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あれから30分がすぎた。
「それにしても遅いな」
豊はまちくたびたようにそういった。
確かに遅い。それでもって連絡も来ない。
美砂も少し待つのに疲れてきた。
そこへ晶介は我慢出来ずこういった。
「ねぇ先にトントンいこうか」
みんなはしばらく考えた。
そして最終的にはしかたがなく先にトントンに行くことにした。
トントンまでの道のりを歩いている。
「勝めーきたらぶったおしてやる!!」
祐也は機嫌が悪そうだ。
「まあまあおちついて」
祐也の機嫌をなおそうと豊はがんばっていた。
「できるかー!」
祐也は続けた。
「だいたいおまえだっていつも鏡持って自分の顔見てうっとりしてるし」
「うっ・・・」
豊は黙り込んでしまった。
その様子を見て沙織が笑っている。ついでに卓也もだ。
豊は顔を赤くした。
そうこうしているとトントンに着いた。
「着いたね」
麻衣は控えめにそう言った。
卓也はケータイを取り出した。
「どうする?勝から連絡一つも入ってこないけど」
美砂は時計を見てみる。
今は十時ジャストだ。
中に入ってもおなかを空かしていないのであまり食べられないだろう。
やはりここは勝を待とうとみんなに言うべきか。
美佐は少し迷っていた。
すると沙織がこう言った。
「みんな!勝を待とうよ!ね?卓也もそうだよね??」
「おう!その通りだ!みんなは?」
皆も同じらしく沙織の意見に賛成した。
もちろん美佐もだ。
卓也は勝にメールを打っていた。
どうした?はやくこい!
みんな待ってるぞ!
そして送信した。
10分後、勝から返信はまだ来ていない。
20分後、まだ来ていない。
30分後、まだ来ない・・・
ついに裕也の勝に対する怒りは爆発した。
「おっせぇーーーーーーー!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」
思いっきり叫んでいた。
美佐はすぐ隣にいたので思わず耳をふさいだ。
「うっせえよ」
昌介は裕也を注意した。
「だっておっせえじゃねえか勝」
「だから卓也がメール送ったんだろうがぁ?待つことができないのか!!」
「もうできねぇーよ!!!!!俺帰る!!!!!!!!!」
「勝手にかえってろ!!!!」
「ああわかったよ帰るよほらじゃあな!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」
そういって裕也は帰ってしまった。
「ったくなんだし」
裕也は本当は帰るつもりはこれっぽちもなかったが頭に来て帰った。
とその時道の向こうに誰かがいるのに気がついた。
裕也は目を凝らす。
「おまえは!!」
そういった時には裕也は首に矢を放たれていた。
それはみごとに命中。裕也は口から勢いよく赤い液体を吐き出した。
即死だった。
矢を放ったある人物はもうそこにはいなかった。