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プルルルル プルルルル
ツーツーツー
何度電話をしてもつながらない。
10回目。
ツーツーツー
15回目。
ツーツーツー
16回目。
プルルルル プルルルル
もしもし?
「つながった。」
みんなの視線が美佐に向く。
「ま・・・」
「静かに」
何かを言いたそうに卓也はしていたが沙織に静かにといわれ口を閉じた。
「もしもし?裕也?え?・・・・・・はい。そうなんですか。え?・・・私は近藤美佐です。はい・・・さようなら」
そして美佐はみんなに今のことを言った。
正直ショックだった。
「裕也が誰かに殺された…」
「「・・・。」」
皆何も言えない。
美佐はつづけた。
「犯人は遠くから矢を放ったんだって。それでねその矢に手紙が巻きつけられていたんだって。その手紙は私たち宛てだって。だから今すぐ取りにきてだって。」
「そ、それ本当なのか?」
昌介にそう言われ美佐はこくりとうなずいた。
「うそでしょ・・・」
沙織も相当ショックを受けているようだ。
その中で一人卓也がこう言った。
「と、とりあえずその手紙とやらを取りに行こう!何か手掛かりが書いてあるかもしれねぇ」
そして珍しく麻衣も皆を励ました。
「そうだよ。みんな行こう?」
普段あまり話さない麻衣がいきなり励ましてきたので妙に違和感を感じたが、少し安心した。
「よしいこう!」
そういって、昌介が歩きだした。
皆もそれにつれて歩き出した。
警察署に向かって。
麻衣は何か身の危険を感じていた。
なんだろう・・・この感じ・・・・・・
なにか恐ろしいことが起ころうとしている・・・
そう麻衣は感じていた。
しかしあえてみんなに言わなかった。
あまりみんなにそういうともしそうでなかった時に恥ずかしい思いをするからだ。
昌介はいまだに裕也がしんだことが信じられなかった。
俺は夢でも見ているのか・・・
どうなってんだよ・・・
それと裕也を殺した犯人はだれなんだ?
昌介は混乱していた。
豊はついさっきの裕也との言い合いを思い返していた。
あれが最後の光景になっちゃうなんて・・・
豊はこうなってしまったことをとても悲しんでいた。
しかしここで泣いたらみんなに泣いているところを見られてしまう。
ぐっと泣くのをこらえた。
沙織はこう考えていた。
きっと卓也は自分に責任を感じている
きっと自分が追い返したりさえしなかったら今頃トントンの中で昼飯を食べていたと思っているんだろうな・・・
卓也は沙織の考えとは逆の考え方をしていた。
俺は悪くない・・・絶対に!
第一向こうからきれてきたんじゃないか!それをおれは止めただけだ。そしたらあいつ勝手に帰ったんだ。おれは正しいことをしたんだ!
美佐は裕也のことなんか頭になかった。
勝、大丈夫かな?
それしか彼女の頭の中には残っていなかった。
そしてかれらは警察署についた。




