表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
卒業式  作者: 古畑 時雄
6/15

第6話 卒業式

 部室である美術室で、僕はコユキと会話を交わし、手を取り合ってキャンパスにデッサンをしていた。


 すると突然、美術室のドアの扉がガラッと開いたのだ。中に入って来たのはユウコであった。彼女と僕は同級生で、ユウコは去年まで美術部の部長を務めていた。


 ユウコは美術室に入ると僕とコユキを見つけ、こんな言葉を投げ掛けたのだ。

「タケシ君。やっぱり美術室に来てたんだ!」


 僕に対してユウコはこう言い、僕の顔を見て嬉しそうな表情を見せた。僕は慌てて握っていたコユキの右手を離し弁解するよう、こうユウコに言ったのだ。

「何で、俺が美術室に居ること知ってるんだよ!」


 この言葉を聞いたユウコは、こう言った。

「さっきケンジ君に会ったら……タケシ君、今日は学校に来てるって……だから、美術室に居るんじゃないかと?」


 僕はさっきまで、コユキの手を握って居たのを見られたのではないかと気になった。しかし確かめる術もなく、話を逸らすのに受験の話をしたのだ。

「ユウコはさぁ 第一志望の大学はどこ?」


 するとユウコはこう答えた。

「わたし北大だよー! タケシ君は?」


 この質問に僕が答えようとした瞬間、コユキがこう言ったのだ。

「タケシ先輩は千葉大ですよねー。わたしは来年、東京の芸大目指しますよー」


 こんな事をコユキは二人に言い、美術室の空気が張り詰めたのだった。


つづく…

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