16
「よし先行くぞ。」
昌介はそう言って先に言った。
沙織もあとに続く。
後ろから美佐と卓也と豊も続く。
次は何段目になるのだろうか。
沙織は大体予測できた。
次は444段目・・・。
おそらく、いや絶対そうだろう。
今までも4段目、44段目と続いていたのだ。
この調子だと次は444段目だ。
不吉だ。4(死)が並んでいる。
何か危ない。
何段ぐらい上ったのだろうか。
卓也もそうだが皆も息を荒らしている。
ただ黙々と上る。
誰一人しゃべらない。
ただ、息を荒げている音だけが聞こえてる。
はぁはぁ・・・
「まだか・・・。」
だれひとりしゃべらないので、呟いてみた。
しかし、皆気が付いていないらしく誰一人反応すら示してくれなかった。
15分ぐらい上り続けただろうか、ようやく扉が見えた。
そこに何とか追いた。
その扉にもまた数字が刻まれていた。
444、と。
昌介は扉にたどりついた。
ようやく。
ついに。
もう息を荒げていた。
「はぁはぁ・・・入るぞ。」
もう周りの意見はどうでもいい。
ただ早く勝を助けたかった。
疲れ果てていてそれで精一杯だ。
足がずきずきする。
そしてパンパンに膨れ上がっていた。
まだ何とか歩けるがなるべく歩きたくなかった。
ギギギ・・・
扉の開く音が聞こえてくる。
中に入る。
また同じような部屋だ。
ただ今度はテーブルの上には何もなかった。
「こんどは・・・はぁはぁ・・・なんだってんだよ・・・。」
またケータイの着信音が鳴りだすのか。
みんな中に入り、最後の豊が扉を閉めた。
ガチャリッ
鍵のかかる音が聞こえてきた。
「な・・・!」
急いで扉を引っ張る。
しかしびくともしない。
「くそ・・・。今度はなんだよ・・・。」
その時、やはりケータイの着信音が鳴った。
昌介は、ケータイを開く。
30分たてば扉が開く。
それを読みケータイを閉じた。
「なんなんだ・・・。」
昌介は座り込んだ。
こんな意味もないようなことをしても犯人に何のメリットはない。
それなのにこんな意味のないようなことをしているということはいったいどういうことなのか。
何か利益になることでもあるのか。
もしかしたら、犯人は自首するつもりなのか。
それが一番いいがそういうわけでもなさそうだ。
またメールが来た。
今度はどうやら、美佐と豊には来ていないようだ。
そのメールを確認する。
さっき飲んだ薬は毒薬だ。
「そ、そんな・・・。」
それを読んだ途端に昌介は恐怖のあまり震えで、ケータイを落としてしまった。