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4444  作者: 川犬
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扉が突然、がたりと開いた。大きな音をたてる。

それと同時に笑い声も消える。

「だれだ。」

低い声で仮面をかぶった人は言った。

「おれだよ。」

昌介が階段からのぼってきたようだ。

「な!?おまえ」

「そうさ。俺が死んだとでも思ったか。」

「なに!?」

目の前に現れた男。なぜ生きているのか。

「ほらよ。」

そう言って、小さなカプセルをポケットから取り出し、放り投げた。

投げられた小さなカプセルは宙を舞う。

「薬・・・。飲んでいなかったのか・・・。」

そう言うと昌介は少し笑った。

「俺が飲むとでも思ったか?勝。」

「・・・。よくわかったな。いつわかった?」

勝といわれたその人は、仮面を外した。

そこから、勝の顔があらわれる。

昌介はそれを確認すると、口を開いた。

「はじめから。」

「もう少し詳しく言え。」

「お前から来たメールでわかったよ。」

勝は少し顔をゆがめた。昌介はつづける。

「最初に来たメール、お前少し遅れると言ってたな。しかし、その時、見つけたんだ。お前が人ごみに紛れこんでこっちを見ているのを。」

「ばれていたのか。」

「あぁ。俺は少しおかしいと思った。しばらくすると裕也が帰った。それと同時におまえは裕也のほうに行った。そして、裕也が死んだ。勝、おまえはその時に勝を殺した、だろ?」

「・・・。」

勝は何も言えない。

ただ、下を向いている。

「おまえはもう生きる資格なんてない。」

そう言って、昌介はどこから持ってきたのか、拳銃を取り出した。

弾を補充する。

そして構える。

勝は顔を上げた。そしてそっと微笑んだ。

「俺を殺せ。」

やさしい声だった。

「・・・。わかった。」

銃口を勝の頭に近づける。勝は逃げようとはしない。どうやら、本当に死ぬ覚悟でいるようだ。

バンッ

勝はどさりと倒れた。もう動かない。そして、冷たくなっていく。

「さてと。」

昌介は今度は自分の頭に、銃口を近づけた。

「俺も殺したんだ。その罪滅ぼしをしなきゃな。」

昌介は誰もいない前を見ながら、そう言った。

「・・・。」

一滴の涙がこぼれた。

バンッ

2度目の銃声が鳴り響いた。

次がエピローグです。

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