表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
4444  作者: 川犬
24/24

エピローグ

菊池はチャッピーの散歩をしていた。麻衣が死んでしまい、代わりに飼うことになったのだ。

それにしても、あの5人はどこへ行ったのか。昨日から連絡がつかない。

チャッピーが突然走りだした。

「キャンキャン!!」

「どうしたんだ。」

チワワなのにすごい力だ。大型犬よりも強いのではないか。

チャッピーはぐいぐい、菊池を引っ張り、どんどん進んでいく。

「どうしたんだ。チャッピー。」

しかし、チャッピーは走る。菊池もチャッピーがあまりにも必死だったので、一緒に走ることにした。

突然どうしたんだろうか。

チャッピーが止まった。それと同時に菊池も止まる。

ここは、中学校だ。もう廃校になっている。W中学校というらしい。

「W中学校?」

とりあえず、菊池は中に入ってみることにした。

吸い込まれるように、菊池は中に入った。

校庭に誰かいる。目が悪いせいか、よく見えない。

チャッピーはそれに向かって、走り出した。

菊池もあとを追う。

5mぐらいになると誰だかわかった。

「工藤!」

そう叫ぶと、昌介ははっとなって、こっちを向いた。

泣き崩れていた。それを思いっきり手で拭いていた。

「どうしたんだ?みんなは?」

・・・。

それに、昌介は答えない。答えられないようにも見える。

「ボロボロじゃないか。」

「みんな、おれが殺した。」

「え?」

「犯人は俺だ。」

菊池は戸惑ってしまった。

「それは本当なのか?」

昌介は少し戸惑った表情を見せながら、ゆっくりとうなずく。


昌介は嘘をついた。

「みんな、おれが殺した。」

「え?」

「犯人は俺だ。」

「それは本当なのか?」

昌介はゆっくりとうなずいた。

「・・・。わかった。警察署まで来るんだ。」

「はい。」

菊池はケータイを取り出し、誰かに電話をしていた。

「・・・はい、もしもし?菊池です。・・・今犯人を捕まえました。・・・車を用意してください。・・・さようなら。」

そして、ケータイを切った。

しばらくするとパトカーが来た。

それに、菊池と昌介は乗り込む。

パトカーに乗り込んだ昌介は、あの時のことを思い返していた。


「さてと。」

昌介は今度は自分の頭に、銃口を近づけた。

「俺も殺したんだ。その罪滅ぼしをしなきゃな。」

昌介は誰もいない前を見ながら、そう言った。

「・・・。」

一滴の涙がこぼれた。

バンッ

2度目の銃声が鳴り響いた。しかし、弾が貫いたのは、昌介の頭じゃなかった。

4444と刻まれている扉だった。結局死ねなかった。

死ぬ勇気が足りなすぎていた。

塔はいつの間にかなくなっており、いつの間にか校庭にいた。

自分は助かったのだ。いや、助かってしまったと言ったほうが正解だろう。

自分だけ助かってしまった。

そう思うと、涙が止まらなくなっていた。


昌介は思い返すのをやめて、疲労がたまっていたのかいつの間にか寝てしまっていた。

俺は、おまえたちの分も頑張って生きていくと、誓いながら。

寝ている時の昌介の顔は少し戸惑った表情のようにも見えた。



評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