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 世にも可憐な美少女だったはずのアリアナお姉ちゃんが、威厳と気品にあふれた女王様に変身して、告発者の席に戻っていく。何をいっているのか、自分でも謎だと思うけど、そうとしかいいようがないくらい、このときのアリアナお姉ちゃんは、りんとしていたんだよ。

 アリアナお姉ちゃんの婚約者であるフェルトさんが、そんなお姉ちゃんをどう思うのか、ちょっと不安になって見てみると……わたしの心配なんて、全然、まったくむだだった。フェルトさんってば、男らしい顔を薔薇色に染めて、うっとりとアリアナお姉ちゃんを見つめているんだから。わたしの大好きなお姉ちゃんと、お姉ちゃんの婚約者は、今日もとっても仲が良いみたい……。


 アリアナお姉ちゃんは、フェルトさんに微笑みかけてから、自分の席に腰かけた。〈神秤しんしょうの間〉に、密かなざわめきが広がっているのは、お姉ちゃんの微笑みが、あまりにも魅力的だったからだろう。

 裁判官のお役目を務めるマチェク様は、ちょっと呆れた表情で、傍聴席に視線を投げ、金槌かなづちで大机を叩いてから、口を開いた。


静粛せいしゅくに。尊き御神霊もお認め遊ばした、〈衣通姫そとおりひめ〉の麗しさゆえ、今一度は見逃そう。以後は、固く静粛を守るように。では、次なる告発者の証言に移ろう。ルーラ大公騎士団副団長、ヴィドール・シーラ殿」

「はい、ここに」

「証言台に進まれよ」

御意ぎょいにございます、マチェク猊下げいか


 名前を呼ばれ、すぐに堂々と立ち上がったのは、総隊長さんだった。キュレルの街の守備隊の指揮官で、厳つい熊みたいなのに、ものすごく親切で優しい総隊長さん。今は、キュレルの街の守備隊を辞めて、急に大公家の後継になっちゃった、フェルトさんを助けるために、大公騎士団の副団長になってくれたんだ。

 総隊長さん……じゃなくて、副団長さんの周りでは、青、朱、白、黒の四つの光球が、微かに明滅めいめつしている。傍聴席の人たちには、ほとんど見えていないみたいだけど、あれは副団長さんを守護してくれている、〈固めの神亀じんき〉のお力だろう。


 副団長さんは、長い足で大股おおまたに歩き、証言台に立った。傍聴席に一礼、左右の貴賓席に一礼ずつ。最後に、裁判官席のマチェク様に深々と頭を下げて、副団長さんの証言が始まった。


「ヴィドール・シーラ殿は、アリアナ・カペラ嬢、フェルト・ハルキス殿の告発を確認した、確認者の立場での証言となる。まずは、貴殿の身上しんじょうを述べられよ」

かしこまりました。わたくしは、キュレルの街で守備隊の総隊長を務めておりました、ヴィドール・シーラと申します。平民でございます。現在は、ルーラ大公騎士団に在職し、副団長を拝命はいめいしております」

「今回、神霊庁へ告発を確認するに至った経緯を述べられよ」

「先ほど、証言台にお立ちになられました、ルーラ大公家の継嗣けいし予定者、フェルト・ハルキス様は、今回、クローゼ子爵家の事件が起こるまでは、平民のフェルト・ハルキスとして、キュレルの街の守備隊で、分隊長を務めておられました。総隊長であったわたくしは、フェルト様のご入隊の当初より、公私こうし共に深く関わり、親代わりのような立場であったと自負しております。その関係から、クローゼ子爵家が、フェルト様に対して何をしようとしたのか、この目でしかと見ております」


 副団長さんは、堂々とした態度で、クローゼ子爵家の事件について、証言を重ねていった。話の内容としては、フェルトさんやアリアナお姉ちゃんの証言と同じだったけど、総隊長っていう立場にあった人が、キュレルの街の守備隊を代表する形で、はっきりと口にする言葉には、しっかりとした重みがあった。

