な顔せずいつも聞い

 てくれる。

 

 

 しかし‼︎

 こんな日々がいつまでも続くわけがなかっ

 たのであります。

 

 ついに、ついに悪魔が…

 悪魔が口を開いた。

 

「席替えするぞー」

 

 クッソー。

 悪魔めー…‼︎

 

 あっ、あれは悪魔じゃない…先生か。

 ははは…

 

 ついこの間は、神様に見えたのに今じゃ悪

 魔。

 

 

 また、田山君のお隣を。

 どうかお隣を。

 

 

 チーン…

 終わった。

 私の席廊下側の一番前…

 田山君窓際の一番後ろ…

 

 

 どんだけ角、角ー⁉︎

 あぁ、離れ離れ…。

 

 

 

 田山くーん。

 遠くの田山君を探し見た。

 沢山の人の障害物をよけながら探す田山君。

 

 

 

 どうせ姿勢良く前を向いているに違いない

 田山君…

 

 

 おおぅ。

 あうっ…

 

 

 ホェ⁇

 

 びっくりして目そらしちゃったけど…今…

 今、田山君…こっち見てた…よね⁉︎

 

 えーっ⁉︎偶然こっち見てた⁇

 それとも…田山君も私と離れ離れで寂しい

 と思ってくれた⁇

 

 

 だとしたらうれしい。

 

 

 席替えをしてしばらくするとテスト…

 た、田山先生がいらっしゃらないから私は

 みるみる元通り…赤点マン。

 

 

 放課後…一人居残り。

 

「芽衣乙ー。うちらバイトだからじゃあねー

 ん。」

「おん…またニャー…」

 

 おつー。じゃないー…。

 

 あーあー。

 

 

 机に顔を伏せた。

 フニャ〜。

 もうこのままとけてしまおうか…。

 

 ドロドロ〜。

 

 

 ギーッ

 ガタッ

 

 ン?なんの音⁇

 なんか人の気配感じる…

 でも…怖くて顔あげられないよ。

 ど、どうしますか?

 私…

 

 

「どこわからない?」

 

 ん⁉︎このお声。

 バッ

 

 顔を上げると田山君〜。

 

 

「田山君…わざわざ戻ってきてくれたの?」

「ううん。筆箱取りに来たの。で、ついでに

 オレも復習しよっかなって」

 

 ニコッ。

 

 ぽわぁ〜。

 素敵なニコッ。いただきました‼︎

 

 

 私は、田山君のご好意に甘えてお勉強を教

 わりました。

 

 夕日に照らされる田山君の髪がオレンジ色

 に輝いている。

 きれいだなぁ。

 

「聞いてる?」

「あっ、うん。はい!」


 ポッ。

 ほんのり顔が赤くなったのが自分でもわか

 る。

 

 いかんいかん。

 思わず田山君の田山君の素晴らしさに引き

 ずり込まれるところだった…。

 

 ほぅ、ほぅ、落ち着いて、深呼吸。

 

 

 勉強が無事終了した。

 先生にプリントを提出して下駄箱へ。

 

 あれ、田山君…

 待っててくれた⁈

 

「田山君…」

「暗いから送るよ。」

「えっ、いいよ。勉強教えてくれてしかも、

 送ってもらうなんて。」

「いーから」

「は…はいな。では、お言葉に甘えて」

 

 

 なんかデートみたい。

 放課後デートー‼︎

 

 

 田山君とお付き合いできたらこんな感じで

 一緒に帰ったりできるのかな?

 

 はじめは、お堅い秀才って思ったけど今は

 今は隣にいるだけでドキドキするし癒され

 もする。

 田山君…

 好き。

 

 

「席、隣じゃなくなっちゃったね。オレ樋之

 口さんの隣楽しかったよ。」

「うん…ありがとう。ってかさ、離れすぎじ

 ゃん?」

「あー、たしかに。」

 

 

 しゅん…

 

 

「早く席替えしたいなー」

「もしかしてまたオレの隣になりたい?」

「えっ…」

 

 やばい。

 顔がみるみる赤くなるのが自分でもわかる。

 

 

「あのさ、席替えしてもしなくても側にいた

 いってオレは思うよ」

「そ…それは、つまり…」

「好きなんだ。付き合ってもらえませんか」

 

 ホェ〜。

 ついについに来ました。

 好きー‼︎

 

 

 うれひぃ〜。

 

 

 クラッ。

 

「おっと、大丈夫⁉︎」

「おん…あっ、うん。だだだ大丈夫かと…」

 

 

 ぜんっぜん大丈夫じゃないよ…。

 

 

「一回そこのベンチに座らない?」

「おっ…ベンチ…。」

 

 

 もう自分で何を言っているのか、頭がプチ

 パニックだ。

 

 とりあえず言われるがままベンチに座った。

 

「ちょっと待ってて。」

 

 田山君がどこかに行ってしまった。

 今のうちに頭の整理‼︎

 

 

 さっき私、告白されてませんでしたか?

 えぇ、されてましたよね…

 

 

 ハッ…

 返事‼︎

 大事な返事‼︎

 

 

 あのとき「うん。私も好き」って言って

 ハグからのチューあったんじゃん⁈

 

 

 おぉ〜…

 私としたことが…

 大事なところで……

 

 

 あー、未来が予知できていれば…

 あっ、巻き戻しとかないわけ⁉︎

 

 あるわけなーい…

 

 ふぅ〜。

 落ち着いて。

 私。

 

 

 田山君が遠くから歩いてくる。

 くる。くる。田山君。

 この広い世界なのに、この私のところに田

 山君が向かって歩いて来てくれる。

 

 よし‼︎

 

 

「あのっ、田山氏…」

「ん?」

「私…私も好き‼︎大好き‼︎」

 

 

 勇気を出して言った。

 

「うん。ありがとう。うれしい」

 

 田山君は、私をぎゅーって抱きしめてくれ

 た。

 

 あったかい。

 ハグってすごく癒されるものだとはじめて

 知った。

 

 あったかいけど…

 あったかすぎる?

 

「あつっ…」

「あ、ごめん。ホットコーヒーとミルクティ

 ー買ってきた。」

「アハハハ」


 二人で笑い合った。

 

「飲み物ここに置いとこ。もう一回抱きしめ

 てもいい?」

「うん。」

 

 返事をしながら今度は、私からハグした。

 

 ぎゅーっ。

 

 このままずーっと一時停止のまんまお人形

 さんになってしまいたい。

 

 

 離れたくない‼︎

 私がペットボトルだったらよかったのに。

 そしたら田山君がキャップでいつも一緒に

 いられるのに。

 

 

 それから毎日私と田山君は、放課後一緒に

 教室に残りイチャイチャしながらお勉強会

 をした。

 

「さ、はじめよ」

「うん。その前にハグしてほしいなぁ♡」

「しょうがないな♡」

 

 ぎゅーっ。

 

 勉強を教えてくれる田山君。

 私のためにいつも一生懸命だ。

 

 じーっ。

 

 いつのまにか至近距離で田山君をガン見し

 ていた。

 

 

 それに気づいた田山君。

 

 えっ、えっ、え〜。

 

 チュ〜♡

 

 うわ〜。

 

 

 ハグしたりキスしたりイチャイチャは、と

 まらない。

 

 

 帰りは、手を繋いで温もりを感じる。

 

 

 そして今度のお休みにデートをする。

 たぁ〜くさんなかよししたいなぁ♡

 

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― 新着の感想 ―
[一言] もうこれでもかと言うほどの可愛いお話に ドップリ浸りました(#^.^#)
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