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私はお嬢様に仕えます。  作者: ポテフレ
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幸せを求めて

体よりも大きな荷物を背負い、時折打たれる鞭に怯えながら歩く。

じりじりと日が照りつける中、私は言いたい。

神、と名乗るモノは信用出来ないのだと。


なんでこんな中二病みたいな事を言っているかというと、とんでもなく薄っぺらい訳があってですね。私、神様に会ってしまったのです。デンデケデン。

…はい。ここだけ切り取るとただのやばい奴ですね分かります。順を追って説明しますね。

私はね、まず死にました。さっくり言ってますけど本当です。信じて。軽く私の人生を語ると、暴力振るう糞親のために中卒で働いてたけどお腹空き過ぎて倒れて撥ねられた。そんなもんです。人生なんて偉そうに語れる人を見てみたいですねまったく。

まぁそれで「私、死ぬんだ」なんて思ってました。開放感とかそんなに無くて死ぬっていう事実を、どこか夢みたいに思ってたんです。そこでね。あの自称神とかいう発光体に話しかけられました。なんか生きたいか?って。あの頃の私はぼんやりしてたから、うんとか言っちゃったんでしょうね畜生。

その結果が今の奴隷生活に繋がるっていう。はは。笑えない。


ちらっと言いましたけど私今奴隷なので。流行りの異世界転生とやらはこんなにハードじゃ無いと信じたい。どこかで逆転できるに違いない。皆魔法使ってるし、私だって。そう思い続けて早十年。只今十四歳。夢も希望も捨てて、毎日下向きながら暮らしてます。助けを求める気持ちも失せました。心の底から奴隷です。人前で裸になるのも、靴舐めるのも、犬の真似するのも慣れました。代償として表情筋の機能と感情を失いましたがね。些細な事です。気にしなくてよろし。


とか何とか言って現実逃避するのも今日が最後になりそうですけどね。だって私を所有する盗賊団の方次々と侵入して来た人達に殺されてるもん。

私のお迎えもそろそろなんじゃないかな。もしあの時見た自称神が本当に居るなら、私が死ぬ前に空を見せてくれないかな。ここ一・二年ほど外に出ていないから、太陽が恋しくなってきた。体内時計も狂い過ぎて空腹感とか感じなくなってるし。


あ。倒れる。体に力が入らない。やっぱ生きる事を諦めるとすぐ駄目になるよね人間。…第二の人生こんなものか。やっぱり神は居ない。居ても信用ならない。Q・E・D。こんな後ろ向きな証明誰得だよって話だけれども。

お、誰か来た。鎧を着てるし、外の人だろうな。随分と小綺麗にしている。

あれ?剣を仕舞って、首に手を伸ばしてきた。こんな幼気な少女の首を締める…貴様変態だな?


ま、いっか。さよなら世界、おやすみ私。

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