 スイシャク様やアマツ様は、副団長さんのことを〈益荒男ますらお〉って呼ぶことがある。益荒男っていうのは、強くて立派な男の人っていう意味らしい。大きな身体が、いっそう大きく見えるくらい、頼もしい副団長さんを見ていると、なるほど、その通りだなって思っちゃったよ。


 副団長さんが、証言を重ねるたびに、周りに浮かんでいる四色の小さな光球が、ちかちかちかちか、ちかちかちかちか、星みたいにまたたいている。傍聴席や貴賓席の中に、真剣な顔つきで、副団長さんの周りを見回している人がいるのは、きっと神亀の存在を感じ取っているんだろう。

 神霊庁の神使しんしであるマチェク様は、当然、四柱よんはしらの神亀が見えているようで、副団長さんに対する視線が、どことなく優しい。副団長さんの証言が終わったときも、思わずっていう感じで、大きく一つうなずいてから、こういった。


「畏み畏み、シーラ殿。詳細な証言、ご苦労でした。証言の最後に、申し述べたきことがあれば、この機会にお話しあれ」

「ありがたき幸せでございます、猊下。わたくしが申し上げたいのは、たった一つでございます。尊き身分の方々には、はかりごとも戦略もあるのでしょう。平民であるわたしには、尊い方々のお心の内は、きっとわからないのでしょう。ただ、どれほど偉そうな理屈をいわれても、子供たちがさらわれ、〈野ばら亭〉の人たちが焼き殺されそうになった事実は、絶対に消えません。消させません。何年、何十年経とうとも、決して」


 大きな声を出しているわけでも、感情的になっているわけでもないのに、副団長さんの言葉は、目に見えないむちみたいな力で、傍聴席に叩きつけられた。そう、叩きつけられたと表現するしかないくらい、強い思いのこもった言葉だったんだ。

 ゆっくりと頭を下げた副団長さんに、軽く会釈えしゃくをしてから、マチェク様は、小さな金槌かなづちで大机を叩いた。傍聴席の人たちは、皆んな気まずそうに無言でいるんだから、今回の金槌は、単なる合図なんだろう。


「これにて、ヴィドール・シーラ殿の、最初の証言を終了する。詠唱のは、やはり先に終えておる故、略儀りゃくぎにて、世にも尊き御神秤、御名ぎょめい銀光ぎんこう〉様に言上仕ごんじょうつかまつる。ヴィドール・シーラ殿の証言について、天秤をお示しあれかし」


 マチェク様の声に応じて、〈神秤の間〉では、またしても奇跡が起こった。どこからともなく、あらゆる色、あらゆる大きさの光球が顕現けんげんし、縦横無尽じゅうおうむじんに〈神秤の間〉を飛び回り、光り輝く巨大な天秤に向かっていき……左側の秤皿はかりざらに、うず高く積み上がったんだ。

 神秤の〈銀光〉様は、お名前の通り、清らかで神々しくて、ほんの少しだけ怖いような光を放ち、微かに震えたかと思ったら、一気に天秤を傾けた。もちろん、フェルトさんやアリアナお姉ちゃんと同じ、真実を示す左側に。


「神霊庁が神使しんしいち、クレメンス・ド・マチェクが宣言いたす。現世うつしよに神の奇跡をもたらしたもう御神秤、御名〈銀光〉様は、ヴィドール・シーラ殿の証言もまた、すべて真実とお認めになられた」


 マチェク様の宣言は、今日、三度目になる。フェルトさん、アリアナお姉ちゃん、副隊長さんの証言が、すべて真実だって認められたのは、わたしとしては、当たり前のことだったんだけど、〈神秤の間〉に集まった人たちは、なぜか大きくどよめいた。

