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そして、美佐は大型の包丁と金づちを手に取った。
豊も手に取る。
「はじめろ。」
美佐はそういった瞬間に包丁で豊の腹を切りつけた。
「グ・・・は・・・み、美佐・・・貴さま・・・。」
豊の腹から血が噴き出る。止まらない。
あぁ・・・、タノシイ!!!!
豊は座り込んだ。口からも血が出る。
「はぁはぁ・・・、なにを・・・かんが・・・え・・・て・・・いる・・・んだ。」
「あんたをころすこと。」
美佐は即答で答えた。
「お、お・・・まえ、ま・・・―――――――――――――――。」
もう豊の言葉も聞こえない。
今度は美佐は金づちで豊の頭を思いっきり叩きつける。
「・・・。」
豊は死んだ。しかし、何かが物足りない。
もっと・・・もっと・・・もっとおおおおおお!!!!!
美佐の金づちで豊を殴る動作は止まらなかった。
そして、包丁で刺しまくる。
血がついても全く気にしない。
「よくやった。」
不意に男の人の声が聞こえてきた。
さっきの仮面をかぶった人だ。
「おまえは豊をよく裏切った。次だ。こいつを殺せ。」
美佐はゆっくりと振り返る。そして仮面をかぶった人の指をさしている方向へ目を向ける。
そこには縄で縛られている人がいた。
美佐が勝だと思っている人だ。
「いやよ・・・。」
「・・・ははははは!!!勝が助からなくなってもいいのか?」
「アンタヲコロス。」
「なに!?」
仮面をかぶった人がそういった時にはもう遅かった。
包丁が仮面をかぶった人を貫く。
血が噴き出る。
「よくも・・・!!!!」
構わずブスリブスリと刺していく。
「あぁ!!!!!おまえは・・・なぜ・・・さっきの・・・豊の・・・俺を・・・ころそうと・・・いう提案・・・にさんせ・・・い・・・せずに・・・いま・・・おれを・・・。ごほ!!ゴホッ!!!!」
そう言われた時、美佐の手がぴたりと止まった。
「え・・・?」
「だからぁ・・・豊を・・・どうして・・・ころしたぁ・・・。仲間を・・・・」
仮面をかぶった人は続ける。
仮面の下では笑っているのだろうか。
「ふふ・・・、おまえは・・・ウラギリモノだ・・・。」
「うっさああああああああああああああああああああああい!!!!!!!!!」
「ウラギリモノ。」
「だああああああああまああああああああれえええええ!!!!!!!!!!!!」
目を強くとじ、思いっきり金づちと包丁で刺したり殴りまくる。
豊は、まさかあの時このクソ野郎を一緒に殺そうと思っていたのだろうか。
そう思うと後悔と罪悪感が残った。
・・・。
美佐はそっと目を開けた。