 不思議に思っていると、神前裁判の初めから、ずっとそばにいてくれるヴェル様が、小さな声で教えてくれた。


「今回の神前裁判は、極めて異例な展開になっていますね。傍聴に集まった中には、過去の神前裁判について、それなりに知識を持っている者も多くいるようなので、皆、戸惑っているのです」

「異例って、何がですか? 裁かれているのが、元大公だからですか?」

「それもありましょうが、むしろ〈神判しんぱん〉の結果に驚いているのです。告発者の証言において、すべての御神霊が真実という判定を下されることなど、滅多めったにありませんからね」

「え? どうしてですか? 自分の言葉が真実だって信じているからこそ、神霊庁に告発するんですよね? 被疑者になった人が、事実をごまかそうとして嘘をいうんなら、まだわかりますけど」

「告発者が信じている〈真実〉と、客観的な事実としての〈真実〉、そして神々から御覧ごらんになった〈真実〉は、同じものとは限らないのですよ、チェルニちゃん。また、真実は真実に過ぎず、それが正義であるとは限りません。神のことわりに結果を委ねる神前裁判は、人の子には理解の及ばぬ高みにあるのです」


 ヴェル様の言葉は、十四歳の少女に過ぎないわたしには、むずかしいものだった。もう少し説明してほしくて、わたしが、口を開きかけたところで、マチェク様が、最後の告発者の名前を呼んだ。


「ルーラ王国騎士団中隊長、リオネル・セイン・コーエン殿。証言台に進まれよ」  

「畏まりました、マチェク猊下」

「傍聴の皆々に申し上げる。リオネル・セイン・コーエン殿は、コーエン伯爵令息として証言するにあらず。ルーラ王国騎士団の代表として、証言するものである。リオネル殿の言葉は、王国騎士団の総意であると心得られよ」


     ◆


 マチェク様がそういったとき、〈神秤の間〉は、痛いくらいに静まり返った。何回も傍聴席がざわめいて、そのたびにマチェク様が金槌を振るっていたのに、今は物音一つしない。反応が薄いんじゃなく、衝撃に硬直しちゃったんだって、わたしにもわかった。だって、傍聴席の人たちのほとんどは、目を見開いたり、口を開けたりしたまま、顔色をなくしていたんだから。

 リオネル様は、不気味な静寂の中、いかにも騎士らしい凛々しさで、証言台に進んでいった。一歩一歩、リオネル様が歩くごとに、微かなささやきが広がっていく。貴賓席にいるわたしには、よく聞き取れなかったけど、一言だけ、耳に突き刺さってきた言葉があった。〈王国騎士団は、ルーラ王国を割る気なのか〉って。


 証言台の前に立ったリオネル様は、傍聴席と左右の貴賓席に、それぞれ一礼した。アリアナお姉ちゃんたちは、最後に裁判官席のマチェク様に礼をして、証言を始めていたのに、リオネル様は違っていた。裁判官席のさらに上、レフ様のいる貴賓席に視線を向けてから、両膝をついて頭を下げたんだよ。

 レフ様と出会ってから、騎士団っていうものに興味を持つようになって、何冊も本を読んでいるから、すぐに気づいた。騎士の身分にある人が、両膝をついた礼をするのは、神霊さんと国王陛下にだけなんだって。


 今日のレフ様は、〈神威しんいげき〉として傍聴していて、〈神威の覡〉っていうのは、神霊さんの化身に他ならない。だったら、リオネル様が、レフ様に両膝をついても良い……んだろうか? リオネル様が、王太子殿下に背中を向けて、レフ様に両膝をついた瞬間、〈神秤の間〉は、声にならない衝撃に揺れたような気がするんだけど……。

 マチェク様は、リオネル様をとがめることもなく、二度三度、金槌で大机を叩いてから、声をかけた。


「リオネル・セイン・コーエン殿も、告発の確認者としての証言である。まずは、御身おんみ身上しんじょうを述べられよ」

「承知いたしました。わたくしは、リオネル・セイン・コーエン。コーエン伯爵家の嫡男であり、ルーラ王国騎士団に奉職ほうしょくいたしております。現在の階級は中隊長にして、誠に畏れ多くありがたきことに、この世の太陽でらせられる、レフヴォレフ・ティルグ・ネイラ様の副官として、末席に名を連ねております」

「今回の告発を、確認するに至った経緯を述べられよ」

「先ほど、フェルト・ハルキス殿の証言にもございましたように、我らが団長閣下は、〈神託しんたく〉で在られるお嬢様、チェルニ・カペラ様の安寧あんねいをお望みでございます。チェルニ様との文通において、姉君であるアリアナ嬢の御婚約者、フェルト殿の危機をお察しになられた団長閣下は、我ら王国騎士団や〈黒夜こくや〉、さらにはご自身の執事であられるオルソン猊下を、チェルニ様の下へとおつかわしになられました。わたくしは、そのえあるお役目にお選びいただき、フェルト殿の護衛についておりましたので、このたびの一連の騒動は、我が目で確と確認しております」


 〈野ばら亭〉にいてくれたときには、物静かで優しくて、いつも穏やかに微笑んでいたリオネル様は、思わず背筋が伸びちゃいそうな覇気はきを漂わせて、証言を続けていく。クローゼ子爵家からの無理な要求を断ったら、〈野ばら亭〉が放火されそうになって、フェルトさんも拐われそうになって、大公騎士団に襲われそうになって……。

 改めて聞くと、クローゼ子爵家も元大公も、本当にひどいと思う。わたしたちの場合は、レフ様っていう、この世で一番頼りになる人が味方をしてくれたし、神霊さんたちも助けてくれたけど、普通だったら、悲惨な結果になっていたはずなんだ。子供たちの誘拐といい、わたしたちへの悪意といい、クローゼ子爵家や元大公たちは、何て罪が重いんだろう……。


「丁寧なご説明、ご苦労でした、リオネルきょう。証言の最後に、申し述べたきことがおありなら、ご発言あれ」 

「恐れ入ります、マチェク猊下。証言の最後に、我が王国騎士団の騎士一同と、〈黒夜〉の皆様からの伝言をお伝えしたく存じます」

「よろしい。どうぞ」


 リオネル様は、もう一度、深々とレフ様の方に頭を下げてから、傍聴席に向き直った。証言というよりは、演説とか宣言とかいった方が良いような口調で、ゆっくりと、堂々と、リオネル様はいった。


「我らが王国騎士団と、王国を陰から支える〈黒夜〉とは、こころざしを同じくする同胞はらからである。我らは、地位も名誉も財貨も要らぬ、灼熱しゃくねつした信仰の徒であり、そうでなくてはならぬと、天命によって定められた存在である。信仰の対象となるのは、勿論もちろん、ルーラ王国の至尊しそんたる〈神威の覡〉、我らが団長閣下である。団長閣下がお望みである以上、我が国から連れ去られた子らを取り戻し、〈神託の巫〉をお守りいたし、王国の平和を守護することこそが、我らの使命と存ずる。我らのく道をふさげるものかどうか、試したき者は試すが良い。王国騎士団と〈黒夜〉が、身命しんみょうけてお相手(つかまつ)ろう」


 あまりといえばあまりの言葉に、〈神秤の間〉は、ものすごく重苦しい沈黙に包まれたし、わたしだって、硬直しちゃったよ。〈灼熱する信仰の徒〉だの、〈天命〉だの、〈志尊〉だの、王国騎士団の人が口にしていい言葉なの? 国王陛下も王太子殿下も、絶対に良い気がしないんじゃないの? リオネル様ってば、大丈夫?

 率直にいって……ちょっとだけ、リオネル様の正気を疑ったわたしは、横にいるヴェル様に、こっそりと聞いた。


「ヴェル様、ヴェル様」

「何ですか、チェルニちゃん?」

「今の、リオネル様の言葉って、許されるものなんですか? 王国騎士団って、一応は、国王陛下に忠誠を捧げているんですよね? あんなこといっちゃって、良いんですか? 不敬罪とかになりませんか?」

「……王国騎士団や〈黒夜〉より、チェルニちゃんの方が分別があるというのは、困ったものですね。良いかどうかと聞かれれば、もちろん、良くはありませんよ、チェルニちゃん。現世うつしよことわりからすれば、大逆罪たいぎゃくざいにも等しい発言でしょう。しかし、神霊王国であるルーラ王国は、半ば、現世の理の外にある国なのです。御神霊の化身であられる〈神威の覡〉は、現世の理ではなく、神世かみのよの理をって、語られるべき御方おんかた。そう考えれば、リオネル卿の挑発的な発言も、当然ではあります」

「でも、やっぱり、挑発していますよね? リオネル様ってば、あんなに優しくて理知的な方なのに、どうしちゃったんですか?」 

「リオネル卿は、物事を穏便おんびんに終わらせたいからこそ、ああして威嚇いかくしておられるのです。神前裁判の結果すらくつがえそうとする者が現れたら、国の分裂につながりかねません。そうさせないように、わざと高圧的なことをいっておられるのですよ……多分」

「最後の多分って、何なんですか、ヴェル様?」

「王国騎士団の方々は、忠誠心が厚くていらっしゃるので、少しばかり不安なのです。マルティノ卿であれば、言葉通りの宣戦布告でしょうし。穏当おんとうなリオネル卿なら、大丈夫でしょう……きっと」


 ヴェル様の説明に、わたしまで不安になっている間に、今日、四度目の〈神判〉が行われた。あっという間に〈神秤の間〉を埋め尽くした大小の光球は、きらきらと輝いては飛び回り、左側の秤皿に集まった。

 今までの三人のときよりも、はるかに多い光球が、目を射るくらいの光を放っているように見えるのは……気のせいだと良いな。神霊さんたちが、リオネル様の宣言に賛同して、さっきよりたくさん顕現けんげんしているわけじゃない……よね? ね?


 巨大な神器じんぎ神秤しんしょうが、微かに震えながら天秤を動かし、真実の左側に傾けたのは、予想の通りだった。リオネル様は、丁寧に礼をして、告発者の席に戻っていく。神秤の判定さえ、最初からわかり切っていたみたいな、淡々とした態度だった。 

 

 リオネル様の登場で、重く沈んだ空気を振り払うように、マチェク様が、小さな金槌を打ちつける。〈神秤の間〉に入場した告発者は、全部で四人。今、全員の証言が終わったんだから、次は被疑者側の尋問になるんだろうか?

 わたしが、じっと注目していると、マチェク様は、さっと表情を改めた。さっきまでよりも、もっとおごそかで、もっと真剣で、まるでお人形みたいに冷たい表情。マチェク様は、告発者の席から、被疑者の席に視線を移し、こういった。


「重ねていう。神霊庁が取り仕切る神前裁判は、現世うつしよの裁判にはあらず。如何いかなる虚偽も、欺瞞ぎまんも、詭弁きべんも、尊き御神霊の知ろしめす真実の前には、徒労とろうであると知らねばならぬ。その上で、口にするべき言葉があるなら、証言台に進まれよ。元大公騎士団長、バルナ殿」


 被疑者席の椅子で、うずくまっていた元大公騎士団長は、雷に打たれたみたいに身体を震わせた。神前裁判は、いよいよ次の局面を迎えようとしているんだよ……。

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[一言] チェルニちゃんより分別がないらしい王国騎士団と黒夜の皆さんに腹筋が痛い リオネルさんが理性的な一撃を! …多分とかきっととか言われてるけどwww マルティノさんは間違いなく宣戦布告しそうだわ…
[一言] いつも素敵な更新をありがとうございます! リオネルさん…!(笑) 告発側の証言が終わり、次は被疑者側がどうなるのかまた次の更新が楽しみでなりません!
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